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外壁材の種類

目次

外装材にはどんな種類があるの?

外壁材の種類

外装材にはたくさんの種類があります

外壁に使用される外装材というのは一つに限ったものではありません。
とても多くの種類に分類することができ、それぞれの種類で異なる特徴を持っています。
塗り替え塗装を行う場合、既存している塗膜の上からそのまま塗り替え塗装を行うこともありますが、多くの場合塗膜が劣化し剥がれて外壁が出ている部分などもあることから、既存の塗膜は全て剥がして塗り替え作業に移ることが多く見られます。
そのため、塗装業者は塗料についての知識はもちろんのこと、塗装を行う外装材についてもそれぞれの特徴を知っておかなくてはなりません。

現在、住宅外装材として使用されているものの多くは吹き付けや窯業系サイディングの2種類が主流となっており、その次にモルタルやALC、金属系と続きます。
特にサイディング材に関しては、より多くの業者で使用されることが多くなってきている外装材です。
人気を集めているサイディング材は、現在も新開発素材や改質された素材を使用している場合も多く、使用する仕上げ材に注意しないとうまく塗り替えが行えないケースも見られます。

また、外装材以外にも付帯部分に属するアルミや銅、ステンレスなどの素材に対する知識に関しても身に着けておかなくてはなりません。
そうでないと塗装が剥がれやすくなるなどのトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
今回は、それぞれの外装材の特徴についてご紹介しているので、自分がどんな外装材にしたいのか特徴を踏まえてチェックしておきましょう。

セメント系外壁の種類

セメント系外壁とは、石灰石にシリカやアルミナ、酸化鉄を混ぜて焼成したクリンカーを使い作られる外装材です。
セメント系の外装材には強度を保つための鉄筋を入れて構成していきます。
セメントは反応時に強アルカリ性を示しつつ固まっていくので、強いアルカリ性を持っているのですが、これにより鉄筋の錆びつきを抑えられるというメリットがあります。
ただし、外壁塗装においてはあまり良い特性とは言えないため、塗装を行う段階でph9以下まで落とさないといけません。
また、フタル酸系の塗料はアルカリ性に弱く、使用することができないので注意が必要です。

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■セメント系外壁の種類

・モルタル

セメントに砂を混合し練り合わせた素材で、主にコンクリート外壁の仕上げやレンガ・タイルの目地などに使用されています。
特に一戸建てでは網状にした針金、もしくは薄い鋼板を引き伸ばして網状にしたものにセメントを塗り上げたモルタルが使用されるケースが多いです。

モルタル外壁は以前まで一戸建て外壁の主流となっていましたが、不安定な耐久性能と工期がかかりやすいというデメリットから利用されることも少なくなってきました。
特にひび割れや剥がれなどの問題が発生してしまうと、細かいクラックであれば上塗りをすることで解決できる場合もありますが、大きく欠損し漏水が起きてしまっている場合は下地を全て剥がし、もう一度セメントを塗り直していく必要があります。

・サイディングボード

セメントに木質チップや繊維、ケイ酸カルシウムなどといった「バインダー」を混合させることで作られるサイディングボードは、現在外装材の主流になっている素材です。
基本的にセメントが使用されているため、モルタル外壁同様に耐火性・耐久性に優れており、しかもタイルや木目調など、様々なスタイルのボードが用意できるということもあって人気を高めています。

ただ、元々サイディングボードは「半永久的にもつ」と言われていたのですが、住宅に合わせてカットされたボードの切断面から吸水してしまいボードの反りにつながってしまうことが分かりました。
また、耐火性はあるものの熱を吸収しやすく、夏場になると表面温度がかなり高くなってしまうこと、そして塗装や外装材自体の劣化だけではなく、ボードとボードをつなぐシーリングも劣化状況を確認しなくてはならないというデメリットがあります。

・ALC(軽量気泡コンクリート板)

ALCはプレキャストコンクリート板と呼ばれる、工場で鉄筋を入れて成形されたコンクリート板の一種で、こちらはコンクリートではなくセメントと石灰、珪砂の中に発泡剤を加えることで成形されたコンクリート板です。
名前にも入っている通り、通常のコンクリート板に比べてとても軽量で、作業のしやすさが高いことや住宅への負担が少なくて済むなどのメリットが見られます。
また、断熱性・耐火性・遮音性・調湿性に関しても優れており、注目されている外装材の一つです。

気泡が入り軽量になった分、表面層に細かい穴が開いているため吸水性が高くなってしまうというデメリットを持っています。
吸水性が高いということは、外装材の中にまで水分が浸透してしまい外壁や建物の劣化につながってしまうので注意が必要です。
これを防ぐためには外壁塗装の際に防水性の高い塗料を選ばなくてはなりません。
そのため、塗料を選ぶ際は防水性や耐久性を補うための塗料に依存してしまう傾向にあります。

・コンクリート打ちっ放し

近年おしゃれな物件としてテレビで紹介されることが多いコンクリートの打ちっ放しは工期や工費が掛かりやすくなりますが、その分おしゃれな雰囲気と高級感がアップする外装です。
コンクリートの打ちっ放しで仕上げる場合、コンクリートが水を通してしまうため、塗装する際は撥水剤を塗布し、膜を作ってあげないといけません。
この時使用される塗料は、耐候性に優れたアクリル・シリコン・フッ素系塗料が主に使われ、コンクリート表面を保護していきます。

もしも塗り替え作業を行う場合は、打ちっ放しならではとも呼べる高級感を台無しにしないよう、下地処理作業からしっかりと丁寧に仕上げなくてはなりません。
特にコンクリートで起こりやすい雨だれの跡や黒ずみが見られる場合は、目地や水切り、笠木などの形・納まり方に異常は見られないかどうかを確認する必要があります。

・GRC

GRCとは、耐アルカリ性のガラス繊維をセメントに加えることで、曲げ強度や引張強度を向上させた製品です。
セメント加工品でありながら軽量で、セメントの良さを活かした耐久性も兼ね備えており、不燃建材として軒天に使用されることが多くみられます。
表面の緻密性は高いので、水分の吸い込みは割と少なめなのですが、アルカリ性を持っているため乾燥させて含水率を少しでも下げるためには多少の時間はかかってしまいます。
また、似たようなもので鋼製品補強コンクリートという製品も出ており、遮音間仕切り壁や階段などで使用されることが多いです。

■セメント系外壁にはシーラーが必要不可欠

基本的に外壁塗装ではシーラー(下塗り塗料)を使用するものですが、セメント系外壁ではシーラーはより重要性の高いものとなります。
これはアルカリ成分が関わっており、塗膜と外装材のアルカリ成分が直接接触しないようにするために必要なのです。
また、塗料の吸い込みを一定にしたり、塗膜がより外装材に密着させるためにはシーラーの働きが必要となります。
丁寧に、そして均一に塗装していくことが重要なポイントです。

ただし注意しなくてはいけない点として、シーラーを塗布した後に完全に乾ききっていないにも関わらず、透湿性が低い塗料を塗布してしまうと低気温を示した環境の中で炭酸塩・硫酸塩等が外壁から発生してしまい、エフロレッセンス(白華)現象が起きてしまいます。
エフロレッセンス現象が起きてしまうと外壁に白い模様が出てきてしまうので景観性も損なわれてしまうでしょう。
防水処理をしっかりと行うことが発生を防ぐポイントとなります。

■シーラーの種類や特徴

シーラーは中塗りや上塗りの密着性を高める働きがあり、外壁の種類や劣化の状況によってシーラーの種類が変わります。
そこで、シーラーの種類や特徴について解説していきましょう。

【水性シーラー】

エマルション系シーラーとも呼ばれる水性シーラーは、仕上げ塗料に水性塗料を使用する際に向いているシーラーです。
水性なので環境や人体にも優しく、後片付けも手軽にできることが特徴です。
塗料メーカーによってクリアーやホワイトがあるので、外壁の種類に合わせて選びましょう。
使用できる下地は、コンクリート・セメントモルタル・ストレート板・ALCパネル・内装用ボードなどで、絶えず水のかかる場所や湿っている場所には適していません。
また、弾性系や塗膜が精密な無機高分子系の仕上げ材にも適していないので施工の際には気を付けましょう。

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【水性ヤニ止めシーラー】

主成分がカチオン重合型アクリルシリコン樹脂の水性ヤニ止めシーラーは、ヤニだけではなく油ジミや雨ジミ、木のアクなどのしみ出しを防止する効果があり、浸透性や固着性にも優れています。
塗料メーカーによってクリアーやホワイトがあり、壁紙の上にも塗ることが可能です。
使用できる下地は、内装用ボード・セメントモルタル・コンクリート・ストレート板・ALCパネルなどです。
防カビ・防藻はありませんが、施工性が高くニオイも抑えられているメリットがあります。
ただし、塗装後に十分な乾燥硬化の時間をとらないとヤニやアクが酷くなった際にしっかりとしたこうかを発揮できない可能性があるので、施工時には注意が必要です。

【水性弾性用シーラー】

主成分が特殊合成樹脂エマルションの水性弾性用シーラーは、浸透性や固着性、アルカリシール性に優れた性質を持っています。
屋内外で安全に使用することができ、ニオイも抑えられているので安心です。
使用できる下地はセメントモルタルやコンクリート面となっており、単層弾性系塗料や水性系の複層弾性主材の下塗りとして使用されます。
ですが、シーラーの樹脂が溶ける可能性があるので強溶剤系塗料の下塗りには適していません。

【カチオン系シーラー】

水性反応硬化系塗料や弱溶剤系塗料の下塗りとして使用されるカチオン系シーラーは水性仕上げ材や吹き付けタイル、リシンや塩ビ系塗膜、ウレタン系塗膜など、様々な旧塗膜に対応しており、使用できる下地もコンクリート・セメントモルタル・ストレート板・ケイカル板・サイディング・カラ―ベスト・セメント瓦・内装用ボードなど、豊富なことが特徴です。
浸透性や付着性が高く、コストパフォーマンスが高いことが魅力で防藻・防カビ剤が配合されていることが主流となっているので、カビや藻の発生を気にする人にも適しています。
ただし、強溶剤型塗料を仕上げ材として使用する場合にはカチオンシーラーが溶け出す可能性もあるので使用することはできません。

【弱溶剤1液型エポキシ系シーラー】

エポキシ樹脂が内部に浸透することで素地を補強する役割を持ちます。
コンクリート・セメントモルタル・ストレート板・ケイ酸カルシウム板・窯業系サイディング・薄型塗装瓦・カラーベスト・軒天ボードなど、様々な部材に使用できます。
密着性や浸透性、速乾性に優れ、1液形シーラーとなっているので作業や取り扱いが容易なことがメリットです。
また、防藻・防カビ性も適度にあり、弱溶剤なのでニオイが少ないことも魅力でしょう。

【弱溶剤2液型エポキシ系シーラー】

主材と硬化剤に分かれているので、塗装を施す前に混ぜ合わせる必要があります。
下地に対して浸透性や付着力が高く補強効果もあります。
含浸タイプと造膜タイプの2種類があり、塗装する素地が劣化している場合には含浸タイプがオススメとなっています。
使用できる下地は、コンクリート・セメントモルタル・GRC板・PC板・ストレート板・サイディング・押出成形セメント板など豊富な下地に使用できます。

【強溶剤1液型エポキシ系シーラー】

密着性、付着力が高く劣化した部材の奥まで浸透する力があります。
1液シーラーなので作業性も高く取り扱いも手軽なことが特徴です。
コンクリート・セメントモルタル・ストレート板などに使用できるのですが、溶剤の影響によって塗膜の膨れや縮みが発生することも考えられるので施工には注意が必要です。
また、ニオイが強い性質を持っているのでニオイに敏感な人には向いていません。

【フィラー】

フィラーは、シーラーと同じように下塗りとして使われる塗料です。
シーラーは「接着」を意味する単語で中塗りや上塗りとの密着性を高める働きがありますが、「埋める」「詰める」という意味のあるフィラーは、モルタルの外壁材に使われヘアクラックと呼ばれるヒビ割れが発生している場合や下地に凸凹がある面を平滑にする際に用いられます。
微弾性フィラーが現在最も主流となっており、水性なので環境にも優しい特徴があります。

■ALCパネルにおける防水・仕上げについて

上記のALCでも紹介しましたが、ALCは断熱や耐火、遮音性、調湿性などに優れているものの、吸水性が大きすぎてしまうや表面強度が小さいことで欠けやすいというデメリットを持った外壁材です。
このようなデメリットに対して何も対策を取らず放置してしまうと、様々な問題が起きてしまうため気を付けなくてはなりません。
例えば、外壁に使用した場合、耐久性が低下し漏水などを引き起こして建物全体の劣化を促進させてしまう可能性が考えられます。
また、屋根にも使用されることがあるALCパネルですが、そのまま使っていれば雨漏りの原因につながる可能性も高いです。
ALCパネルを外壁や屋根に使用する場合は、適した防水施工や仕上げを行う必要があります。
では、どのような防水・仕上げが必要となってくるのか確認していきましょう。

【ALCパネルへの仕上げの種類】

ALCパネルへの仕上げに使われる塗材は様々なものがあります。

・仕上げ塗材
外壁塗装に使われる仕上げ塗材をALCパネルに用います。
仕上げ塗材を使って仕上げ施工を行う場合、先にしっかりと下地処理を行なってから仕上げに入る必要があります。
また、シーリングの上からセメント系の下地調整材を使用しないように注意しなくてはなりません。
仕上げ塗材の中にも3タイプあり、それぞれ注意点に沿った形で利用することになります。

樹脂リシンや弾性リシン、溶液リシン、単層弾性などの薄付け仕上げ塗材は、防水性能を高めるための下地処理はもちろんですが、その他にも溶液リシンの場合、溶液タイプの塗材になるため、下地調整材を選ぶ時にセメント系の選定に気を付けなくてはなりません。
また、単層弾性の仕上げ塗材を利用する場合、透湿性が低くなってしまうので下地調整や乾燥させる際に注意が必要となります。
樹脂スタッコなどの厚付け仕上げ塗材を使用する場合、薄付けとは違って厚く塗ることになります。
そのため、乾燥に比較的時間がかかってしまうことを考慮するようにしましょう。
複層仕上げ塗材は、セメント系吹付けタイルやシリカタイル、アクリルタイルなどの場合、ALCパネルのアンカー構法やロッキング構法にも対応しやすいので、特に注意することなく施工することができます。
ただ、複層仕上げ塗材の中でも防水形複層塗材に関しては、透湿性が比較的低くなってしまうので、乾燥させる時に注意が必要です。

・張り仕上げ
張り仕上げの中でもALCパネルに用いることができるのは、成形板仕上げとタイル張り仕上げの2種類となります。
成形板仕上げではALCパネルの上に鋼板などの成形板を用い、パネルに付いた胴縁に取り付けることで仕上げ施工を行うことができます。
できるだけ重さが軽く、強度の強い成形版を選ぶようにしましょう。

もう一つ、タイル張り仕上げは、ALCパネルにタイル張りを施すことで強度と防水機能を加える施工になります。
こちらはタイルが剥落してしまう可能性があるため、下地処理やタイルをALCパネルに接着するためのモルタルの塗厚を適した形で行わなくてはなりません。

張り仕上げには他にもモルタル塗り仕上げや石張り仕上げがありますが、モルタル塗りの場合硬化や乾燥による収縮の影響で、下にあるパネル自体にひび割れが発生しやすく、また石張り仕上げもパネルの表面強度が比較的低いことからALCパネルの仕上げとして活用することができないので気を付けましょう。

【施工する際の注意点】

防水・仕上げ施工をする際の注意点としては、まず養生は必ず行なってから施工するようにしましょう。
外壁にALCパネルを設置してから防水・仕上げ施工を行うまで濡れたり汚れたりしないようにするために、養生をしておく必要があります。
そのまま放置していると防水・仕上げ施工に影響が出てしまったり、ひび割れの原因にもつながってしまうので、パネルが設置された時点で早めに養生を行うべきです。

また、パネルの表面はなるべく雨水などで濡れていないことを確認してから施工を実施しましょう。
下地処理の段階できちんと乾燥されていないと、防水・仕上げ塗材の塗膜がパネルに付着しなかったり、塗膜のひび割れや剥がれにつながる可能性が高いです。
ですから、濡れていないかを確認して、しっかり乾燥されている状態で行うようにしましょう。

他にも、下地が見えてしまうような薄吹きによる施工や、普通のALCパネルよりも吸水性の低いパネルに関しても、普通のALCパネルと同様に防水・仕上げ施工を実施するようにしてください。
いくら吸水性が低くなっていても元々の吸水性が高いので防水・仕上げ施工をする必要があります。

【ALCパネルは補修も必要】

常に日光や雨・風に晒される外壁ということもあり、いくら防水・仕上げ施工を行なっていたとしても年々劣化していくのは、他の外壁塗装と同様にALCパネルでも同じことが言えます。
ALCパネルに施した外壁塗装も、劣化することで汚れや傷などが増えてしまい、最悪の場合ALCパネル自体にも影響が出てパネル全体を張替えなくてはいけない可能性もあります。
そのため定期的なメンテナンスは必要不可欠です。
防水・仕上げ施工する際には適した仕上げ材を選ぶことはもちろん重要ですが、劣化に応じて補修を行なっていくようにしましょう。

■屋根にも利用できるALCパネルの注意点

ALCパネルは外壁だけではなく屋根にも利用することができますが、屋根は雨が直接当たる部分でもあるため、外壁以上にしっかりとした防水性を加えることが重要となります。
屋根の耐久性を向上させるためにも、ALCパネルを屋根に使用している場合はメンブレン防水、または葺屋根工法での防水施工を必ず行うようにしましょう。

【メンブレン防水の種類と特徴】

メンブレン防水は薄い防水層を屋根に作って全面的に覆うことができる防水工法になります。
メンブレン防水は不透水性の膜を広い範囲で吹き付けることができるため、屋根の防水にも最適です。
ALCパネルに活用できる防水層にはいくつか種類があります。

・アスファルト防水層
塗布工法と吹き付け工法の2種類から選ぶことができます。
ALCパネルの吸水性を考慮しながら塗布・吹き付けるプライマーの量を考えなくてはなりません。

・改質アスファルトシート防水層
トーチ防水工法と常温粘着防水工法の2種類から選べる改質アスファルトシート防水層は、アスファルトルーフィングシートを積層させて防水性能を高める防水層になります。
接合部には絶縁用テープを貼り付けて処理するようにしましょう。

・合成高分子系シート防水層
合成ゴムや塩化ビニル系、ポリオフィレン、エチレン酢酸ビニル樹脂系などのシートを活用し、防水性を高めます。
シートをビスで固定させるか、もしくは接着剤で貼り付ける施工となります。
塩化ビニル樹脂系を使用する場合、下塗り材はニトリルゴム系やエポキシ樹脂系の接着剤を使うと馴染みがよくなり使いやすいです。

・塗膜防水層
ALCパネルの屋根に利用する場合は、ウレタンゴム系を使った防水工法を選ぶ必要があります。
パネル表面にはあらかじめ目止めを行なっておくと、ウレタンゴム系の防水層がしっかり密着されるようになり、防水効果をアップさせることができるでしょう。

【葺屋根工法の種類と特徴】

・金属板平形屋根スレート
垂木と野地板に下地を組んで、そこに金属板やスレートを葺く工法を指します。
ALCパネルの下部が密閉される場合や勾配屋根に適した工法だと言えます。

・シングル
アスファルトシングルや不燃性シングルなどを防水層の上に葺くことで防水性を高める工法です。
屋根だけではなく斜めになっている外壁への防水にも適しています。

■モルタル・コンクリート・セメントは何が違う?

セメント系外壁にはセメントだけではなく、モルタルやコンクリートがあります。
3つとも同じ素材と勘違いされやすいのですが、実は特徴や使い方に違いがあるのです。
モルタル、コンクリート、セメントの特徴と共に、それぞれの違いについてご説明しましょう。

【モルタル・コンクリート・セメントの特徴について】

・モルタル
モルタルはセメントが原料であり、砂と水を加えて練り、それを固めた資材を指します。
ペースト状になるので施工性に優れており、外壁だけではなく内壁や、ブロック・レンガの目地や積み上げの接着剤として使用されることも多いです。
他にも住宅ではフェンスの支柱とブロックに流し込み基礎として使うことや、乱形石を敷石として敷き詰める際のつなぎ、熱や日に強いモルタル素材もあるため、ピザ釜作りになど活用されています。
派生型のモルタルも存在し、レンガの接着用では石灰モルタルが使用され、コンクリート建造物の補修用としては樹脂モルタルを使われることが多いです。
外壁ではコテやハケを使った仕上げで独特なテクスチャーをつけることができ、意匠性を持つ資材と言えるでしょう。

・コンクリート
コンクリートはモルタルと同じく砂と水、さらに砂利を加えて練り混ぜ、硬化させた資材です。
基本的に生コンクリート工場で生産されており、硬化を防ぐためにコンクリートミキサー車によって現場まで運ばれています。
圧縮力や耐久性、耐火性に優れているため道路やビル・マンション、ダム、トンネルといった建造物に使われています。
引張力に弱いので強度を高める上で、鉄筋を入れて施工されるケースが多いです。
コンクリートの外壁は雨だれやカビで汚れが目立ちやすく、室内は寒い上に結露しやすいと言われていますが、現在は断熱材や汚れや雨に強い外壁塗料、24時間換気システムなどが整っているので、きれいな状態を保つことができます。

・セメント
セメントは石灰石や粘土、珪石、酸化鉄、鉄銅などが原料で、これらの原料を細かく砕いてつくられています。
水を加えると化学反応を起こし硬化する性質を持ち、モルタルやコンクリートの構築に使用する砂や砂利を接着させる役割があるのです。
モルタルでは砂、コンクリートでは砂と砂利を骨材として入れますが、骨材を入れず水だけで練った状態の資材を「ノロ」と呼ばれています。
耐久性は低いため単独の住宅建材としては使われませんが、主にタイルや目地、モルタルのヒビ割れを補修する際に用いられることが多いです。

【モルタル・コンクリート・セメントの違いについて】

・骨材や配合率の違い
モルタルとコンクリートはセメントからつくられていますが、特徴でも説明していますが仕様する骨材が異なります。
また、用途に応じて配合率が異なるのでご紹介しましょう。

≪モルタル≫
通常の仕上げ接着剤の場合・・・セメント1:砂3
接着強度が強くする場合・・・セメント1:砂2

≪コンクリート≫
基礎コンクリートの場合・・・セメント1:砂3:砂利6
強度を強くする場合・・・セメント1:砂2:砂利4

≪セメント(ノロ)≫
接着や小口充填用の場合・・・セメント1

・価格の違い
モルタル・コンクリート・セメントの価格を比較すると、セメントが最も高価で、次にモルタル、コンクリートという順番で安価になっています。
モルタルやコンクリートはDIY用にホームセンターなどで販売していますが、同じ商品でもセメントの含有量が多い商品は価格が高い傾向にあるようです。

・強度の違いについて
セメントに水を混ぜたノロは骨材を使用していないため、セメントとコンクリートに比べて耐久性がありません。
一方、モルタルとコンクリートを比較した場合、骨材に砂利も使用しているためコンクリートの方が強度に優れています。
そのため、ビルやマンションだけではなく、現代に再建されている大阪城や黒部ダムなどでも主体構造として用いられており、弱点である引張力をカバーするため鉄筋により強度が強化されており、重機やダイナマイトがないと破壊できな強度を誇るのです。
ノロよりも耐久性のあるモルタルは外壁に使われますが、大規模な建造物に対してはがけ崩れの防止として斜面を覆うといった補助的な用途で用いられています。
外壁や内壁では仕上げのテクスチャーによって全体の雰囲気や質感が変わるので、コンクリートにはない魅力を持っています。

・製造の違いについて
セメントからつくられるモルタルとコンクリートですが、モルタル工場で生産して現場に持ち込まれるパターンか、現場で職人が骨材と水を調合して製造するパターンがあります。
現場での調合は比較的に安価であり、用途に応じて適したモルタルを作成できる点がメリットでしょう。
その分品質にムラが生じやすいため、外壁リフォームなどでは扱いに慣れた職人に依頼すると安心です。
コンクリートは現場で調合されることはほぼなく、生コンクリート工場であらかじめ製造されたものを現場で使用する違いがあります。

■塗り替えの前に劣化がないかチェック!

セメント系外壁の塗り替え作業を行う場合、外装材自体に不具合が出ていないか、劣化が進んでいる部分がないかをチェックしてから塗装作業に移る必要があります。
もしも、ひび割れなどが見つかった場合はそのままにしておくと防水性能が落ちてしまい、例えそこに塗装を施してもすぐに効力を失ってしまう可能性が高いです。
そうならないためにも、事前にひび割れなどが発生していないかを調べないといけません。
この調査は一般の人でも簡単に行うことができますが、より細かい部分まで調査するとなると、プロの塗装業者に依頼して事前調査を行ってもらった方が確実と言えます。

サイディングの種類と特徴を解説

サイディングは構成される素材によって4つの外装材に分類することができます。
窯業・金属・樹脂・木質に分けられますが、それぞれの特徴について説明していきましょう。

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■窯業系サイディング

窯業系サイディングは、一般的な住宅に多く用いられるものです。
セメントを原料に繊維質原料を加えて成型します。

・耐震性や防耐火性、遮音性が高い

素材の特徴としては、硬質で密度が高いので耐震性・防耐火性・遮音性に優れていると言えるでしょう。
商品のバリエーションも豊富で、価格帯も広く一般的な住宅で最も多く取り入れられています。
サイディングの厚みは、14・15・16・18ミリの中から選ばれることが多いです。
デザインについては、シンプルなものから石積調やタイル調、木目調など本物そっくりな風合いを持つ商品が揃っています。
どんな外観にもコーディネートしやすく、見た目の印象に変化をつけたい場合にもおすすめです。
塗装処理は、建材の製造工場ですでに塗装してあるものと、無塗装の状態で運ばれ現場で塗装処理を行うものがあります。

・表面塗装によって汚れにくい

最近の窯業系サイディングは、表面塗装などの工夫を施して汚れにくくメンテナンスフリーなタイプが多く見られるようになってきました。
紫外線による色褪せ、日焼けなどを抑える塗装や、汚れを防ぐための光触媒塗装、親水性のコーティングを施した商品も出てきています。
サイディングの継ぎ目に埋め込むシーリングを目立たなくするために、目地の耐久性や汚れを目立たなくする商品も見られます。
窯業系のサイディングは、商品の表面塗装やシーリング部分のメンテナンスが一番重要となるので、白い粉が塗装面に着くような場合は、再塗装するようにしましょう。
シーリング剥離や亀裂などが見られる場合は、打ち替えを検討することも必要です。

■金属系サイディング

金属系のサイディングは金属板を成型した後、表面や接続部を加工し裏面材やしん材で構成した建材のことを言います。
表面材は、塗装溶融亜鉛めっき鋼板や塗装ガルバニウム鋼板、アルミニウム合金塗装板、塗装ステンレス鋼板などです。

・断熱性、防音性が高くひび割れに強い

金属系のサイディングは軽量なので建物への負担が少なく、断熱性・防音性が高く凍害やひび割れなどに強いのが特徴です。
デザイン性については、金属が持つシャープ風合いによってモダンな雰囲気やレンガ調・石積調などのデザインなど幅広いデザインを楽しむことができます。
商品のバリエーションは窯業系と同様に、表面の色褪せや変色などを防ぐための塗装やセルフクリーニング機能のついたタイプなど様々です。
長期間美しい状態を保つためには、定期的な点検とメンテナンスが基本となりますが、凹みや傷、白い粉、カビなどが表面に付着していないかしっかり確認するようにしましょう。
こういった劣化や自然現象を防ぐためにも年に数回、水洗いすることをおすすめします。

■樹脂系サイディング

樹脂系のサイディングは、塩化ビニル樹脂を原料にした外装材です。
もともとは北米で生まれた建材なので日本ではまだ馴染みが薄いのですが、アメリカでは50%以上のシェアを誇る素材として採用されています。

・耐久性、耐候性が高く劣化しにくい

樹脂系は、塩害や凍害などに強く劣化しにくい材質です。
サビや腐食の心配もなく、退色もほとんどないので見た目をそのまま保つことができるでしょう。
金属系と同じように軽量なので建物の負担も少なく、リフォームにも向いています。
シーリングを使用しないため目地の補修も必要ありませんし、今ある外壁の上から取りつけることもできます。
しかし、商品のバリエーションが少いことから輸入住宅のデザインに採用されることが多く、一般の住宅ではあまり見られません。
また、見た目が安っぽく見えることと、カラーバリエーションが少ない、遮音性が低い点から樹脂系サイディングを使用する方は少ないようです。
この建材を使用した外壁構造は建築基準法により規制されるので、準防火地域または22条区域ではメーカーが認定取得した商品しか使用することができないので注意してください。

■木質系サイディング

木質系のサイディングは、天然木に塗装を施して仕上げた外装材です。
自然の木にしか出せない温かみがあり、木目がそのままデザイン化されるので他の建物と全く同じデザインになることがありません。

・断熱性が高く環境に優しい

木質系は、熱を吸収しにくく表面温度が上がりにくいといった特徴を持っていることから、断熱性能に優れていると言えます。
人工物特有の不自然さがなく、環境にも優しいエコ建材として採用されることが多いです。
最も多く使用されているのがレッドシダーを使ったべベルサイディングですが、ヒノキやスギを使ったモダンウッドやウイルウォールなどの商品もあります。
横張りや縦張り、色合いなどによって風合いが変わり、長年使用していても飽きにくいといった定評があります。
ただし、木でできているため水に弱く、水分が残ったままの状態が続くと腐りやすいと言った面が気になりますが、木の種類によっては耐久性に優れたものもあるので、各メーカーに確認してみてください。

金属系の外壁

■金属系の外装材について

金属系の外装材の種類にはカラー鋼材や亜鉛メッキ鋼板、塩ビ鋼板などの鉄系素材、アルミやステンレス板など様々あります。
金属素材は軽量かつ施工性に優れているため、石膏ボードやウレタン発泡体と合成してつくられる外壁サイディング、屋根材だけではなく、屋外階段やフェンス、物干しなどの鉄部、ベランダの手すりや笠木、サッシなどの建具など、多種多様に使われる素材なのです。
このような部材の塗り替えでは、材質や既存する塗膜の種類が何かをあらかじめ把握し、適した塗装方法を選ぶ必要があります。
特に鋼材は適切な防錆処理、ほかの金属素材でも材質にマッチするプライマーを塗ることが重要です。

■金属系基材の種類

・鋼材

鋼材は成分で分類すると炭素鋼と合金鋼があります。
さらに用途から分類すると一般的な普通鋼と、特殊成分により強度を向上させた特殊鋼の2種類となります。
建築で使用される普通鋼は形状から鋼板、鋼管、条鋼に分類されます。
また、鋼板にも厚中板や薄板、帯鋼、ブリキ板、亜鉛鉄板といった種類が存在します。
鋼材は加工性に優れているので、外壁サイディングをはじめに階段や雨戸などの住宅建材として広く使われているのです。
しかし、長期的に品質を保つためには錆対策を行うことが重要と言えるでしょう。

・亜鉛メッキ鋼板

亜鉛メッキの鋼板は自動車や家電製品に用いられますが、屋根材や水切りなどの住宅建材にも使用されます。
この鋼材は、亜鉛自体は腐食されつつも鋼材が腐食を防ぐ作用を持ち、鋼材に電気防食作用を付加する働きがあるのです。
電気防食作用により鋼板の腐食を遅らせることができます。
しかし、鋼板が厚いと電流密度が小さくなるため、防食作用も少なくなって白錆が発生しやすくなります。
なお、亜鉛メッキは塗膜が付着しにくいので、確実な下地処理が必要です。

・アルミニウム

アルミニウムはボーキサイトなどの原鉱石から抽出されるアルミナを電気精錬して生成されます。
純アルミニウムは柔らかい性質を持つため、マンガンやマグネシウム、ケイ素などを加えた合金もあります。
鋼材よりも軽量で加工性も良く、表面に酸化物の被膜を生成するので耐食性も優れた基材です。
絶対的な強度には欠けますが、断面形状の押出成形によって軽量かつ適度な強度を持ち、車庫の構造材やバルコニーの手すりなど付帯部材、さらにサイディング材にも使われています。

ただし、表面強度はやや弱いので、傷がついた箇所が腐食する危険性もあるので注意が必要です。
腐食や退色の補修はアクリル系塗料で塗り替えを行います。
塗料の付着性はあまり良くないため、施工ではサンドブラスト、サンドペーパーによる研磨、シンナー類で脱脂による目粗し作業が必要です。
外壁塗装ではマッチしたプライマーを使用すれば脱脂のみでも塗装はできますが、サンドペーパーでの目粗でより付着性を高めることができるので、業者に確認することが望ましいでしょう。

■金属系の外壁を使うメリット

金属系の外壁には優れた性能が多々あります。
まず金属系の外壁は断熱性に優れており、他の外装材より約5倍以上の断熱性を持っているのです。
なので、夏は暑さ、冬は寒さを凌いで快適な住まいにすることができます。
また軽量な基材なので建物の負担が少なく、耐震性も兼ねています。
地震の揺れに強いのでひび割れの心配もほとんどありません。
他にも、防水性も優れています。
寒冷地では外装材の表面に付着する水分が凍結融解を繰り返すことにより、基材が劣化する凍害が発生する外装材があります。
防水性がある金属系の外壁なら、凍害を心配することなく寒冷地でも導入しやすいと言えます。

■金属系の外壁を使うデメリット

金属系の外壁にはメリットが大きい分、デメリットもあるので把握しておきましょう。
素材が金属であるため、温度変化が激しく変形しやすい性質を持ちます。
さらに衝撃の強度もやや弱いため、物が当たるとへこんでしまうこともあるので注意が必要です。
また、金属系の外壁の品質を維持するためには、錆対策が欠かせません。
海岸沿いの住まいでは塩害や錆が発生しやすいので、あまり向いていない外装材と言えるでしょう。

■塩ビ鋼板の特徴

金属系外壁材の中でも塩ビ鋼板とは、後半にポリ塩化ビニル樹脂をコーティングさせた外壁材を指しており、外壁にとって厳しい環境であっても他の外壁材に比べて耐用年数を維持できる外壁材として注目されています。
塩化ビニル樹脂は、ポリエチレンやポリプロピレンのように、加工性に優れた素材で、なおかつ機能性も高いことから様々なアイテムに活用されている樹脂です。
特徴として、耐候性に優れていることや、酸・アルカリに強いことなどが挙げられます。
外壁はいつも外に出ている状態なのでどうしても紫外線の影響を強く受けてしまうものです。
しかし、後半にポリ塩化ビニル樹脂をコーティングさせた塩ビ鋼板なら、紫外線の影響を最小限に抑えることができるのです。
また、酸やアルカリに強いことから、酸性雨といった酸による劣化も防ぐことができます。
他にも強度が高かったり、耐水性・難燃性・電気絶縁性などにも優れているとされている外壁材です。

加工性も持ち合わせる塩ビ鋼板はデザインを比較的自由に変えられるので、希望に沿った形の塩ビ鋼板を取り付けることができます。
外壁や屋根以外にも、ドアやシャッター、雨樋や破風板などの住宅外装部材にも使用されることも多く使い勝手の良い外壁材だと言えるでしょう。

ただ、いくら万能だからといって全く劣化しないわけではありません。
いずれ変色や錆、塗膜の剥離、汚れなどにより劣化する可能性が高いので定期的なメンテナンスは実施するようにしましょう。
また、塩ビ鋼板は他の外壁材に比べて金属専用塗料で仕上げを行なっても付着しにくく、塗膜がすぐに剥がれてしまうということも考えられます。
このような場合は塩ビ鋼板自体に対応している下塗り材を使用することが重要です。

石材やタイル仕様の外壁

■外装材に向いている石材とは?

石材と言っても様々な種類があります。
種類によってメンテナンスや価格に違いがあり、外装材に適しているものとそうでないものもあるのです。
例えば「大理石」は耐久性・メンテナンス性が優れていますが、価格が高い傾向にあります。
しかも大理石は、耐久性・メンテナンス性に若干の不足があります。
大理石は酸に弱いので酸性雨が降ると侵蝕されやすくなってしまうのです。
ですが、高級感があり人気の石材となっています。
砂岩に関しては、耐久性もあり価格も抑えめなのですが、メンテナンスが大変になります。
吸水性がある材質なので汚れが付きやすく、手入れが大変になるでしょう。
石英岩は、耐久性やメンテナンス性について御影石並に優れている点が魅力と言えますが、既製品として輸入されているものが多く石に厚みがない、薄いものが多いので、寸法などを前もって確認することが重要となります。

■石材のメリットとデメリット

まずはメリットを見ていきましょう。
外装材を石材にすることで高級感があり、デザイン性にも優れているので華やかで重厚な印象の外壁になります。
また、無垢材となるので傷などが付いたとしても磨くことで元通りにすることが可能です。
御影石であれば耐久性にも非常に優れているので安心でしょう。

次に石材のデメリットを見ていきます。
石材は吸水性があることで、様々な問題が発生することも考えられます。
石の中に金属が含まれていると、水分と結び付くことで変色し錆びてしまう可能性があります。
着色のある液体をこぼしたまま放っておくとシミにもなりやすいので注意が必要です。
また、雨水を吸水してマーブル状になったまま乾かない現象も発生する場合があります。
いずれの場合も、洗剤を使用してもなかなか汚れは落ちません。
業者に依頼して対策を講じてもらうことになるので、費用がかかる場合もあるのです。
デメリットがある石材ですが、性質をよく理解してメンテナンス方法を知ることで長く付き合っていくことも可能です。
汚れや水滴などは放置せず、こまめに拭き取ることで綺麗な石材外壁を保つことができるでしょう。

■タイルは外装材に向いている?

タイルは粘土や石材を砕いて細かくしたものを焼き固めて作られています。
内装などでも使われますが、外装に使用すると高級感が出るので大変人気となっています。
外装では主に磁器質とせっ器室のタイルが使用されています。
目地割りにも種類があり、目地が直線に通っている通し目地や上下の目地がずれている片馬踏み目地などが人気となっています。
耐久性に非常に優れているので傷つきにくいため、外壁には向いています。

■外装材をタイルにするメリットとデメリット

高級感のある外観にすることができる点は魅力的と言えるでしょう。
サイディングと比べると一目瞭然で、クラシックスタイルであったりモダンスタイル、ナチュラルスタイルなど様々なスタイルにも合わせやすく、かつオシャレで存在感のある風合いになるのです。
傷が付きにくいのでメンテナンスも簡単となっており、日差しや雨、雪などにも強い性質を持っているので偏食の心配もありません。
また、石材などは吸収した水分が凍って亀裂が生じる可能性がありますが、タイルは吸水性がないので寒冷地にもオススメできる材質となっています。
デメリットとして初期投資が高くなってしまうのですが、ランニングコストが抑えられるので外装材として非常に優れているでしょう。
ただし、施行する人の技術が悪いと浮きや剥がれが発生する場合があります。
浮き上がってしまうと最終的には落下する危険もありますので注意が必要です。
信頼できる優秀な技術者を見つける必要があるでしょう。

独特な風合いと高級感のある見た目がオシャレで外装材として人気の高い石材やタイルですが、その特徴をきちんと理解することが最も重要です。
メリットだけではなくデメリットも知ることで、大きな問題のない自分に合った外装材を選ぶことができるでしょう。

塩化ビニル樹脂外壁

日本ではまだまだ馴染みが薄い塩化ビニル樹脂ですが、アメリカやカナダでは主流となっている外装材です。
そんな塩化ビニル樹脂について紹介していきます。

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■塩化ビニル樹脂の特徴とは?

塩化ビニル材樹脂の原料の60%は天然の塩となっています。
後の40%は石油となっており他のプラスチック製品と比べると大事な石油資源も節減して作られており、製造の際の二酸化炭素の発生量も少ないので地球に優しい作りとなっています。

1965年からアメリカで製造化されて、日本では1996年頃から販売され徐々に普及してきましたが、知名度もまだまだ低く塩化ビニル樹脂を採用している家は少ない傾向にあります。
塩化ビニル樹脂の外装材の特徴としては、シーリングを使用していない点が挙げられます。
そのため、多くのメリットが塩化ビニル樹脂にはあるのです。

■塩化ビニル樹脂はメンテナンス性に優れている

上記にあるように塩化ビニル樹脂の外装材ではシーリングを使いません。
なので、メンテナンスがほとんど必要ないのです。
シーリングとは、外壁の目地などの合成のゴムのペーストを充填することを言います。
耐用年数としては10年を経過すると割れなどが発生しやすくなるので、メンテナンスが必要となりますが、塩化ビニル樹脂は必要ないのです。
シーリングをすることで水の侵入を防ぐのですが、塩化ビニル樹脂は疎水性が高いので隙間から水が浸入しにくくなっています。
さらに通気性があるので乾燥しやすく万が一塩化ビニル樹脂の裏側に水が入ったとしても、乾燥しやすい構造となります。

■塩化ビニル樹脂のその他のメリットとは?

塩化ビニル樹脂は耐久性に優れた性質を持っています。
強度が低くなることも少ないので、長期間使用したとしても問題なく利用できるでしょう。
寿命が長いということは、ランニングコストも抑えられるのでメンテナンスをすることが嫌だと感じている人にはオススメの外装材となっています。
また、色を塗っているわけではなく顔料が練り込まれて作られています。
長期間利用したとしても色にムラができたり、剥げてしまうなどの心配がないので安心です。
外壁は傷などが付きやすい場所でもあります。
塩化ビニル樹脂は、弾力性のある材質なので衝撃にも耐える性質を持ち合わせているので、すり傷やひっかき傷などにも強い材質です。
石材などの外装材は凍結すると破損してしまう危険があるのですが、塩化ビニル樹脂は凍結融解作用によって凍害を防ぐことができます。
その他にも潮風による塩害や大気汚染、排気ガス、酸性雨などによる汚れや破損などにも強い性質を持っているので、選ばれやすい外装材と言えるでしょう。

■軽くて強い塩化ビニル樹脂

塩化ビニル樹脂は1平方メートルあたりの重量が約2kgと非常に軽量です。
軽量だから吹き飛んだりすることを心配される方もいますが、心配不要です。
軽いということは、家に負担が掛からないので地震にも強くなります。
既存の外壁の上からも塩化ビニル樹脂を取り付けることができるので、リフォームの際にもオススメでき、万が一破損や傷が発生した場合でも一部分を剥がすことができるので、メンテナンスも簡単に行えるのです。
また、燃えにくい性質を持っているので耐火性にも優れています。

■塩化ビニル樹脂にもデメリットはある?

メリットが多い塩化ビニル樹脂ですが、デメリットも存在します。
デザインがシンプルなものになってしまうので、好みが分かれやすいという点です。
日本ではあまり普及していない点から取り扱っている業者も少なく、デザインなどにバリエーションがないこともあります。
なので、豊富な種類の材質から自分好みのものを選びたいと考えている方には不向きとなるでしょう。
メリットが多いので、これから普及することが考えられます。
そのため今後バリエーションが多くなる可能性は十分にあるでしょう。
安価なのですが、色によっては金額が変わる場合もあるので注意が必要です。

シーリング材を使った外壁

シーリング材は外壁以外にも、屋根やサッシ、ベランダなど幅広い部分に使われる材料です。
そんなシーリング材について詳しく説明していきます。

■シーリング材の普及

日本住宅の屋根で代表的な瓦葺屋根は、棟瓦、鬼瓦、軒先瓦などの取り付け部分を漆喰にすることで雨仕舞いされてきました。
漆喰は、消石灰にふのりなどがねり混ぜられた材料や、紙や麻などの繊維を混ぜた伝統的な材料が挙げられます。
戦後、様々な研究を重ね化学物質が開発されたため、雨仕舞いにはシーリング材が多く使われるようになりました。
外壁においても、今まで湿式工法が主流だったのに対して、現場工場の数が減少してきたり品質を安定させたりするために、乾式方式によって仕上げ作業をすることが多くなってきています。
これらの工法の中で、各種サイディングパネルなどの隙間を埋めるシールや、目地部の雨仕舞いをするためのシーリング材が使われています。
部材により密着させながら収縮と膨張を発揮し、密水性を保つような仕組みになっているのです。

■シーリング材の劣化現象

外壁の塗膜が劣化してしまう現象と同じように、シーリング材も経年によって劣化現象が現れてきてしまいます。

・しわや変形
目地のムーブメントやシーリング材の収縮によって、くびれたり波打ってしまったりと変形が進んでいきます。

・軟化
紫外線や太陽の熱などによりシーリング自体が軟らかくなり、その後形が崩れていきます。

・汚れ
シーリング材の表面に外部からの汚れが付着する場合と、パネル部にくっついて汚れる場合があります。

・変退色やチョーキング
シーリング自体の劣化により、色が変わってしまったりひび割れたりします。
シーリング材と塗膜の劣化によって発生することもあります。

・破断や剥離
シーリングの表面が汚れたり、パネル部分に汚れが付着してしまうとひび割れが広がり完全に破断してしまいます。
さらに進むと被着体のパネル部分から剥離してしまいます。

このような状態を放っておくと、パネルの裏側に雨水が侵入してしまったり、シロアリが発生し住まいを腐食してしまいます。
シーリング材は塗料と同様、合成樹脂で成り立っていますが軟らかくするために可塑剤を含ませています。
時間が経つとブリードして塗膜がベトベトになって汚れが付きやすくなったり、ひび割れや剥がれを引き起こしてしまうので注意が必要です。
また、塗膜がシーリング材を一緒に引っ張ったり無理に剥がれたりするなど、溶液がシーリングに付いてしまう可能性もあるので、塗り替えの時にシーリング材部分の塗装は行いません。

ですから、外壁パネルの部分塗装を行った上でシーリング材を接着することが原則のルールになっています。
退色レベル程度の劣化であれば塗装することで補修できますが、割れや剥がれを発生させてしまうかもしれないので、施工担当者が施主に対し補修も行うか確認が行われます。
塗装する前にシーリング材をしてしまった場合は、シーラーを塗布したり弾性塗料を塗布して可塑剤の移行を食い止めるようにしてください。
経年劣化でなくてもシーリング材は、界面剥離や破断してしまう可能性があります。
界面剥離とは、外装材とシーリング材が接着不良を起こすことで、プライマーの塗布不良またはシーリングの材質不良なども原因として考えられます。
シーリング材の破断は、シーリング材の不良の場合もありますがジョイント箇所の断面設計不良という可能性もあります。
塗装の際にこのような異常が発見された場合は、速やかに打ち直ししなければなりません。

■シーリング材の種類と耐用年数

シーリング材には、シリコン系、変性シリコン系、ポリサルファイト系、ポリウレタン系、アクリル系など様々な種類があります。
改修時に使う時は、塗装性の良いポリウレタン系か変性シリコン系を選ぶと良いでしょう。
現場で硬化させるシーリング材は、硬化の作用によって2成分系と、空気中にある水分に反応して表面硬化させる1成分系のタイプに分けられます。
現場改修工事では、シーリング材の耐用年数を理論式に基づいて推理しています。
この数式で表すためには、施工技術との結びつきが非常に強いため、適切な施工が必要不可欠となるのです。

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