■外壁素材によって撥水コーティングが必要
外壁素材には様々な種類があり、その中には鉄筋や固定用ボルトといった丈夫な素材が使われているものが存在します。
ただ、丈夫な反面錆やすく、鉄の場合は錆びると膨張し、そこから水が侵入することで内部から崩れてしまう危険性もあるのです。
なので、通常の外壁塗装よりも早く劣化してしまうことが考えられます。
その劣化を遅らせるために、撥水コーティングが外壁塗装でもかなり有効と言えます。
特にコンクリートの打ちっぱなしは、保護膜がないので撥水コーティングを施すと、水をはじいて水分を内部へ入り込ませないようにできます。
透明の撥水コーティングを使用すれば、見た目にも変化なく外壁を保護することが可能です。
■撥水コーティングのメリット
・美観維持に効果的
外壁の汚れで特に多い原因が、雨や雪です。
雨や雪の水分に含む汚れ以外に、屋根などに付着した砂埃や雨水が外壁に流れたり、泥はねなどで外壁に汚れがついたりします。
ところが、撥水コーティングをすることで水分をはじくので、汚れが定着せずに水洗いだけでも綺麗な美観を維持することが可能です。
通常、こびり付いた汚れは高圧洗浄で掃除しますが、撥水コーティングされた外壁であれば強い水圧で掃除する必要もありません。
さらに、外壁表面のコーティングにより、空気中に舞っている肉眼で捉えることが難しいチリなどの付着も抑えられます。
・ランニングコストの負担が軽い
外壁は経年劣化によって、塗装のヒビ割れや剥がれが増えてしまいます。
しかし、原因は経年劣化だけではなく、水分の吸収や外側の衝撃から劣化してしまうケースがあります。
いずれも外壁の劣化を抑えるためには、一定のタイミングで外壁塗装を行うことが必要です。
ですが、外部的な要因でおきる劣化を防ぐことができれば、必要以上の補修は必要なく、塗装も長く維持することができます。
水はじきがよく、汚れ付着を抑える撥水コーティングを活用することは、耐用年数を長期的にし、メンテナンスの回数を減らしてランニングコストを抑えることに期待できるでしょう。
■撥水コーティングのデメリット
・価格が高い
外壁塗装で使う塗料は種類によって価格が異なります。
メリットの大きい撥水コーティングですが、外壁が長持ちする塗料の性質から他の塗料と比較すると価格は高めです。
広範囲を一気に撥水コーティングする場合、ランニングコストを配慮するとさほどデメリットには感じないでしょう。
しかし、毎回の出費を抑えたい場合には、価格に関してデメリットを感じてしまうと考えられます。
・通気性が悪い
撥水コーティングは外壁表面をコーティングしてしまうため、通気性が悪いというデメリットがあります。
通気性が悪いと建物内部に湿気が残り、結露やカビが発生する原因へと繋がってしまうのです。
カビは建物の劣化や健康被害に悪影響があります。
なので、温暖さが激しい地域や冷暖房を頻繁に使用する住宅の場合、生活状況によって撥水コーティングが不向きの場合もあるでしょう。
地域や建物の状況に合わせて撥水コーティングを検討してください。
■撥水コーティングは錆に効果あり?
撥水コーティングでは外壁内部に侵入する水を防ぐことができ、その水分を防ぐことで内部の金属部品などの錆を防ぐ仕組みです。
しかし、撥水コーティングは内部の保護がメインとなります。
ですので、水や汚れに強くても、表面につく錆を防ぐことは難しいです。
また金属部品がない外壁でも、空気中の水分に含まれている成分が科学反応を起こすことにより、錆として外壁表面に付着してしまう場合もあります。
撥水コーティングは汚れを流しやすくても、表面にできてしまう錆を完全に防げないことを理解しましょう。
■撥水コーティングの特性を活かそう
撥水コーティングを施すことで、多少の汚れなら雨水や軽く水洗いで綺麗に落とすことが可能です。
吸水性に優れた布よりも、水をはじきやすいビニールの方が手入れもしやすいでしょう。
撥水コーティングの外壁もそれと同様で、雨によって汚れが落ちることで美観を維持することができます。
そのため、雨のあたりにくい部分に塗ってしまっては、撥水コーティングが持つ防汚性を十分に発揮することが不可能です。
これは撥水コーティングの特徴であり、同時にデメリットとも言えます。
単純に防汚性を重視した塗料を選ぶのではなく、その部分に適しているかをしっかり考えましょう。
このように、外壁にある金属部品などを保護したり、防汚性を高めたりと撥水コーティングは有効な外壁塗装です。
しかし、メリットと同時にデメリットもあるので、しっかりその点を理解して選ぶ必要があるでしょう。
外壁素材や地域の気候傾向、建物の状態、塗布する場所などを考慮する必要があります。
ですが、優れた機能性を持つ仕上げなので、外壁塗装に撥水コーティングは必要であると言えるでしょう。