外壁塗装では色々な道具が使用されます。
一つひとつの道具には万能性はほとんどなく、高品質な外壁塗装を行うためにはそれぞれの道具を専門的に使いこなす必要があるのです。
では、外壁塗装業者ではどのような道具を使用しているのかチェックしてみましょう。
■外壁塗装でも最も使用されるローラー
外壁を実際に塗装する際は、ローラーや刷毛、スプレーガンなどを使用します。
全体作業の8割で使用されている道具がローラーです。
外壁は基本的に平面であるため、ローラーで塗布できる部分はローラー、細かい箇所には刷毛と使い分けるのが一般的な工法になります。
・ウールローラー
ローラーの中でもよく使用されているのが、ウールローラーです。
「羊毛ローラー」、「ウーローラー」などと呼ばれることもあります。
羊毛のように柔らかい繊維が特徴的で、既存する模様を塗りつぶすことなく塗布できることから重宝されています。
また、塗料を均等に塗りやすいので、使いやすさも抜群のローラーです。
ローラーにはマイクロファイバーを使用したものもありますが、そのマイクロファイバーローラーもウールローラーと同じ性能を持ちます。
なお、毛足の長さによって短毛ローラー、中毛ローラー、長毛ローラーに分類でき、特徴もそれぞれ異なります。
まず、短毛ローラーは毛足が5mm前後のもので、目地やへこみ部分を塗る際に使用することが多いです。
中毛ローラーは毛足が13mm前後、中間の長さなので様々な部分に対応できる一般的なローラーになります。
長毛ローラーの毛足は20mm以上で、主に表面がデコボコしている部分や、タイルの溝と一緒に塗る時に使用されます。
・砂骨ローラー
見た目はスポンジのようで、無数の空洞が特徴的なローラーです。
その空洞に塗料をたっぷり吸い上げることができるため、塗料を厚めに塗りたい時やドロドロと粘度が高い単層弾性塗料を塗布する際によく使用されています。
・加工用ローラー
ローラーは主に塗布作業で使用する道具ですが、その他の作業で使われるローラーもあります。
例えば吹き付けでデコボコをつくり、あえてつぶして模様をつける工法では、ヘッドカットローラーと呼ばれる加工用ローラーを使用します。
また、防水工事などでシートを貼り付ける際、空気を抜くために脱泡ローラーなどもあり、様々なシーンで活躍しています。
■細かい作業には刷毛を使用
大部分はローラーで塗布しますが、細かい部分は刷毛を使用します。
その刷毛にも様々な種類があるのです。
・平刷毛
平らな刷毛で、広い範囲を一度に塗ることはできます。
・筋交い刷毛
柄が斜めっているのが特徴的な刷毛です。
角や細かい部分に適しています。
・寸胴刷毛
平刷毛とは異なり寸胴が特等的で、塗料の含みが良い刷毛です。
一度にたくさん塗ることができ、また粘度の高い塗料でもよく使われます。
・目地刷毛
刷毛でも特に細く、溝や目地の塗装に適しています。
・隅切り刷毛
端や狭い部分の補修に使われる刷毛です。
・ラスター
ダスターとも呼ばれており、外壁に付着した汚れを落とす掃除に使われています。
豚の毛を使用することが多い刷毛です。
・鉄骨刷毛
鉄骨など金属部に使用します。
・水性刷毛
水性塗料は獣毛だと固まってしまうため、ナイロンなどの化学繊維を用いて作られている専用の刷毛です。
■吹きつけ塗料に使うスプレーガン
現在は主流ではありませんが、吹き付け塗料が必要なデザインの場合に使用される道具です。
スプレーガンにはエアスプレーとエアレススプレーの2種類があります。
まず、エアスプレーとは空気を圧縮し、噴出時に塗料も同時に噴出して塗布するという仕組みになっています。
ただ、塗料を無駄にまき散らしてしまうことがデメリットと言えます。
エアレススプレーは塗料自体を圧縮して噴出させるので、一度にたくさんの塗料を塗布でき、飛び散りも少ないです。
■養生に使用する道具について
・マスキングテープ
粘着力がありながらも、剥がしやすさも抜群のテープです。
しかし、外壁などの質によって張りつかない場合もあります。
その場合は、テーププライマー塗料を使用し、マスキングテープを張り付けやすいようにします。
・養生シート
外壁以外の場所に塗料が付着しないよう、覆うためのシートです。
飛び散りを抑えるために家の周辺を囲む飛散防止シートを養生シートと呼ぶことがあります。
・車、バイク用カバー
車やバイクを全て覆うことができる、ビニール製のカバーです。
外壁塗装時に車庫がなく車やバイクに塗装が飛んでしまうかもしれませんが、大切な車やバイクを汚さないための道具です。
■下地作業で使用する道具について
・皮スキ
金属製のヘラで下地作業など様々なところで活躍する道具です。
例えば、高圧洗浄で落としきれなかった汚れを落とすケレン作業で使用やスレート屋根で塗料が付着した場合の縁切り作業、塗料が固まり開かない塗料缶を開けるなど万能に使えます。
・サンドペーパー
ケレン作業や塗料の付着を良くするために表面を傷つける目荒らしなどで使われる紙やすりです。
目の粗さにより番号で分類されており、目が粗いほど番号が小さく、目が細かいほど大きな番号で記載されています。
なお、より強く削りたい場合はハンドパッドやワイヤーブラシを使い分けましょう。
様々な道具をご紹介しましたが、紹介した道具以外にもまだまだたくさん使用されています。
ぜひどんな道具が使われているのか調べてみましょう。