皆さんは外壁の中でも、かなり表面がザラザラしているものを見かけたことはありますか?
表面がでこぼこ、ザラザラしている外壁塗料は様々な種類がありますが、今回は特に凹凸が目立つ「スタッコ塗装」についてご紹介していきます。
■スタッコ塗装とは?
スタッコ塗装とは、外壁塗装での仕上げに使用する塗装剤のことで、石灰の中に大理石や砂利を配合し、混ぜ合わせた塗料を使用した塗装方法です。
通常、塗装面に5~10mm前後の厚みを出し、そこにコテやローラーを使って凹凸の激しい模様を作っていきます。
この仕上がりは高級感・重厚感を増してくれるため、戸建て住宅だけではなく公共施設や店舗の外壁塗装に使用されているケースや、高級マンションの外壁にも使用されているケースが見られます。
耐久性に関しては、およそ10年程度でメンテナンスが必要と言われていますが、見た目には劣化しているように感じられないものも多く、20年程度経っているのに外観は美しいまま保たれているという外壁も少なくありません。
ただし壁自体はそう見えなくても、実際の状態ではボロボロになっている可能性もあるので、10年が経過したらスタッコ塗装仕上げでもメンテナンスは欠かさないようにしましょう。
■スタッコ塗装を利用した時のメリット
スタッコ塗装を利用した場合、様々なメリットが受けられます。
例えば、外観に高級感を出したいという場合、スタッコ塗装を施すことによってまるで石造りのような外観になり、通常の外壁塗装よりも高級感が増すでしょう。
特にスタッコ塗装でも色合いを変えることができるため、より重厚感のあるものに仕上げたい場合は少し暗めの色を使用すると重厚感を演出できます。
このように、高級感や重厚感を意識するのであればスタッコ塗装仕上げはとても合っている外壁塗装と言えます。
他にも、スタッコ塗装を利用するメリットは、コストを抑えて利用できるということです。
スタッコ塗装は高級感を出せるため、高く思われてしまいがちなのですが、ベースはアクリル塗料となっているため、費用はそこまで高くはありません。
ただしスタッコの上にシリコン塗料を塗るエナメル仕上げとなると、シリコン塗料分の費用がかさんでしまいます。
シリコン塗料を仕上げに使うことで費用は高くなりますが、その分耐久性はかなりアップさせられるのでおすすめです。
■スタッコ塗装を利用した時のデメリット
メリットがある一方で、スタッコ塗装を利用した時のデメリットもあります。
どんなデメリットがあるかというと、一つは汚れやすいという点が挙げられます。
スタッコ塗装の激しい凹凸は、汚れがついてしまった時に掃除をしてもうまく拭き取ることができないので、外壁を洗っても汚れが付いている状態となってしまうのです。
また、業者によっては仕上がりに差が出てきてしまう塗装の一つでもあります。
そのためスタッコ塗装を選ぶ場合は、実績や経験が豊富な業者を探さなくてはなりません。
こうした手間も考えると、スタッコ塗装のデメリットと言えるでしょう。
他にも、凹凸が激しいことで次の外壁塗り替えの際に、元々の塗膜が残ってしまっているため綺麗に塗り直すことはかなり難しいです。
■デメリットを改善させる方法
スタッコ塗装の際に出てしまうデメリットは、様々な工夫で改善することができます。
例えば、汚れやすいというデメリットに対しては、塗装剤の色を汚れが目立たないような色にするという対策方法があります。
特に窓の下は雨だれが起きやすく、茶色や黒色の汚れがつきやすいです。
白っぽい色を使ってしまうとかなり目立ってしまうので、ネイビーや濃い目のグレーなどを使うことで汚れが出たとしても目立ちにくくなります。
さらに低汚染性のセラタイトを使うことで汚れ防止が期待できるでしょう。
凹凸が激しく、次の塗り替え時に元の塗装が残っていて塗り直しが難しいというデメリットは、微弾性フィラーを利用することで対策可能です。
微弾性フィラーを下塗りで使用することにより、まるでゴムのような柔らかな素材が凹凸の隙間を減らし、平らにしていきます。
平らにしておけば、再び仕上げの際にスタッコ塗装を行えますし、さらに違う仕上げにしたいという場合にも対応可能です。
このように、スタッコ塗装で挙げられたデメリットは工夫することで改善できます。
■スタッコ塗装・塗り替え時の流れ
スタッコ塗装を塗り替える際は、まず塗料を混ぜ合わせるところから始まります。
スタッコ塗料と適量の水を混ぜると、外壁塗装に使用する塗料の完成です。
塗り替えの際はこの塗料を使い、シーラー吹きを行って凹凸を減らしていきます。
さらにスタッコ塗装仕上げにするために2回吹きを行って仕上げは完了です。
エナメル仕上げを行う場合は、この後にシリコン塗料を塗る作業が加わります。
スタッコ塗装は高級感のある住宅にしたい場合にはとてもオススメの塗装仕上げと言えます。
スタッコ塗装の弱点を補うための工夫をこらしながら、塗装仕上げに活用してみましょう。