アパート・マンションの減価償却、外壁塗装でも可能?【2019/1/22更新】 – 屋根&外壁塗装情報サイト

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アパート・マンションの減価償却、外壁塗装でも可能?【2019/1/22更新】

目次

減価償却

アパートやマンション経営の際に、減価償却を利用して外壁塗装ができるのか不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そもそも減価償却の詳しい内容がわからない、減価償却によってどのような効果がもたらされるのか、適用される例とされない例の違いはあるのか、など減価償却の分からない部分を解消したい方はぜひ今回の記事を参考にしてみてください。

減価償却とは?

減価償却という言葉をご存じですか?
減価償却とは、購入した不動産の金額を不動産が利用できる耐用年数で割ることをいいます。
つまり不動産を購入した場合、購入した年にその総額を計上するのではなく、毎年平均的に分けて計上していくことになります。
例として、3000万円のマンション購入して耐用年数が30年だった場合、100万円が毎年費用として計上されていくということです。
様々な決めごとがあり難しいように感じるかもしれませんが、減価償却する目的などについて解説します。

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■減価償却の対象と目的

減価償却は時間の経過や使用したことで価値が減少する固定資産に限り適用され、その取得した費用を耐用年数に応じて費用を計上していくため、時間の経過によって価値が減少しないものに関しては減価償却資産として扱われることがありません。
なので、マンションやアパートなどはこの減価償却の対象になりますが、土地などは時間の経過によって価値が変わらないため、減価償却対象から外れます。
つまり、マンションの購入費全額が減価償却の対象になるのではなく、マンションと土地に分けて考える必要があり、また同じ建物部分であっても、建物躯体である本体部分と建物設備である電気設備や配管などの設備を分けて考えます。
新築マンションであれば、区分分けも比較的しやすいのですが、中古マンションの場合は区分分けが難しい場合がありますが、この場合は設備も建物躯体に組み込むことがあります。
それくらい、減価償却の計算対象がややこしい部分があったり、それぞれの使用期間などが法律によって決められているため、いくつかのルールに沿って正しく計算していく必要があります。
減価償却を行う目的は、取得にあたってかかってきた費用を1回で計上するのではなく、利益を得るための期間に応じて費用計上することが望ましいと考える費用収益対応の原則に沿って行うため、このような減価償却の方法が用いられています。
また正しい減価償却をするためには、きちんと会計処理することが重要です。

■減価償却できない資産もある

「資産」には実は2つの意味合いが隠れていることをご存知でしょうか?
一つは企業や個人が持っている現金や預金などの財産全てを指すものです。
例えば個人だと預貯金や不動産などが当てはまります。
もう一つは減価償却の対象で挙げられる固定資産のことを指しています。
こちらは上記でも紹介したものが資産として数えられるのです。

ただし、固定資産の中には減価償却費として処理できないものもあります。
どういったものが減価償却に含まれないのか見てみましょう。

・土地や借地権など
・電話加入権
・稼働を休止している資産
・現在建設中の資産
・育成中の生き物や樹木
・書画や骨董品など

建物自体は減価償却も可能となるのですが、土地や建設中の建物に関しては減価償却の対象となりません。
また、外壁塗装のように建物のメンテナンス、修理・修繕は対象となりますが、逆に修理や修繕ができないような資産に関しては減価償却できないことになります。

減価償却ができない資産の共通点として、

・業務に活用されていない固定資産である
・時間経過によって劣化しない固定資産である

この2つが当てはまります。
例えば、いくら高い費用で購入した機械であっても現在それが稼働されていなければ減価償却することはできないのです。
ただし、ラインの中で稼働していない機械であっても保守点検やメンテナンスが定期的に行われていれば稼働していなくても減価償却は行うことができます。
「稼働できるもの」は減価償却の対象になるのです。
節税を考えるなら、減価償却の対象となるものを中心に取り入れていった方が良いと言えるでしょう。
ちなみに、書画や骨董品といった歴史的価値の高いものに関しては減価償却の対象にはなりませんが、美術品の中でも取得金額が100万円未満のものに関しては減価償却の対象となります。

■減価償却は必ずした方が良いのか?

減価償却は一括で支払わなくてもいいように何年かに分けて経費に落としていくことができますが、必ず減価償却は行った方が良いのでしょうか?
実は減価償却は行わないという方法を取ることもできますが、実施しないと会計的におかしくなってしまいます。

どういうことが起きるかというと、例えば企業がオフィスの修繕と塗り替えのため外壁塗装を行ったとします。
修繕費と外壁塗装費を合わせて1000万円かかりました。
もし、減価償却しなかった場合、そのまま経費として落としてしまうと1000万円分が経費としてかかってしまうことになります。
経費はこれだけではなく他にも会社の人件費や様々なことで使われるため、売上高を大きく上回ってしまい、大赤字になってしまうことも考えられます。
業績がいきなり赤字になってしまうことで、もしかすると銀行からの融資がストップしてしまうかもしれません。
減価償却で1000万円を数年にわたり少しずつ経費に落とし込んでいけば、毎年の利益がきちんと表すことができるのです。

会社にとっては年度業績を正しく示す決算書を作る必要があります。
正しい決算書を作るには、減価償却を行い、毎年度の利益を正しく出さなければいけないのです。
これが、「適正な期間損益計算」という考えとなります。
基本的には減価償却というのは必ず行った方が良いと言えるでしょう。

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■マンションの減価償却

マンションの減価償却費用を計算するには、いくつかの手順があります。

・マンションを土地・建物として考える
・マンションの利用可能年数がどれくらいか調べる
・減価償却の計算方法を選ぶ
・減価償却費用を計算する

この順番で計算してみましょう。
まず、マンションを土地・建物として考えます。
別々に考える場合、一番簡単な方法は不動産会社が発行した売買契約書や譲渡対価証明書でそれぞれの価格を知ることができます。
もし、不動産会社から発行された書類で分け方がわからない場合には、連絡すると教えてもらうことができます。
土地と建物に分けたあとは、建物本体と設備に分けていきます。
それぞれの金額を知りたい場合は、不動産会社が発行している書類で確認することができ、これも先ほどの土地と建物の分類と同じようにして分けてみましょう。
中古物件の場合は、区別が難しい場合もあるので確認しておきましょう。
マンションの利用可能年数は、使われている材料によって耐用年数が異なってくるだけでなく、使われる用途によっても年数が異なってきます。
目的に合わせて違うので、よく確認してから減価償却資産の耐用年数を調べてみましょう。

【木造・合成樹脂造】
・事務所用・・・・・・・・・・・24
・店舗用・住宅用・・・・・22
・飲食店用・・・・・・・・・・・20
・旅館用・ホテル用・・・17
・病院用・車庫用・・・・・17
・公衆浴場用・・・・・・・・・12
・工事用・一般倉庫・・・15

【木骨モルタル造】
・事務所用・・・・・・・・・・・22
・店舗用・住宅用・・・・・20
・飲食店用・・・・・・・・・・・19
・旅館用・ホテル用・・・15
・病院用・車庫用・・・・・15
・公衆浴場用・・・・・・・・・11
・工事用・一般倉庫・・・14

【鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造】
・事務所用・・・・・・・・・・・50
・住宅用・・・・・・・・・・・・・47
・飲食店用・・・・・・・・・・・34
(延面積のうちに占める木造内装部分の面積が30%を超えるもの)
・飲食店用・・・・・・・・・・・41
(その他)
・旅館用・ホテル用・・・31
(延面積のうちに占める木造内装部分の面積が30%を超えるもの)
・旅館用・ホテル用・・・39
(その他)
・病院用・店舗用・・・・・39
・公衆浴場用・・・・・・・・・31
・工事用・一般倉庫・・・38

【れんが造・石造・ブロック造】
・事務所用・・・・・・・・・・・・・・・・・・41
・店舗用・住宅用・飲食店用・・38
・旅館用・ホテル用・病院用・・36
・車庫用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34
・公衆浴場用・・・・・・・・・・・・・・・・30
・工事用・一般倉庫・・・・・・・・・・34

【金属造】
・事務所用
骨格材の肉厚が4㎜以上・・38
3㎜以上、4㎜以下・・・・・・・30
3㎜以下・・・・・・・・・・・・・・・・22
・店舗用・住宅用
骨格材の肉厚が4㎜以上・・34
3㎜以上、4㎜以下・・・・・・・27
3㎜以下・・・・・・・・・・・・・・・・19
・飲食店・車庫用
骨格材の肉厚が4㎜以上・・31
3㎜以上、4㎜以下・・・・・・・25
3㎜以下・・・・・・・・・・・・・・・・19
・旅館用・ホテル用・病院用
骨格材の肉厚が4㎜以上・・29
3㎜以上、4㎜以下・・・・・・・24
3㎜以下・・・・・・・・・・・・・・・・17
・公衆浴場用
骨格材の肉厚が4㎜以上・・27
3㎜以上、4㎜以下・・・・・・・19
3㎜以下・・・・・・・・・・・・・・・・15
・工場用・倉庫用(一般用)
骨格材の肉厚が4㎜以上・・31
3㎜以上、4㎜以下・・・・・・・24
3㎜以下・・・・・・・・・・・・・・・・17

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建物の耐用年数を確認したら、減価償却の計算方式を決めましょう。
減価償却費の計算方法は定額法と定率法の2つの方法があり、定額法では減価償却対象の金額を耐用年数がくるまで毎月同じ金額を分配していきますが、定率法では耐用年数の初期に多額の減価償却を計上することができ、築年数の経過に伴い減価償却金額が低下していく計算方式があります。
どちらの計算方法であっても、減価償却費用の累計金額は同じになりますが、建物本体には定率法を用いることができず、また平成28年度4月1日以降に取得した不動産の建物設備に関しての減価償却は、定額法に一本化されることになりましたので、建物本体には定額法のみ、建物設備には定額法のみの計算方式となります。
減価償却の金額と減価償却費用の計算方式が決まったら、耐用年数を計算で算出します。
鉄筋コンクリート造の新築物件の場合は、建物47年で建築設備が金属なら15年となりますが、中古物件の場合はこれから経過年数を引いて残っている耐用年数を算出する必要があります。
鉄筋コンクリート造の中古物件で築12年2ヶ月が経過していた場合、建物本体の47年から経過年数を引きますが、12年2ヶ月の端数は切り上げ、13年として考えます。
なので、47年-(13年×0.8)=36.6年となり、端数は切り捨てられるので、36年という計算が出ます。
これと同じように、建築設備も計算して残存耐用年数を計算します。
また耐用年数を過ぎている場合には、建物本体の47年に0.2をかけて残存耐用年数を出していきます。

■減価償却費用を計算する

減価償却の対象などが理解できたら、今度は減価償却費用を実際に計算してみましょう。
まずは上記でも示したように、耐用年数を出す必要があります。
個人事業では「定額法」が使われますが、定率法を活用する場合は必ず申請を出して許可を取らなければ利用できません。
定額法の計算方法は、下記の公式に当てはめることになります。

購入時の価格×償却率/12×その年に使用した月数=1年間の減価償却費

外壁塗装で例えてみましょう。
外壁塗装に200万円かかったとします。
耐用年数は10年間となるため、償却率は0.1になります。
200万円×0.1/12×12=20万円
20万円が年間の減価償却費として経費処理されることになり、これが10年間で20万円ずつ経費に計上される形となります。
ただし、最後の1年だけは「備忘価額」として1円差し引いた額が計上されるのです。

また、減価償却を会計処理する場合、減価償却費用を固定資産から直接差し引いていく「直接法」と、減価償却費用を借方科目に費用計上してから貸方科目で減価償却累計額を記入する「間接法」の2つの方法があります。
計算が多くなることでなかなか慣れずに大変だと感じるかもしれませんが、取得価格と法定耐用年数、定額法と定率法のどちらかの計算方式さえ理解しておくと、あとは計算するだけで簡単に減価償却を算出することができます。

【一括償却資産として処理することも可能】

実は、一括償却資産という方法もあり、こちらは毎年少しずつ経費に計上するのではなく、法定耐用年数などは一切関係なく3年で経費処理することになります。
この方法は上記のように200万円もかかるような固定資産は対象とならず、10万~20万円未満であれば一括償却資産にすることもできます。
一括償却資産のメリットは、固定資産税の対象から外すことができるという点が挙げられます。
一括償却資産にすることで節税も可能なのです。

【個人事業主であれば「少額減価償却資産の特例」も利用できる】

また、個人事業主であれば30万円未満のものを経費に一括で落とすことができる特例もあります。
これは「少額減価償却資産の特例」といい、2018年3月31日までに取得したものと限定されてはいますが、30万円未満のものであれば即時償却が可能です。
もしも利益が大きくなる可能性が高いというのであれば少額減価償却資産の特例を利用しても良いでしょう。
ただし、まとめて利用できるのは300万円までとなっています。

■減価償却にも「会計上」と「税務上」の違いがある

今までは減価償却の基本的なことをご紹介してきましたが、そもそも減価償却にも「会計上」と「税務上」の2種類が存在しています。
会計上と税務上でどのような違いがあるのか見ていきましょう。

【会計上の減価償却】

まず、会計上の減価償却について解説していきましょう。
会計上の減価償却で最も重要なことは、「適正な期間損益計算を行う」ということがポイントになります。
年度利益を正しく算出することで、売上に関係する経費だけを計上するという意味合いとなっています。
ある期間の中で売上と経費を正確に対応させておかなければならず、バランスが取れていないといけません。
会計上の減価償却では耐用年数を固定資産の使いみちや頻度に応じて企業側が自由に決めることができます。

例えば全く同じ機械をA会社とB会社が購入したとします。
しかし、A会社では耐用年数を10年、B会社では耐用年数を12年に設定することも可能なのです。
会社法による計算規則では減価償却について具体的に書かれている項目は特にありません。
そのため、会計的に問題がなければ会社法上でも問題はないことになるのです。
会社的に「外壁塗装は10年を目安に塗り替えるので、耐用年数も10年にする」という考え方でも問題ないのです。

【税務上の減価償却】

一方、税務上の減価償却は会計上の減価償却のように自由に耐用年数を決められるわけではありません。これは、「課税の公平性」を目的としており、税金逃れができないようにするためでもあります。
企業も会計の場合は自由に減価償却を行えますが、税法上では法定耐用年数を必ず使用して計算しなければなりません。
法定耐用年数を使用して損金にすることができる限度額(償却限度額)は算出します。
この限度額に合った金額が減価償却費となりますが、万が一過不足がある場合は税務調査が必要となるので気を付けましょう。

中小企業の多くは税務上の減価償却費で会計上の減価償却費も出しています。
これは会社側が勝手に減価償却費を出すことで、税務上の減価償却費では異なる金額が算出されてしまうことを防ぐためです。
例えば、会社で外壁塗装の耐用年数は10年と決めていても、税務上の減価償却では法定耐用年数で計算されます。
もし、法定耐用年数が12年だった場合、会計上の減価償却費の方が多くなるわけですから、その分が税金としてかかってしまうのです。
そのため、中小企業では増税されないようにあらかじめ法定耐用年数を用いて計算を行います。

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【会計上と税務上の減価償却費に差額が生まれた場合】

もしも会計上と税務上の減価償却費で差額が生まれてしまった場合、申告調整を行う必要があります。
税務上よりも会計上の減価償却費が多くなった場合の差額を「償却超過額」、逆に会計上よりも税務上の減価償却費が多くなった場合の差額を「償却不足額」と呼びます。
まずは償却超過してしまった場合の例を見てみましょう。
法定耐用年数が10年、100万円の外壁塗装が税務上の減価償却費は1年目以降10万円かかり、10年目は9万9999円となります。
しかし、会社が耐用年数を8年と設定した場合、1年目以降12万5000円かかり残存価額は0円となりました。
この場合、税務上の減価償却費との差額が毎年増えていくことになりますが、10年目には会計上の減価償却費は0円ですが、税務上の減価償却費は9万9999円となり、超過額の累計が1円となります。
1年の差額は資産を所有する間はずっと残っている状態で固定資産を売却、もしくは除却した時に差額がようやくなくなることになるのです。

一方、償却不足の場合だとどうなるでしょう?
法定耐用年数が10年、100万円の外壁塗装が税務上の減価償却費は1年目以降10万円かかり、10年目は9万9999円となります。
会社側は耐用年数を10年にしましたが、残存価額を8万円に設定しました。
すると、1年間で9万2000円の減価償却費がかかることになります。
年間の減価償却費は税務上の方が高くなりますが、10年目時点で減価償却費は1円と8万円になり、7万9999円の差額が生まれてしまうのです。
この差額は償却超過額と同様に、固定資産を売却、もしくは除却した時に差額が解消されます。

減価償却を行うメリット・デメリット

減価償却について上記でご紹介してきましたが、では実際にどのようなメリットがあり、逆にデメリットなども存在するのでしょうか?

■減価償却のメリット

・減価償却費として費用計上することができる

建物の外壁塗装やリフォームなどは多くの費用が出費されることになります。
そのため、なかなか踏み切れない方も多いかと思いますが、減価償却となると毎年経費が発生するため、減価償却によって負担を減らすことができます。

もし、アパートやマンションが法人での経営だった場合、利益の減額計上が可能となるため、結果的に法人税の節税につながります。
例えば、当期利益が2000万円で毎年の償却費が400万円だったとします。
すると損益は1600万円となり、当期利益が2000万円の時よりも400万円分の節税が可能ということになるのです。
現在、個人と法人では税率に大きな差が生まれています。
法人は年々税率が軽くなってきていますし、基本税率を見ても個人経営に比べて低くなっています。
サラリーマンの方が副業としてアパート経営を行うケースはみられますが、実際は不動産所得と給料を合わせて所得になってしまうため、不動産に関わる税率が通常よりも高くなってしまいます。
法人での経営だとこのように、個人に比べて節税につながります。

・黒字を維持できる

大規模リフォームとなると一度の経費になってしまうと、リフォームを行なった年度以外は黒字でもその年度だけが赤字もしくは赤字にはなっていないものの、利益の大幅減少になってしまうことも少なくありません。
このように、その年度だけが利益が落ち込んでいると、銀行から融資などを受けようとした場合、審査の段階でその赤字や利益の大幅減少が注目されてしまい、審査に落とされてしまう可能性がでてきてしまうのです。
実際は、大規模リフォームを行うことで以前より利益が上がる可能性も高く、すぐに赤字を取り戻すこともできますが、そういった信用度の部分で不利になってしまうことがあります。
しかし、減価償却での計上によって数年に分けることで大きな出費にならず、黒字状態をキープさせることができるのです。

・売却益が生まれる可能性も

建物を購入した際に発生する償却費があると、建物の売却時に売却された値段から償却費を引くことで、会計上はその分の売却益が生まれる可能性があります。
ただし、売却益は出たとしてもあくまで会計上の話であり、実際に利益が出ているわけではないので気を付けましょう。

■減価償却のデメリット

・減価償却の金額や期間を勝手に決めていいわけではない

減価償却は一度に費用を負担せず、毎年分けることでその年度にかかる負担を軽減させられるものです。
とても便利なものなのですが、減価償却によって何年で何分割するのかというのは、税法上で決まっており、自分が勝手に金額や期間を決めてはいけません。
外壁塗装の法定耐用年数については上記でも紹介していますが、法定耐用年数と償却率は全国一律で決まっており、それに応じた金額や期間が設定されます。

・経費処理がわかりにくい

減価償却では定額法と定率法の2つが活用でき、定額法であれば毎年金額が定額になることで費用計上も簡単になると考える方が多くみられます。
しかし、実際は手間がかかってしまいます。
毎年定額の費用計上となるのはその通りなのですが、税制法が変わるごとにその改定に沿った計上にしなくてはなりません。
2015年に行われた改定では、定額法が一本化されましたが、今後はどのような改定がまた行われるかわからないのです。
万が一、耐用年数が見直しになったら減価償却も一から見直さなくてはならないことになります。
こうなってしまうと、複数のマンションなどを抱えている方は会計処理にとても負担がかかってしまうでしょう。

・所得税の節税につながらない

減価償却のデメリットとして、もう一つ挙げられるのは所得税の節税効果が得られなくなってしまうという点です。
減価償却費を納税者が金額・期間を勝手に設定することができないことは上記で紹介しましたが、これにより例え高い不動産を購入した、大規模リフォームを行なったという場合でも、減価償却の対象として数年間に経費を分けたとすると、所得税で使える節税効果を利用することができなくなってしまうのです。
ただし、結果的に減価償却を利用したことでコストの抑制につながったというケースもみられます。
減価償却を利用する場合には、必ず所得税の節税対策が利用できなくなることを念頭に置き、本当にコスト削減につながるかを調べてから取り入れるようにしましょう。

外壁塗装を減価償却する際の耐用年数はどうなる?

耐用年数というと、建物・外壁塗装などの耐用年数という部分を聞いたことがあるかと思います。
例えば、外壁塗装においては塗料によって耐用年数が異なっており、その年数に応じて塗り替えを考えなくてはなりません。
しかし、減価償却する際の会計処理では他にも「法定耐用年数」というものが非常に重要なものとなります。
では、この法定耐用年数とは一体どういったものなのでしょうか?
また、住宅の構造などによっても異なる耐用年数についてもご紹介しましょう。

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■2つの耐用年数の意味の違いとは?

2つの耐用年数の意味の違いを知ることで、減価償却の会計処理につながります。
寿命の意味で使われる耐用年数は、先程も紹介したように塗り替えの時期を示すもので、主にメーカーが保証期間や不具合が生じやすい時期など、様々な要素を目安にして寿命としての耐用年数が付けられています。
例えば自宅のリフォームを行う際に、その設備はだいたいどれくらいの頻度でメンテナンスを行った方がいいのか、交換時期はいつがいいのかという部分を把握しておく人も多いかと思います。
また、寿命の意味で使われている耐用年数は、例え耐用年数が10年と言われていても10年以上経過しているからと言って確実に使えなくなるということはありません。

もう一つの法定耐用年数というのは、減価償却を計上する際に価値の減少を決める判断材料となるのが、法定耐用年数となります。
現在、オフィスで使用しているパソコンの法定耐用年数が5年とします。
この法定耐用年数というのは、使われる頻度や使用するケースによっても異なっており、年数が詳細に決められています。
法定耐用年数では5年が設定されているパソコンも、10年以上使ったとしても何ら問題はありません。
ただ、会計処理する際には実際の使用期間は使われず、法定耐用年数の5年で計算しなくてはならないのです。
この法定耐用年数は国税庁のホームページでチェックすることができます。
減価償却期間・会計処理をしたいという時は国税庁のホームページを利用しましょう。

■住宅建材によって耐用年数は変わってくる?

住宅は木材や鉄骨、コンクリートなど、様々な建材によって建てられていますが、建物の耐用年数というのは、住宅建材によって耐用年数が変わってきてしまいます。
そのため、アパートやマンションの減価償却を求める場合も建材による違いがみられます。
住宅建材によってどのように、耐用年数は違ってくるのでしょう?

・寿命の意味で使われる耐用年数の場合

寿命の意味で使われる耐用年数では、主に住宅がどれくらい持つのかが基準となってきます。
木造の場合約27~28年、鉄骨の場合約30年、そしてコンクリートの場合は約40年と言われています。
木造は木で作られているため、カビやシロアリなどの影響を受けやすく、耐用年数は他の建材と比べて若干少ないです。
ただし、神社やお寺など古くから残る建物は木造でありながら何百年も建っているものが多いです。
これらはなぜ寿命の意味で使われる耐用年数よりも多く歳を重ねているのかというと、メンテナンスをしっかりと行っていることが理由の一つとして挙げられます。
住宅を長持ちさせるためには、建材の強度ももちろん重要ですが、長く持たせるためのメンテナンスも定期的に行なっていくことで、状態を維持させることができるのです。

・法定耐用年数の場合

では、続いて法定耐用年数の場合、どれくらい違いが見られるのでしょうか?
ちなみに、今回紹介する法定耐用年数は使いみち(用途)が住宅だった場合の法定耐用年数をご紹介します。
木造の場合約22年、鉄骨の場合約19~34年、そしてコンクリートの場合約47年です。
木造は寿命の意味で使われる耐用年数よりも低くなってしまいましたが、鉄骨とコンクリートは法定耐用年数の方が長くなりました。
法定耐用年数と寿命としての耐用年数には数年もの違いが見られるので、会計処理を行う際には混乱しないように気を付けなくてはなりません。

■塗料による違い

建材だけではなく、塗料にも法定耐用年数は関係しています。

・アクリル塗料…5~7年
・ウレタン塗料…10年
・シリコン塗料…12~15年
・フッ素塗料…15~20年

目安の年数に過ぎませんが、大体これくらいを目処に外壁塗装を行うかどうかを決めておくと良いでしょう。
また、これらは修繕費に含まれるのか判断できないケースがあります。
減価償却の場合、法定耐用年数が非常に重要なポイントとなるため、減価償却となるのかどうか不安な方は税務署に問い合わせてみるのが良いでしょう。

木造の場合はどうなる?

建物の耐用年数は、建材の違い(木造や鉄骨造など)によって異なることをご存知でしょうか?
日本の住宅は依然として木造の建物が多くなっていますが、耐用年数はどれくらいになるか気になるところです。
ここでは、木造の建物の耐用年数について注意点なども含めてご紹介していきます。

■木造の建物の法定耐用年数

木造建物の法定耐用年数は用途ごとに変わってきます。

・事務所…24年
・店舗・住宅…22年
・飲食店…20年
・旅館・ホテル・病院・車庫…17年
・工場・倉庫…15年
・公衆浴場…12年

人の出入りが激しく、水の使用頻度が多い旅館や公衆浴場などは、生活に要しない事務所などに比べて法定耐用年数が短くなっています。

■使用目安からみた木造建物の耐用年数とは

通常の木造建物の寿命は、27~30年程度と言われていますが、鉄骨造やコンクリート造などと比較すると10年くらい短い耐用年数であるという考えが一般的ではないでしょうか。
しかし、木造の建物す全てが30年程度で老朽化するわけではありません。
外壁塗装などのリフォームや補修、メンテナンスをすることによって他の構造と同じくらいの耐用年数を発揮することもあります。
建物の耐用年数を守るためには、外壁や屋根のメンテナンスは必要不可欠です。
木造の建物は、雨漏りや湿気などで腐食したり、シロアリが発生したりする可能性があるので、屋根と外壁の接続部分は特に注意しなければなりません。
サイディングの場合は、10年くらいのサイクルを目処にシーリング点検を行うとよいでしょう。

実際に適用された事例・適用されない事例

建物を長い期間維持していくために、屋根補修や外壁塗装などのメンテナンスは非常に重要なことです。
では、減価償却による修繕費が適用される場合とそうでない場合の具体的な事例をあげてみましょう。

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■修繕費として認定される場合

修繕費としてみなされる場合は、建物の維持・管理・現状回復・災害によるき損を目的とした工事です。
上記にあてはまる事項であるかどうか確認してみましょう。
建物に対する維持管理やき損した部分を元通りに修繕するための目的であれば修繕費として認められます。
3年以内に同じ内容の修繕作業を行う必要があれば、費用の金額に関係なく修繕費として全て計上してもらうことが可能です。
修繕費用が60万円未満であった場合もしくは工事を行う建物の前期身取得価格のおよそ10%以下であれば修繕費として認めてもらえる可能性が高いでしょう。
工事することや費用目的だけでどちらにあてはまるか判断することは難しいので、専門の税理士などに相談することをおすすめします。
また、新規事業のために中古物件を買った場合の外壁塗装については、減価償却として処理できるのは所得税・法人税において減価償却資産の取得金額が当該資産の購入代価負+事業用にするために直接必要とする費用の合計金額と規定されていので、事業用に中古物件を購入する際の参考にしてください。

■「修繕費」と「資本的支出」の違い

修繕費と資本的支出の見分け方は、違いがわかりにくいので判断が難しい場合もあります。
修繕費と資本的支出を判断する場合には、基本的に出費によって判断をしています。
ですが、工事によっては修繕と改良の両方を行っていることも考えられるので、出費だけでは判断しにくい場合もあるのです。
修繕内容によっては、資本的支出として見なされることも多いので、修繕費と資本的支出の違いについて考えていきましょう。

【修繕費に当てはまるもの】
まずは、修繕費として見なされる場合の判断基準を解説します。
・出費が20万円未満のもの
・3年以内の周期で支出があるもの
・維持管理のためのもの
・金額が60万円未満、または修理を行った資産の前期末の取得価格が10%以下のもの
となります。

【資本的支出となるもの】
次に資本的支出として見なされる場合の判断基準を解説しましょう。
・資産の価値を高めるもの
・耐久性を増加させるもの
となります。

【7:3基準】
支出した金額の30%と修理を行う資産の前期末取得価格の10%のうち、少ない金額を修繕費とし、その残りを資本的支出として処理を行う方法です。
前期未取得価格とは、前期末の時点での価格と、そのあとの資本的支出を合わせた価格となります。
例えば、10年前に500万円の費用を支払って購入した資産を100万円で修理した場合に計算をしてみると、
500万円×10%=50万円
となるので、修理代よりも低くなってしまいます。
なので、全額を修繕費として扱うことはできません。
修理代の100万円×30%=30万円
となるので、小さいほうの金額の30万円を修繕費とし、
修理代100万円-30万円=70万円
を資本的支出とするのです。

■災害で被害を受けた場合について

自然災害などによって、被害を受けた場合には回復させるために出費することとなりますが、災害時の特例もあるので解説していきましょう。
被災資産の場合は、以下の基準で修繕費か資本的支出かを判断していきます。
修繕費として判断される場合は、
・被災資産の原状回復を行うための出費
・被災前の効用を維持するために行う補強工事
・排水や土砂崩れ防止のための出費
となります。
ですが、上記の項目で判断しても修繕費か資本的支出か判断できない場合には、その出費の30%を修繕費とし、残りの70%の出費を資本的支出として処理することは認められています。
被災資産の復旧ではなく新しい資産を取得した場合や、貯水池などの施設を設置する場合には、修繕費として処理することはできないので気を付けましょう。

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■減価償却が適用される事例

【事例1】
マンションなどの建物によくあるのが、5階建てのうち1階部分が事務所でそれ以外の階は住居スペースというケースです。
この場合の建物の耐用年数は事務所か住宅かによって変わってくるので、どちらで考えるべきか悩む人も多いでしょう。
それぞれ用途別に耐用年数を適用されるのではと思う方も多いのですが、実は1つの建物に適用される耐用年数は1つと決められていま上記のようなマンションのように複数の用途に用いられている場合は、主に用途としている耐用年数を適応することになっているため、1階部分の事務所(17%)、住宅(83%)というように主な用途は住宅とみなされることになります。
しかし、建物に適用できる耐用年数が1つに限定される例外もあるので注意してください。
この事例は、建物の一部を劇場として設けている特殊な内部構造にしている場合です。
劇場となっている部分のみ、用途は劇場の場合の耐用年数になるということです。
このような例外にあてはまるのかどうか迷った際には、お住まいの各役所に問い合わせてみるとよいでしょう。

【事例2】
ここでの修繕内容は外壁塗装に関してのものになります。
雨水が侵入しないように外壁のひび割れ部分や剥がれなどを補修するために行った外壁塗装や、建物の外観を綺麗にするために色褪せや傷がついた部分を補修する場合の外壁塗装も修繕費として適用されます。
災害によってき損してしまった外壁を補修する目的の修繕工事も同様です。
以上のように外壁塗装を行う目的が、建物維持や管理、災害によるき損などの修繕となる場合は、問題なく修繕費として適用されることになります。

■減価償却が適用されない事例

・既存よりも美しく魅力的な色に塗り替えるための外壁塗装
・既存より耐久性の良い塗料に塗り替えるための外壁塗装
・既存よりも高級で魅力的な外観にするための外壁塗装

以上のような塗装工事は、建物の維持を目的にしたものではなく建物自体の性能や価値、耐久性を高めることを目的にしたものです。
この場合は、修繕費ではなく資本的支出として経費計上されることになります。

【事例1】
新築時はアクリル塗料で外壁塗装していた建物を、耐用年数を長くさせるためにより耐久性の高いフッ素塗料を使って外壁塗装をした場合は、目的が建物の資産価値を高めるものとみなされてしまうので、資本的支出になる可能性が高いでしょう。
塗料の材質がアクリルから耐久性の高いフッ素塗料にしたことがポイントとなっています。
建物を維持するために必要な工事なのか、それとも建物の価値を高めるための工事なのか、この選択が修繕費が適用されるかされないかの判断項目となります。

【事例2】
価値を高めるための修繕工事には、高性能な塗料に変更するなど建物自体の価値を高める外壁塗装が資本的支出になると事例をあげましたが、性能以外でも外壁のデザインを変える外壁塗装も同じようにあてはまります。
外壁の一部をタイル貼りにしたり、既存のものとは全く違う魅力的なデザインにする場合です。
これも建物自体の価格をアップさせることにつながるため判断の目安として参考にしてみてください。

資産としてマンションや店舗などを所有している人にとっては、修繕にかかった費用がどちらに処理されるかは大きな問題です。
処理方法によっては節税対策にも関係してくることなので、決算上不利にならないよう修繕の目的を考えなければなりません。
修繕費と資本的支出の大きな違いは、年度内に一括処理できるか、それとも複数の年に分けて処理していくかです。
修繕費の場合は一括で処理できるので税金の支払額を減らすことができるでしょう。

■減価償却はギャップも生まれやすい

減価償却を実施すると、現実での経営とギャップが生まれやすいと言われています。
ギャップが生じてしまうことで、経営に悪い影響を与えてしまう恐れがあります。
その原因として考えられるのが、現金です。
減価償却の場合、1年目の損益計算書には減価償却費のみの計上となり、現在の預金と損益計算書が一致しなくなってしまいます。
減価償却を利用しているので負担は減り、経営上は黒字のはずなのですが預金がなくなっているというギャップが生じてしまいます。
また、もう一つ耐用年数もギャップを生んでしまう要因です。
パソコンの耐用年数が5年だとしても、企業の中には2~3年程度で買い替えてしまうという場合もあるようです。
しかし、この場合も結局5年で償却することになるので、法人税をその分多く支払っておかなくてはなりません。
パソコンを買うたびに現金がなくなり、しかも税金の支払いが増えていくということで、経営に悪い影響が及ぼされる可能性もあります。

ただ、減価償却を活用することで黒字決算にしたり、節税効果を発揮したりします。
減価償却は定率法と定額法の2種類の計算方法があるので、2つのどちらかを選ぶことでも有利に進められる可能性は十分にあります。
減価償却はギャップも生まれやすいですが、経営面にとって良い影響を与えることもあるということを覚えておきましょう。

減価償却に必要な書類

減価償却に関連する書類は、決算書や賃貸対照表など様々です。
ですが、必要な書類の中でもどういった内容なのか詳しいことを知らない人も多いので、減価償却に関わる書類について解説していきましょう。

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■決算書について

決算書は1年間の経営成績を知ることができる大切な書類で正式には「財務諸表」と言われます。
アパートやマンションの経営であっても作成される書類で、その期の取引内容が全て記される書類となります。
決算書から知ることができる内容については以下の通りで、
・売上はいくらになったのか
・仕入れにはいくらかかったのか
・使用している機器や備品について
・人件費はいくらかかったのか
・人件費以外にかかった経費はいくらか
・年間での儲けはいくらなのか
など、様々な情報を把握することができます。
経営状況を詳しく知ることができ、法人であれば会社が持っている財産を知ることもできるのです。
また、削減するべき項目はあるかなど反省点を見出すこともでき、今後どういった方向性で経営を続けていけばいいのか指針を示すこともできるのです。
そして、最終的には決算書によって納める税金を計算していくので、税金の計算資料として欠かせない書類となるでしょう。

■法人であれば決算書を開示する義務がある

法人でマンションの経営を行っている場合には、決算書は経営戦略を錬る資料のほか、株主や投資家の投資判断資料にも該当するのです。
大きな企業であれば決算書は開示する義務があるので、経営状況を様々な人たちに把握してもらう必要があります。
そのため、決算書を開示することで株主や投資家が今後も投資を続けていくのか判断するための資料として扱われるのです。

■決算書は金融機関にも提出する

マンションやアパートの経営ともなると、経営を始める段階で金融機関から借り入れを行っている人も多いでしょうが、決算が終わった段階で金融機関から決算書の提出を求められることも多いです。
・貸したお金の使い道はどうなっているのか
・経営状況に問題はないのか
・今後の返済に問題は起きないか
などを金融機関側はチェックしていくのです。

■重要な用語を確認しよう

決算書は納める税金を計算するための資料だけではなく、上記のように様々な状況を確認できる資料となります。
ですが、決算書を取り巻く用語の中にはわかりにくい言葉もあるので、理解するのに難しいこともあるでしょう。
そこで、覚えておくと安心できる重要な用語を解説していきます。

・株主:法人であれば会社に出資をしている人にあたります。
配当をもらう権利や株式を売却することができる権利を持っているのです。
・債務者:お金を貸している人、すなわち金融機関が該当します。
・決算日:年度の区切りの日のことを言います。
・債務三表:借入対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の3つの書類です。

■賃貸対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書

減価償却に必要になる書類は決算書だけではありません。
債務三表も重要な書類となるので、それぞれの内容について確認していきましょう。

【賃貸対照表】
英語でバランスシートとも言われている債務三表のひとつ賃貸対照表は、決算日の時点で会社が持っている資産や負債、資本の状況をまとめた表となります。
全ての取引が終わった状態で作成されているので、会社にある財産の全てが記載されているのです。
表の左側には「資産の部」として資産が記載してあり、資金がどんなことに使用されていたのか確認することができます。
そして表の右側には「負債の部」として会社の負債と純資産が記されており、資金の調達元を知ることができます。
資産の合計と負債、純資産の合計額は必ず一致していることを覚えておきましょう。
また、表示される項目にはルールが定められており、流動性が高いものから順に記載されているのです。

【損益計算書】
英語でProfit and Loss Statement略してP/Lとも呼ばれる損益計算書は、会社の儲けを表した表となり、その会社の利益や損失を知ることができるのです。
収益から諸経費を引いた金額が利益となり、「当期純利益」として賃貸対照表の純資産に組み込まれています。
そして、この当期純利益を見ることで会社が黒字なのか赤字なのかを判断できるのです。
プラスなら黒字、マイナスなら赤字となっているので、簡単に確認できるでしょう。

【キャッシュ・フロー計算書】
債務三表の最後のひとつ、キャッシュ・フロー計算書は簡単に説明をすると資金の流れを知ることができる書類となります。
キャッシュ・フロー計算書は3つの構成によって作成されいるので確認してみましょう。

①営業活動キャッシュ・フロー
サービスの提供などで発生した収益や支出などの営業損益に関する取引のキャッシュ・フローで、プラスであると安定していると判断されます。

②投資活動キャッシュ・フロー
利益を得るための投資活動において、どのくらいの資金を使ったか表されるキャッシュ・フローです。

③財務活動キャッシュ・フロー
営業活動や投資活動を行うために金融機関から資金の調達や返済を行った額を表すキャッシュ・フローとなります。
借入額の増減がどの程度なのか判断することが可能です。

減価償却によって必要になる書類の見方は、一見難しいと感じられますがしっかりと確認することで、黒字なのか赤字なのかをすぐに判断することができます。
必要な時にすぐに確認できるよう、それぞれの書類をなくさないよう気を付けましょう。

減価償却での仕訳方法

商品を売り上げた時、業務に関わる機会を購入した時など、企業が行う取引は複式簿記ルールに基づき、仕訳として記録されます。
1年間の仕訳は総勘定元帳と呼ばれる帳票類にまとめられ、その中には取引の年日日、取引金額、取引相手、取引内容などの情報が記されているのです。
長く使われる固定資産は減価償却により費用分配が行われるので、仕訳を起こすことができます。
仕訳にはルールがあるので、どのように減価償却の仕訳を行っていくのかご紹介しましょう。

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■基本的な仕訳方法

減価償却の仕訳方法を説明する前に、具体的にどう仕訳を起こすのか解説します。
会社が行った取引の仕訳は収入、費用、資産、負債、純資産のいずれかに分けていきます。
例えば、お菓子屋さんが1,000円文の小麦粉を仕入れた場合、

仕入 1,000/現金1,000

このように小麦粉を購入した、お金が1,000分なくなったという2つの取引が簡単に記録されていくのです。
仕訳では右側に取引を借方、左側の貸方と呼びます。
仕訳を起こす際は「現金300/現金300」といった、同じ仕訳に同様の勘定科目が表示されることはなく、必ず2つの勘定科目で取引の事実を表していきます。
記録する際は2つの勘定科目を入れて記載することを忘れないようにしましょう。

■減価償却は経費支払の仕訳に分類する

仕訳では、現預金の増減、売上・仕入取引、経費支払の3つが主に出やすい仕訳パターンです。

・現預金の増減
現金が増えた時や現金が減った時に仕訳を起こします。
売上などで現金を回収した場合は左側に現金(借方)を記入し、右側に売上を記録しましょう。
逆に買掛金などで現金を支払った場合は左側に買掛金、右側に現金(貸方)を記録する形になるのです。

・売上、仕入取引
売上や仕入を計上する時に仕訳を起こします。
掛で売り上げた場合は左側に売掛金(借方)、右側が売上(貸方)となり、掛で仕入をした場合は左側が仕入(借方)、右側が買掛金(貸方)と記録しましょう。

・経費支払
経費の支払いを計上する時に仕訳を起こします。
バスや電車の運賃を現金で支払った場合は左側を交通費(借方)、右側に現金(貸方)と記載します。

この3パターンが会社取引で使われる仕訳です。
減価償却の場合は経費支払のパターンが当てはまり、借方(左側)は減価償却費という科目を入れる形になります。
ただし、直接お金を支払うわけではないため、貸方の現金や預金という科目は入らず、資産減少を表示する固定資産や減価償却累計額の科目を入れましょう。
仕訳は難しいイメージがありますがルールを理解すれば難しいものではありません。
上記の3パターンは減価償却の仕訳以外にも役立つので覚えておくと良いでしょう。

■借方・貸方の違いとは?

借方や貸方は仕訳の勘定科目の位置を示します。
仕訳では借方が左側で、貸方を右側に記載するのが決まりです。
決算書には貸借対照表と損益計算書がありますが、どちらも位置は上記のルールと同じようになっています。
それでは、貸借対照表と損益計算書の借方、貸方の科目をご紹介しましょう。

【貸借対照表の科目】

・借方
貸借対照表の借方科目は資産に該当するものを記入することとなります。
例えば、現金預貯金、受取手形、売掛金、有価証券など流動資産が該当します。
また、固定資産もここに該当するため、土地、建物、営業権、ソフトウェア、借地権などを科目に入れましょう。
貸借対照表では換金性が高い流動資産から順にならべて記載してください。

・貸方
貸方が資産とは逆の夫妻と資産から負債総額を差し引いた純資産が該当します。
負債には支払手形や短期歌詞入れ、未払金など流動負債、社債、長期借入金など固定負債が当てはまります。
純資産は資本金、資本余剰金、自己株式、利益余剰金です。

【損益計算書の科目】

・借方
損益計算書は貸借対照表とは逆に、損失した費用や差引きで算出した利益が借方の科目に該当します。
例えば、水道光熱費や通信費、給料、旅費、交通費、材料費などの経費や減価償却費です。

・貸方
貸方は利益に関わる科目が当てはまります。
売上高、雑収入などの売上金が該当しますが、固定資産売却や受取利息、有価証券売却益は法人のみで、個人の場合は利子所得、譲渡所得などになるので注意しましょう。

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■仕訳の記帳方法

減価償却の記帳には直接法と間接法の2つがありますが、それぞれどんな記帳方法なのかご説明しましょう。

・直接法
直接法は購入した固定資産から直接減価償却費を差し引く方法です。
なので、借方(左側)に減価償却費、貸方(右側)に固定資産の科目を入れます。
表示が資産勘定の減少なので固定資産の価値の減少が分かりやすく、とても理解しやすい仕訳でしょう。
しかし、減価償却を実行されるたびに固定資産の残高から減価償却費が差し引かれるため、固定資産台帳を見ないと固定資産の総額が分からないというデメリットがあります。
固定資産の総額が分からないと、どのくらい減価償却費を計上したのか把握するのも困難です。

・間接法
直接法でのデメリットを補う形で記載されるのが間接法です。
間接法は固定資産の帳簿価格から差し引くのではなく、固定資産の総額から引かれる勘定科目をつくるため、固定資産の総額と決算時点の減価償却累計額が把握できるようになります。
この仕訳の勘定科目は借方(左側)が減価償却費、貸方(右側)は減価償却累計額で、資産勘定のマイナスを示すので特殊な科目です。

■仕訳例

固定資産(建物)の総額は120万円、耐用年数が20年、残存価格が固定資産の総額10%、減価償却の方法が定額法だった場合の仕訳例をご紹介します。
まず、減価償却費を定額法で求める必要があり、「(固定資産の総額-残存価格)÷耐用年数」の計算式で求めましょう。

・減価償却費
(120万円-12万円)÷20年=54,000円

上記の計算では1年分の価格となるので、購入日からの固定資産の利用期間で計算する場合は月割での計算が必要です。
利用期間が9ヶ月とした場合、

120万円×0.9×9ヶ月/240ヶ月=4,050円

このように求められるので、減価償却費は4,050円となります。
2年目以降は固定資産を1年間使用することとなるので、12ヶ月分で求めましょう。
そして、直接法で仕訳する場合は、

減価償却費 4,050/建物 4,050

間接法の場合は、

減価償却費 4,050/減価償却累計額 4,050

このようになります。

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■残高試算表を作成

減価償却の仕訳だけでは残高が良く分からないため、残高試算表を作成すると良いでしょう。
直接法と間接法では試算表が異なるので、上記の仕訳例を基に書き方をご紹介します。

【直接法の残高試算表】

・決算前の残高試算表
建物 1,200,000

・仕訳
減価償却費 4,050/減価償却累計額 4,050

・決算後の残高試算表
建物 1,195,950
減価償却費 4,050

直接法の場合は試算表だけで固定資産の総額が分かりにくいので注意しましょう。
建物の金額が固定資産の残高となるので、翌年は残高から減価償却費を割り出してください。

【間接法の残高試算表】

・決算前の残高試算表
建物 1,200,000

・仕訳
減価償却費 4,050/減価償却累計額 4,050

・決算後の残高試算表
建物 1,200,000 減価償却累計額 4,050
減価償却費 4,050

建物の金額が固定資産の総額となるため、試算表を見るだけでも総額を把握できます。
固定資産の残高は固定資産の総額から減価償却累計額を差し引くと求めることが可能です。

減価償却の仕訳は意外に難しくなく、計算法とルールが分かれば誰でも仕訳を起こすことができます。
ご紹介したルールなどを参考に減価償却の仕訳をしてみましょう。

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