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モルタル壁

目次

モルタル壁

モルタル壁の仕上げの種類

モルタル壁と一口に言っても、実は様々な仕上げ方法があります。
仕上げの種類によっては外観が大きく異なってくるため、慎重に選びましょう。
今回はそんなモルタル壁の仕上げの種類についてご紹介します。

モルタル壁の仕上げ~リシン仕上げ~

■リシン仕上げの特徴

モルタル壁の代表的な仕上げ方法の一つとして挙げられる「リシン仕上げ」とは、主にとても細かく砕いた石・砂をセメントや樹脂などと一緒に混合させ仕上げ施工を行ったものを言います。
1960年頃から行われている仕上げの一つであり、どちらかと言うと安価でできるので現在でも新築に多く利用されています。
通常の仕上げに比べると細かい石や砂が入っているため、外壁を触った時のザラザラ感が特徴的です。
リシン仕上げを行うことで外観に落ち着きを持たせることができ、重厚で趣のある和風の家にもピッタリな外壁仕上げと言えるでしょう。

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■リシン仕上げの種類

リシン仕上げの種類ですが、主に2つに分けることができます。
一番多く利用されているものは「吹き付け」という仕上げ方法です。
これは、リシンガンという専用の道具を使い、外壁に向かって混合した仕上げ材を塗布することでできる仕上げ方法となります。
吹き付けのみで終えるとかなりザラザラとした感触が残りますが、吹き付けた後に剣山やブラシといった道具を使うことで普通に吹き付けて仕上げたものよりも柔らかい印象を持たせることも可能です。(リシン掻き落とし仕上げ)
この方法は人の手による作業となるので、職人さんに依頼した方が仕上がりは良くなるでしょう。
重厚感のあるリシン仕上げに高級感をプラスしたい方は、外壁塗装業者を選択する時にリシン吹き付けの経験や実績が多い職人さんはいるのかどうかを聞いてみましょう。

もう一つのリシン仕上げの種類は「弾性リシン」です。
弾性リシンというのは、元々ひび割れに弱かったリシン仕上げの弱点を解消しようと作られたものを言います。
他の塗料に比べてひび割れが起きやすいリシン仕上げですが、弾性リシンにすることでひび割れを起きにくくしています。
しかし、元々リシン仕上げは塗膜が薄いため弾性リシンへ変更したとしても大きくひび割れ防止の効果をもたらすわけではありません。
また、普通の吹き付けによる工法よりも表面が汚れやすくなるという特徴も持っているため、その点を考慮した上で選んだ方が良いでしょう。
弾性リシンに関してはこれからどんどん開発が進み、より良いリシン仕上げ材となることが期待されています。

■リシン仕上げを行うメリット・デメリット

リシン仕上げにすることで外観以外にどのようなメリット・デメリットを生み出すのでしょうか?

【メリット】

・通気性や透湿性に優れている

リシン仕上げは防水性を高めた仕上げ方法に比べて通気性と透湿性に優れているというメリットが見られます。
もちろん、その分防水性には不安が残るものの、新築への外壁塗装には通気性や透湿性が非常に重要なものとなるのです。
どういうことかというと、新築のモルタル壁は内部まで完全に乾ききるまでかなりの時間を有します。
例えば一番乾きにくいと言われる北側のモルタル壁内部が完全に乾くまではおよそ6年以上かかると言われているのです。
乾かないということは、家の中にいつまでも湿気が残っている状態でもあるので、建材に使用されている木材に影響が出てしまう恐れがあります。
そのため、モルタル壁を作る時には内部に透湿防水シートを加えるのですが、それだけではなくリシン仕上げにすることで、より早く乾かすことができるのです。

【デメリット】

・防水性があまり良くない

上記にもあるように、リシン仕上げは通気性と透湿性には優れていますが、防水性はあまり良いとは言えません。
また、モルタル壁が温度差によって膨張したり縮んだりすることがありますが、この時塗膜が薄いリシン仕上げだとどうしても対応できずひび割れを起こしやすくなってしまいます。
ひび割れが起きてそのひび幅が0.3mmを超えてくると内部へ雨水が侵入しやすくなり、家の劣化につながってしまうので注意が必要です。

・汚れが目立ってしまう

リシン仕上げをすると骨材によってザラザラ感を生み出しますが、リシン仕上げの特徴とも言えるザラザラ感がデメリットにもなります。
ザラザラがあるということは、外壁が細かく凸凹しているということを指しています。
すると、その凸凹の隙間に雨水によってできた水垢や埃などが溜まってしまい、それが汚れとなって表れるのです。
美観はあまり気にしていないという方もいらっしゃるかもしれませんが、汚れがあることで耐久性低下にもつながってしまいます。
リシン仕上げを選ぶ際には、定期的な外壁洗浄が必要なので、その点も考慮するようにしましょう。

■リシン仕上げの外壁から塗り替えを行う時の注意点

現在自宅の外壁がリシン仕上げの場合、塗り替えを行う時にはどんな注意点が挙げられるのでしょうか。

・下塗り材

下塗り材は塗り替えを行う時にとても重要な素材となります。
下塗り材を使用せず、いきなり上塗り材を使ってしまうと元々あったリシン仕上げが上塗り材を吸い込み、上塗りにムラができたりすぐに剥がれてしまう可能性が出てきてしまうのです。
そのため、リシン仕上げされた外壁の塗替えには下塗り材が必須になると言えるでしょう。
そんな下塗り材ですが、下塗り材にも様々な種類があります。
リシン仕上げが外壁に向いているのは、下地の吸い込みを抑えてくれて、しかも上塗り材が着きやすい状態にしてくれるシーラーや、厚い塗膜なのでリシン仕上げの凸凹をなだらかにするフィラー、シーラーとフィラーの2つの特徴を持つサーフェイサーです。
一方、あまり向いていないと言えるのが、プライマーです。
プライマーには上塗り材を接着させる働きを持つことの他に錆び止め効果があるのですが、凸凹な表面には適しておらず、ちゃんと効果が発揮できない場合があります。
ですから、シーラー・フィラー・サーフェイサーから選ぶようにしましょう。

・上塗り材

上塗り材にも様々なものがありますが、もしもリシン仕上げのマット感が気に入っていたという方は、艶消し塗料を使ってみましょう。
艶消し塗料を使うことで、通常であれば塗った後に艶のある外壁へ仕上げられる塗料でもマットな印象にすることができます。
また、リシン仕上げはひび割れが弱点でもあるので、ひび割れを防ぐための弾性塗料を使うと良いです。
弾性塗料を使うことで大きくないひび割れであれば、ひび割れの上から塗装することもできます。

このように、リシン仕上げには様々な種類があり、塗り替えを行う時には注意しなくてはいけない点もありますが、ぜひ外壁をどうしようかと考えている方は、リシン仕上げも候補の一つに入れてみてはいかがでしょうか。

モルタル壁の仕上げ~ボンタイル仕上げ~

■ボンタイル仕上げの特徴

ボンタイル仕上げとは、別名吹き付けタイル仕上げ、複層仕上げ材とも呼ばれている仕上げ方法で、タイルガンを使い外壁塗装していく方法を指します。
ボンタイル仕上げの場合、主原料には珪砂や軽量骨材、寒水石、合成樹脂といった結合材などが配合されており、吹き付けた後は凸凹な表面であるにもかかわらず、触ってみるとツルツルな感触が楽しめる特徴を持っています。

■そもそも「ボンタイル」とは?

ボンタイル仕上げは業者によって先程紹介した吹き付けタイル仕上げとも呼ばれています。
模様のことだけをボンタイルと呼ぶ業者もあれば、全てを含めてボンタイルと呼ぶ業者もあります。
そもそも「ボンタイル」の意味は、1960年代という古い時代にドイツの企業が生み出したものを「ボンタイル」と呼んでいて、それが日本に伝わり似たようなものを含めてボンタイルと呼ばれるようになったと言われています。

■ボンタイル仕上げはどのように行われる?

ボンタイル仕上げを行う場合、まずはしっかりと外壁洗浄を行っていきます。
外壁洗浄を行うと汚れを取り除くことができ、仕上げ材をちゃんと外装材にくっつけることができるようになるのです。
それから下塗りをしていき、最後にスプレーガンを使って吹き付けることでボンタイル仕上げが完成されます。
特徴的な模様にしたい場合は、スプレーガンで吹き付けた後にコテやローラーを使って変化を付けていくことができます。(ヘッド押さえ仕上げ)
ボンタイル仕上げにはよくアクリル塗料が使用されていますが、耐久性をもっと高めたいという方はシリコン塗料といったアクリル塗料よりも耐久性に優れたものを選ぶようにしましょう。

■ボンタイル仕上げのメリット・デメリット

【メリット】

・撥水性が高く、耐用年数が長い

ボンタイル仕上げの際に使用されている塗料は基本的に撥水性や防水性に優れたものを使用しているため、水には強い仕上がりになります。
また、撥水性にもよりますが、耐用年数は10年前後とかなり長い耐用年数もメリットの一つです。

【デメリット】

・通気性が悪い

新築の場合、通気性が悪いとモルタル壁の内部がいつまでも湿気を含んだ状態で乾かず、建築材が腐食してしまう可能性があります。
そのため、どちらかと言うと新築ではなく、塗替え時に使用すると良いでしょう。

・値段が高め

撥水性能が高い分、値段も高めになっています。
特に弾性を持ちひび割れに強いシリコン塗料が混合されている場合は、ひび割れにも強く機能面には優れているのですが、より高い価格で取り扱われています。

モルタル壁の仕上げ~スタッコ仕上げ~

■スタッコ仕上げの特徴

スタッコ仕上げとはセメントモルタルに鏝や木片で叩いて仕上げることを指します。
そもそもスタッコとは米国での外部塗り壁の総称であり、日本では昭和40年頃からマンションや大型ビルで施工されるようになりました。
定義は地域により幅がありますが、材料では鏝塗り仕上げに限定されています。
現在では既調合セメントリシン材や合成樹脂エマルション系の吹き付けスタッコが登場したことで工法も変化し、仕上げた質感の幅も広がりをみせます。
変化に応じてできた凸凹模様は、石造建築風の独特な素材感や重厚さを比較的低コストで表現することが可能です。
スタッコで使われる厚塗り材には塗料に近いものや、左官材料に含まれているものなど様々な種類があります。
それらの材料は主にセメント系や合成樹脂といった結合剤、砂や細かく砕いた石などの骨材、顔料などで構成されています。
住宅の内外壁に使われる他、天井の仕上げ材としても使われることが多いです。

■スタッコ仕上げのメリット

・外観の重厚感や高級感の演出

古くから外壁塗装の仕上げ法に活用されているスタッコ仕上げのメリットは、外見のイメージ向上が挙げられます。
スタッコ仕上げはリシン仕上げよりも少し厚めな仕上がりであるため、石材のような重厚感や高級感を表現することが可能です。
その特徴から石造りの家をつくる時に、カラーは石材に適した色合いを選ぶことでより重厚感を加え、個性的でありながら高級感のある外観を演出することができるでしょう。

・費用が安く耐久性もある

外観のイメージ以外でメリットを挙げるとするなら、費用の安さになります。
価格が安いことから低コストで高級感のある外壁を実現させることが可能です。
また、リシン仕上げよりも厚い5~10mmの厚さをもたせて模様をつけているため、比較的耐久性の高い仕上げ法となっています。
性能としては、耐衝撃性、防火性、断熱性、遮音性、遮光性、防水性にも優れていることが魅力です。
ただ、調湿性には弱いといったデメリットがあります。

■スタッコ仕上げのデメリットと軽減法

スタッコ仕上げは凸凹したテクスチャーなので、ザラザラとした質感が特徴的です。
その質感ゆえに、汚れやすいというデメリットを持ち合わせています。
雨だれが起きやすい窓枠の下部分は、茶色や黒っぽい汚れが付きやすいので、明るめの色は避けなくてはなりません。
ただし、ザラザラの質感をなくす施工を施すことで、汚れを軽減する効果があります。
ザラザラの質感をつくりだす凸凹をなくすためには、下地に微弾性フィーラーを使います。
これは、そもそも塗膜というのはぷくぷくしており、この塗膜によってクラックを防御することが可能になります。
こうすることで、スタッコ材の凸凹模様もきちんと塗装することができます。
他にもセラタイトを塗ることで汚れを防止する方法もおすすめです。

■樹脂モルタルスタッコ仕上げの施工工程

・下地処理

下地はコンクリート下地やセメントモルタル下地、ALCパネルなどで一般的に使われています。
まず下地表面の汚れを高圧洗浄でしっかり落とします。
この段階でしっかり汚れを落とさないと塗膜の密着が悪くなり、外壁の質を落とすことになるので、下地処理をどのように行うのか業者に事前確認しましょう。
補強が必要となれば、下地段階で行われます。

・シーラー塗り

洗浄が終わって下地がしっかり乾くと、続いてシーラーを塗ります。
シーラー塗りは塗装面の密着性を高める大事な作業です。

・下塗り

下塗りではモルタルを塗り付けます。
乾かさずに塗装すると次の塗装で密着性を緩めてしまうので、乾燥させることは重要なポイントです。
上塗りまで乾燥させる期間は約14日になります。

・上塗り
中塗りしたモルタルがしっかり乾燥したら、上塗りを行います。
付けしろを厚くしたい場合は、上塗りの前に中塗りをしましょう。

・引き起こしと仕上げ

塗り材を鏝塗りした後に、木鏝で引き起こしを行います。
その後、表面が硬化したタイミングで凸部を鏝で軽く押さえて仕上げて完成です。
最近は専用の型押しローラーが登場し、様々な模様をつけることができるようになりました。

■仕上げとトラブル

樹脂モルタルやドロマイトプラスター、色モルタルなどのセメント系、色漆喰、糊土壁を使ったスタッコ仕上げが可能です。
セメント系では1度に5~8cm程塗り付けができますが、それ以上の厚さでは2回に分けて塗る必要があります。
また、仕上げ後のトラブルの中には表面のムラやふくれ、剥離などが多く、これらのトラブルは下地処理が適切でないことが原因として挙げられます。
仕上げ材ごとに適した下地処理が行われるか確認することが大切です。

モルタル壁の仕上げ~ゆず肌仕上げ~

■ゆず肌仕上げとは?

まるでゆずの表面模様のような外壁の模様をゆず肌と表現します。
この仕上げをつくるには、粘土の高い塗料をスプレーで吹き付け塗装することが一般的ですが、ローラーで仕上げることも主流となりつつあります。
凸凹を活かした仕上げには様々な種類がありますが、ゆず肌仕上げは柔らかさを感じさせる模様なので、人気の高い仕上げ法の一つです。
ゆず肌仕上げは遠くから見るときめ細かな模様が見えるという特徴があるので、光による表情の変化を楽しむことができるでしょう。
それを活かすためには濃い色よりも、薄めの色をセレクトするのがおすすめです。
あまり濃い色だと光による色の変化がわかりづらくなってしまう為、表情を楽しみたい場合には色選びにも注意しましょう。

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■ゆず肌仕上げにする手順

一般的な外壁塗装の過程では、下塗りから中・上塗りを行い、仕上げを施します。
ゆず肌仕上げも同様に下塗りと中・上塗りを終えてから、仕上げを施す段階が基本となります。
ゆず肌仕上げの工法は吹き付け塗料とローラーでの2通りです。
吹き付け塗料では乱糸ガンと呼ばれる専用のスプレー器具に粘度の高い塗料を入れて吹き付けることで、壁面に小さな凸凹模様をつくります。
ただ吹き付けるだけではなく、ガン口径を小さくして吹き付け口を狭くする方法も使われています。
一方、ローラーでの施工は、さざ波仕上げと呼ばれる小さな波模様をつくる仕上げが行われます。
その上に上塗り専用のトップコートを塗布すると凸凹模様が滑らかになり、ゆず肌仕上げの印象も変化してくるのです。

■ゆず肌仕上げと耐用年数の関係性

家や建物を長寿にするためにメンテナンスは欠かせませんが、経済的に大きな負担となるため、できれば耐用年数は長い方が良いでしょう。
ゆず肌仕上げだから耐用年数にも変化があると考えるかもしれませんが、実際は耐用年数に変化をもたらすことはほとんどありません。
ただし、ゆず肌仕上げに使用する塗料に応じて、耐用年数を延ばせる可能性はあります。
例えば、耐用年数が高い塗料でゆず肌仕上げに適した塗料であれば、最長20年という耐用年数を実現することも可能です。
住む地域の気候や立地条件、建物の方角などから耐用年数は変化していくので、必ずしも20年ということにはならないので注意しましょう。
また、仕上げに使用する塗料以外にも、下地や中塗りの状態によって耐用年数は変化していきます。
ゆず肌仕上げを検討する際は、正しい知識と技術を持つ業者に依頼することが大切です。
耐用年数が長くても短くても、メンテナンスの状態で耐用年数は左右されてしまうので、劣化が見つかればできるだけ早めに塗り替えた方が良いでしょう。

■ゆず肌仕上げではなく欠陥である場合も

ゆず肌仕上げには全く異なる意味を持つゆず肌も存在します。
それは塗料の粘度を高くしすぎて、凸凹模様ができてしまった失敗ケースです。
この失敗ケースをゆず肌と呼ぶことがあり、他にもみかんやオレンジピールなどの柑橘類に例えられています。
これは意図してゆず肌にしたのではなく、単純に意匠もない作業上での失敗です。
意図してゆず肌に仕上げる際は柔らかさがあるきれいな仕上がりですが、失敗によるゆず肌は無秩序で美しくない仕上がりとなり、判断は難しくないでしょう。
仕上げに欠陥がある場合は、すぐに補修することが望ましいです。
外壁塗装の業者では保証を設けていることが多く、施工不良による不具合であれば自己負担なく直してもらうことができます。
施工前にどのようなトラブルが補償対象となるのか確認しておくと良いでしょう。

■ゆず肌仕上げが失敗する原因とは

ゆず肌仕上げの施工が失敗する原因は粘度が高い塗料の使用以外に、以下の要因が考えられます。

・乾燥が遅いシンナーの使用
・気温が適温ではない
・スプレーガンの距離が離れ過ぎている
・吹き付ける速度が速い
・塗り込み不足
・ガン口径が大きいスプレーガンを使っている
・古い塗膜がしっかり剥がれていない
このような原因が挙げられるので、実績のある外壁塗装業者へ依頼することが望ましいです。
また、最近は外壁塗装のDIYも注目されていますが、ゆず肌をきれいに仕上げるには高度な技術を必要とするため、素人では失敗のリスクを高める可能性もあるので、自信のない場合は業者に依頼しましょう。
業者へ依頼する際は施工の手順や万が一の保障についても、しっかり確認しておくと安心して外壁塗装でゆず肌仕上げもしてもらうことができます。

モルタル壁の仕上げ~その他の仕上げ~

モルタル壁の仕上げ方法にはまだまだたくさんの種類があります。
コテだけではなく、ブラシや手を使うことで様々な模様を施すことが可能となるのです。
どんな仕上げ方法があるのかご紹介していきます。

■ローラー仕上げ

専用のローラーを使用して外壁塗装をする方法です。
安全性にも優れているので、多くの家庭で使用されています。
パターンローラー仕上げをすることによって、テクスチャーにも幅広い種類があり防水性、不燃性などの機能を付けることも可能です。
模様に関しては、職人の腕によって違いが表れてしまいますが、色々なテクスチャーがあるので人気となっています。

・メリット
吹き付けとは違って塗料が飛散しないので、無駄なく塗料を使用することができます。
近隣の住宅に塗料が飛び散る心配もなく、近隣トラブルも起こりにくいと言えるでしょう。
また、外壁に凸凹がある場合でも、ローラーを毛足の長いものにすることで、綺麗に塗装することができます。
厚塗りも簡単に行えて仕上がりも美しくなるでしょう。

・デメリット
ローラーでの仕上げは全て手作業で行うため、施工に時間が掛かってしまう場合があります。
吹き付け塗装に比べると仕上げ模様の種類も少なく、職人によっては綺麗に模様を付けることができない場合もあります。

■コテ波仕上げ

土壁調の左官仕上げには様々な種類の模様がありますが、中でもコテ波仕上げは標準的な仕上げ方法となっています。
コテを使用して塗料を塗ることで、自然な模様を施すことが可能です。
同じ模様でも職人によって若干風合いが異なり、ハンドメイドのオリジナルな外壁に仕上げられます。

・メリット
標準的な仕上げ方法なので、職人によって大きな差とならずに仕上げることが可能です。
大きな技術は必要ないので、DIYでも行えます。

・デメリット
コテ波の残し方で若干風合いに違いが表れます。
施工の際にはパターンの確認や、実際にどのようになるのかをチェックする必要があるでしょう。

■扇仕上げ

コテを使って扇型に模様を付けていく方法です。
半円を描くように塗料を塗ることで、扇のような模様を施すことができます。

・メリット
DIYで施すことも可能なので、自分の好みで扇の模様を付けることができます。

・デメリット
綺麗に扇の模様を付けるには、若干の技術が必要なので職人によって仕上がりに違いが出てきてしまいます。
好みの大きさや形などを前もって伝えることがおすすめです。

■スパニッシュ仕上げ

コテを使用して仕上げる方法で、エッジの効いた模様を付けることができます。
厚塗りをしてから模様を施していくのですが、エッジを効かせ過ぎてしまうと下地が見えてしまうため、ある程度技術が必要な仕上げ方法です。

・メリット
塗料を塗っただけとは違い、スタイリッシュな外壁になるのでオシャレな仕上がりとなるでしょう。

・デメリット
プロの職人に依頼しないと綺麗な仕上がりにするのは難しいので、業者に依頼する分のコストが掛かってきてしまいます。

■刷毛引き仕上げ

ブラシや刷毛を利用して、模様を施し仕上げる方法です。
和風の住宅には刷毛引き仕上げがとてもよく合うでしょう。

・メリット
上品な仕上がりとなるので高級感が生まれます。
ブラシや刷毛の種類によって模様を変えることもでき、うまい職人によってはかなり綺麗な仕上がりも期待できます。

・デメリット
外観によっては刷毛引き上げのデザインが合わない場合もあります。

■マーブル仕上げ

2色の塗料を混ぜながら塗り付けていく方法で、色味や塗り方で仕上がりパターンに大きな違いが出てきます。

・メリット
職人や自身のアイデアによって模様を自由に決めることができます。

・デメリット
色によっては模様ではなく色ムラに見えてしまうので注意が必要です。
好みの分かれるテクスチャーとなっています。

■素手による仕上げ

塗料を塗った後に、手を使って模様を付けて仕上げる方法です。
力や指の大きさによって模様に変化が生まれるので、完全オリジナルの外壁にすることが可能です。

・メリット
素人でも簡単に行えるので、DIYで行うにはオススメの方法です。

・デメリット
DIYで行う場合には力の入れ過ぎに注意しましょう。
下地が見えてしまい、やり直しとなってしまいます。

以上のように仕上げ方法には様々な種類があります。
職人の技術によっても風合いに違いが表れるので、外壁塗装業者へ依頼する場合は事前に仕上がりについての話し合いが必要です。

モルタル壁の仕上げはDIYでもできる?

外壁塗装を、DIYで費用を安く抑えたいという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、DIYでもできるモルタル壁の塗装・補修方法についてご紹介していきます。

■モルタル壁は下地補修がつきもの

モルタル壁は、サインディングボードなどに比べると耐久性が弱くひび割れが発生しやすいので、良い塗料を使っていても発生する可能性が高いでしょう。
したがって下地補修という工程が必要になってきます。
吹き付けで塗装する場合や砂骨ローラーで厚みを出してから塗装していくこともあり、様々な方法で下地補修を行います。

■モルタル壁の塗り替え時期は?

モルタル壁の住宅は、築年数が古く雨戸やひさし、ベランダなどの鉄部が多いため塗装部分が多ければそれなりに費用もかかってしまうでしょう。
塗り替え時期のタイミングは、塗膜が劣化してくるとチョーキング現象という白い粉が出てくる現象が見られるので、見極めるのは非常に簡単です。
ひび割れが発生している部分は、間違いなく塗り替えが必要になるので注意してください。
基本的に外壁は、内側に防水シートが入っているのですが、モルタル壁の場合防水シートが入っていない住宅もあります。
もしも壁にひびが入って雨水が建物内部に入ってしまうと、著しく劣化が進んでしまう可能性も考えられるでしょう。
一度水が内部に触れてしまうと、補修する範囲も大きくなってしまうので気を付ける必要があります。

■DIYによるモルタル壁の塗装方法

・養生
塗装しない部分に養生シートを覆います。

・古い塗膜を剥がす
塗膜が剥がれかけている部分を綺麗に剥がしていきます。

・シーラー塗布
接着剤の役割を果たすシーラーを塗っていきます。

・パテ処理
パテを使って表面の段差やざらつきを綺麗に整えていきます。

・サンドペーパー処理
ヤスリ(サンドペーパー)で表面をさらに綺麗にしていきます。

・2回目のパテ処理とサンドペーパー処理
さらに仕上げを綺麗にするために同じ工程をもう1回行います。

・シーラー塗布
上塗りを密着させるためのシーラーを塗っていきます。

・上塗り
アクリル・ウレタン・フッ素・シリコンなどの上塗りを行います。

・乾燥させる

・2回目の上塗り
しっかり塗装が乾いたことを確認できたら、再び上塗り作業を行い、最後に養生シートを取れば完成です。

■DIYによるひび割れの補修方法

ひび割れ幅が1㎜以上になっている場合は、外壁の下地部分や構造部分にも影響を与えている可能性があるので、DIYによる補修作業はおすすめできません。
早めに専門業者に劣化診断してもらうことが先決となります。
では、DIYで補修できる0.3㎜以下のひび割れはどのような補修方法になるのでしょうか。

【ヘアークラックの補修方法について】

微細なセメントの粉を使って、ひび割れした部分に塗布していきます。
セメントの粉に適量の水を加えて定着させる方法と、扱いやすいシーリング材を使った補修方法もあります。

・チョーク式での補修方法
セメントチョークを手で塗っていく方法です。
材料を無駄なく使える一方で、ほど良い圧力を加えていかないとしっかり外壁に定着しづらいため、長時間の作業と体力が必要になるでしょう。

・シーリング材を使用した補修方法
シーリング材での補修は、必ず晴天時に作業することが必須です。
雨などで接着面が濡れていると、シーリング材がうまく接着しません。
前日の雨でも、作業前には補修する場所がしっかり乾いているか確認してから補修にとりかかりましょう。

補修方法の手順は以下の通りになります。

・補修箇所を綺麗に洗浄する
・養生テープを周辺に貼る
・下地材を塗っていく
・シーリング材を充填させる
・ヘラで形を整える
・養生テープを剥がし、完全にシーリング材が乾燥するまで待つ

■DIYで準備するもの

モルタル壁のひび割れ補修に使うものは、セメントチョーク、セメント粉、シーリング材、パテ、ヘラ、養生テープ、サンドペーパー、ローラー、シリコンアクリル塗料などがあります。
塗料方法によって費用金額は異なりますが、セメントチョークは1㎏で約200円、スプレー式のセメント粉は25㎏で約570円、シーリング材は330mlで約400円と手頃な価格です。
しかし、補修する範囲が広ければ大量の塗料が必要になってくるので費用も高くなるでしょう。
また、パテやヘラなどもそれほど高価格ではありませんが、塗装作業以外に使用できる用途が無いので不用品となってしまいます。

■DIYは行えるが、余計にコストがかかってしまうことも…

DIYは人件費がかからないため安く済むという長所がありますが、プロ並みの仕上がりは期待できません。
作業する上で問題がなければいいのですが、万が一失敗して結局業者に依頼することになってしまうと、追加工事料金がかかってしまい結果的に出費が多くなってしまう可能性もあるでしょう。
モルタル壁は防水性が弱いので、しっかりメンテナンスを行うことが重要です。
モルタルの下地塗装には、いくつかの工程があるため熟知した上で外壁塗装を行うか、外壁塗装業者に依頼することをおすすめします。

それぞれの施工方法とメンテナンス方法について

モルタルは表面に出すだけではなく、モルタルを下地として活用し外壁塗装を仕上げる方法もあります。
また、様々な仕上げ方法によって使っている素材も異なり、施工方法やメンテナンスも一つひとつで違いがみられます。
各仕上げ方法にはどのようなメンテナンスが適しているのでしょうか?
特徴も交えつつ、ご紹介していきます。

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■現場テラゾー仕上げ

変わった名前の仕上げ方法ですが、建物に高級感を出せるということで、近年とても人気の高い仕上げ方法です。
主にセメントと大理石や珊瑚石などの砕石を混練りして、固まった後に研磨・ツヤ出しによって仕上げていきます。
混練りさせる砕石は高品質な骨材を利用しているため、耐久性がかなり高く、防火性にも優れています。
また、砕石の種類によって様々な表情に作り変えることができ、幅広い用途で活躍できる仕上げです。

同じく砕石とセメントを混練りする「研ぎ出し仕上げ」というものもありますが、現場テラゾー仕上げとは異なるものです。
現場テラゾー仕上げの場合、中に入る砕石は15mm以上のものを使っており大きいのですが、研ぎ出し仕上げは5~12mmと小さい砕石を使っています。
中に入る砕石の大きさが違うだけで、砕石の持ち味がより強調されるようになり、高級感を生み出すポイントにもなっています。
ただし、砕石が大きい分塗りつける作業がとても手間で、研ぐ時の厚みも増します。
そのため研ぎ出し仕上げに比べると費用も高くなってしまうのです。

メンテナンスとしては、外壁に亀裂や剥離が起きないように、目地の区画を1m×1m以内にすることが効果的です。また、外壁の下地が木造だった場合、亀裂が起きそうなところには目地を入れておくと良いでしょう。
表面のツヤ出しをする時はワックスを薄めに塗ってからフェルトの布で擦り込んで完了です。

■研ぎ出し仕上げ

現場テラゾー仕上げの際に、研ぎ出し仕上げを比較対象として出しましたが、こちらも利用しやすい仕上げ方法の一つです。
研ぎ出し仕上げでは細かな砕石を混ぜ合わせたモルタルを、最終的に研いでいき、自然な風合いを演出した仕上げとなります。
職人が一つひとつを丁寧に仕上げに使用するモルタルを作ってくれるので、工場で生産されたようなものにはならず、深い味わいを生み出してくれるでしょう。
ちなみに研ぎ出し仕上げに関しても幅広い施工用途が特徴的です。

仕上げ方法としては、まず下地処理を行い、次にシーラー塗りや接着剤を塗布していきます。
続いて下塗り・中塗りでセメントモルタルを塗りつけ、あとは石の間になるべく隙間ができないよう、コテで上塗り材を塗りつけていきます。
乾燥させて硬化した外壁に研磨機やグラインダーを活用して荒研ぎし、少しずつ目の細かい研磨機を使って研いでいきます。
このように、塗るだけではなくさらに研ぎを行なっていかなくてはならないため、かなり手間暇をかけて作られていきます。
その分工期も伸びてしまう可能性があるため事前にどれくらいかかるものなのか、外壁塗装業者の方に相談してみましょう。

メンテナンスでは、乾燥収縮によるひび割れが発生する可能性があります。

■洗い出し仕上げ

洗い出し仕上げでは、砕石を練り込んだモルタルを上塗りするのですが、その後表面を水洗いすることによって砕石の質感を楽しめる仕上げ方法です。
洗い出し仕上げに利用される石は、御影石や大磯石、洗砂利、那智黒石、カナリヤ石、寒水石などが挙げられます。
このように砕石に使われる種類は実に多様で、しかも粒の大きさなども変えられるため、外壁に高級感を出したい方にもおすすめの仕上げとなっています。
骨材を使用しているためか、セメントよりも耐久性は高く、乾燥収縮によって起きやすいひび割れも、洗い出し仕上げならあまり気にしなくても済むでしょう。
さらに、防火性にも優れているため優秀な機能性も兼ね備えていると言えます。

洗い出しでは、コンクリートを下地にすることが多く、それ以外にラス下地が用いられることがあります。
下地処理を行なった後水荒いし、シーラーと接着剤を塗っておきます。
次に下塗り・中塗りでセメントモルタルを塗っていき、上塗りでは洗い出しをした後に骨材が表れるように伏せ込んでいきます。
上塗りの表面が硬化してきたらブラシで表面のノロを軽く取っていき、噴射器を使って洗い出しを行います。
洗い出しをすることによって表面へ徐々に上塗り時の骨材が表われてきます。
洗い出しが終わったら目地の角に気を付けながら目地棒を慎重に抜き取って完了となります。

メンテナンスを行う場合、乾燥収縮によってひび割れなどのトラブルが発生してしまう可能性もありますが、正確に目地入れができていればほとんどのひび割れを未然に防げるでしょう。
目地棒を設置する時は、できるだけ目地棒と目地棒の範囲を狭く設置しておけば浮きを防ぐことも可能です。

■ローラー仕上げ

上記でローラー仕上げのメリット・デメリットをご紹介してきましたが、仕上げ方法とメンテナンスについてもご紹介していきたいと思います。
ローラー仕上げを行う場合、「単層仕上げ塗り」と「複層仕上げ塗り」という2つの工法があります。
単層仕上げ塗りでは、材料を平面に塗れば完成するのではなく、工法的なテクニックとしてローラーを使い様々な表情を作ります。
複層仕上げ塗りでは中塗りの時点でローラーによるテクスチャーを形成し、ローラー仕上げならではの模様を付けることができるのです。
流れとしては、下地処理を行なった後シーラー塗りを行い、続いてセメント系の薄塗り材を塗布していきます。
ここまでが下塗りであり、続いて中塗りに入ります。
中塗りではローラーによる転圧で模様のパターンを付けていきます。
ここは職人の腕次第で、様々な模様に変化する工程と言えるでしょう。
あとはトップコートを塗布すれば完成です。
材料に関しては、ローラー仕上げ用の塗料を使用すれば問題ありませんが、場合によっては塗料を上塗りして発色性や耐久性を高めないといけない場合もあるので、使用する塗材にも注目しておきましょう。

メンテナンスとしては材料に含まれている骨材や顔料がうまく混ざっていない場合、色ムラなどが発生しやすくなってしまうため、外壁全体に塗るよりもまずは一部に試し塗りをしてから塗っていくようにしましょう。
また、当たり前のことではありますが、指定されている塗り量や仕上げ方法などを無理やり変えずに均一に塗ることを重視しましょう。

■掻き落とし仕上げ

掻き落とし仕上げとは、モルタルの表面の質感が独特なものになり、風合いを楽しめる仕上げ方法です。
掻き落とし仕上げにもいくつかの種類があり、例えば川砂を混ぜ合わせたモルタルを掻き落とし、少し粗目に仕上げたものや砂を混ぜ合わせて落ち着きのある雰囲気に仕上げたもの、また、表面をコテ引きしてからブラッシングを施すことで、まるで洗い出し仕上げのような質感に近くなるものなどが挙げられます。
掻き落とし仕上げはモルタルだけではなく珪藻土の表面をコテやブラシなどを使って掻き落とすことも可能です。
外壁にもよく利用されており、特に高級住宅に活用されることの多い仕上げ方法です。
落ち着きのある風合いが高級住宅にも適していると言えるでしょう。

施工する際は、下地処理を行なった後シーラーや接着剤を塗布し、セメントモルタルで下塗りすることに関しては他の仕上げ方法とあまり変わりありません。
下塗りを行なった後は上塗りとしてリシン材を塗りつけていきます。
リシン材はリシン吹き付けで使用されるもので、砂壁のような見た目に仕上げることができ、外壁塗装にもよく用いられているものです。
リシン材を塗った後は、硬化してきた頃を見計らってコテやブラシを使い、掻き落としていきます。

メンテナンスとしては、セメント系リシンを使用する場合、冬に白華現象、夏にはドライアウトなどの外壁トラブルに巻き込まれてしまう可能性もあるでしょう。
できるだけ雨水が壁面につかないようにするなど水対策が必要となります。

■モルタルで起こり得るトラブル

モルタルを使った仕上げ方法は数多く存在しますが、共通して起こり得る可能性の高いトラブルというものはあります。
モルタルを使った外壁をしっかりと維持させていくためにも、なるべくトラブルを早めに解消し、定期的にメンテナンスを行うことが重要です。
では、モルタルで起こり得るトラブルとはどのようなものが考えられるのでしょうか?

・クラック

クラックがモルタル外壁にあることで、中に雨水などが侵入してしまい、外壁の耐久性を低下させて劣化を早めてしまいます。
モルタル外壁の場合、骨材を含ませた仕上げ方法を活用していると乾燥によってクラックが生じることもありませんが、そうでない場合はクラックが発生する可能性も十分に考えられます。
クラックは構造的に早く修復した方が良いものと経過観察を行うものの2種類があるので、見分けられるようにしておきましょう。

・チョーキング

外壁塗装の表面を触った時に、なぜか白い粉が付着してしまうことがあります。
これをチョーキングといい、塗膜が劣化することによって発生してしまいます。
塗膜が劣化するということは、耐久性や防水性が失われている状態でもあるので、早めの対策が必要です。

・カビやコケ

モルタル外壁ではカビやコケが発生することはほとんどありません。
しかし、防水性能が下がってきているとカビやコケが発生する可能性があります。
カビやコケが発生してしまう前にメンテナンスを実施する必要がありますが、もしタイミングを逃してカビやコケがモルタル外壁に付いてしまった場合は、メンテナンス前に洗浄をして綺麗にしてからメンテナンスを実施するようにしましょう。

モルタルの中性化を防ぐ方法

モルタル壁が剥がれ落ちている、ひび割れているといった症状はありませんか?
このような劣化は中性化が起きている可能性があります。
放置すると建物の基礎にも悪影響をもたらす可能性があるので、モルタル壁の劣化を見つけたら早い段階で修繕や外壁塗装が求められます。
そもそも中性化とは何なのか、モルタルの中性化を防ぐ方法などと共にご紹介しましょう。

■モルタルの中性化とは?

モルタルはセメントと砂、水を練り混ぜてつくられており、セメントはアルカリ性の性質を持ちます。
しかし、モルタル内部に紫外線や雨の影響で二酸化炭素が入り込むと、モルタルのカルシウム化合物と炭酸化反応を起こすことで、モルタルがアルカリ性から中性へ傾いてしまいます。
この現象を中性化と呼び、中性化が進むと建物を支える鉄筋にさびたり、膨張したり劣化が起き、さらにモルタル壁のひび割れや剥がれ落ちる確率が高くなるのです。
劣化したモルタル壁に雨水が浸入すれば内部の劣化もますます進み、建物全体が被害を受ける可能性もあります。
建物内部の劣化は家の老朽化が早く進んだり、基礎の強度が弱まり耐震性が失われたり、倒壊しやすくなるので中性化の放置は危険です。

■中性化の進行度について

中性化の放置は避けたいものですが、進行しているか判断できるのか気になる方もいらっしゃるでしょう。
進行度の目安をご紹介するので、モルタル壁に異常がないか確認してみてください。

・ひび割れ
中性化の初期症状はモルタル壁のひび割れです。
ひび割れは鉄筋部分の膨張によって生じるため、中性化の影響を受けている可能性があります。

・下地の剥がれ落ち
ひび割れが悪化するとモルタルの下地が剥がれ落ちるので、剥がれ落ちがないか確認してみましょう。

・モルタル壁の剥がれ落ち
下地の剥がれ落ちが進行するとモルタル自体が剥がれ落ちてくる深刻な状態になってしまいます。
ここまでの進行は建物の劣化スピードも速くなるので、ここまでにならないよう早めに対処しておきましょう。

このような進行度が中性化にはありますが、このような劣化が中性化以外でも引き起こることがあるので、素人では的確な判断が難しいと言えます。
モルタル壁の劣化を発見したら外壁塗装業者に相談し、中性化試験などで確認と補修をしてもらいましょう。

■中性化が起きやすい地域はあるのか

モルタルの中性化は全国で発生していますが、中でも発生しやすい地域があると研究結果があります。
中性化しやすい地域は以下の傾向がみられます。

・日本列島の北に進むほど中性化が少なく、南の地方は中性化や進行しやすい
・太平洋側と日本海側を比較すると太平洋側の方が進行しやすい
・東京や大阪、横浜といった大都市は周辺地域よりも中性化が早く進行しやすい

このような条件だとモルタルの中性化が起きやすいようです。
他にも高温多湿の地域や海岸側で塩分が飛来しやすい地域、融雪剤を使用する地域も発生しやすいと言われています。
これらの条件に満たさなくても中性化するリスクはあるので、定期的に劣化状態の確認を行いましょう。

■中性化は外壁塗装で防ぐ

モルタルの中性化は二酸化炭素が侵入して起きるものですが、進行してしまう理由が存在します。
外壁は年中日差しや雨風にさらされているため、モルタル壁に塗っている塗料の塗膜が劣化してしまいます。
新築や塗り替え直後は塗膜によってモルタル壁が保護されていますが、塗膜が劣化すればバリア機能が失われるため、紫外線や雨が直接モルタルに触れて劣化してしまうのです。
外壁が劣化すれば中に二酸化炭素や雨水が浸入しやすくなり、内部から中性化や腐食などが進行してしまいます。
塗膜の劣化は他にも塗料の色褪せや汚れやすくなる、カビやコケが生えるなど美観や他の性能にも悪影響を与えるので、耐用年数や壁の美観に合わせて外壁塗装をすることが最善の予防策です。

■中性化を直す方法とは?

モルタル壁が中性化してしまった場合、直ちに補修が必要です。
進行段階によって適切な補修方法が異なるので、どのような方法があるかご紹介しましょう。

・初期段階の補修方法
中性化が鉄筋部分まで進行していない、ひび割れが発生している初期段階は塗装やひび割れ補修での対処が一般的です。
塗装は中性化の原因である大気中の二酸化炭素を遮断するために行う補修で、下塗剤と仕上げ剤を塗布してモルタル壁を保護します。
ひび割れが起きている場合はセメント系やポリマーセメント系の補修材を注入し、ひび割れを閉塞して中性化を防ぎます。

・中期段階・深刻化している場合の補修方法
鉄筋部分に進行がみられる場合、モルタル自体をアルカリ性に戻す必要があります。
浮きや剥がれ落ち、鉄筋がむきだしている部分をセメントなどで埋めていく断面修復工法が一般的です。
断面部分から中性化が進むので、断面部分を修復することで進行速度を下げることが可能です。
断面修復工法では部分的に修復することもあれば、全面を修復することもあります。
アルカリ性に戻す工法として、アルカリ性溶液と電極を使用し、2週間ほど電流を流してアルカリ性溶液を浸透させる方法もあります。
壁の一部を壊さないメリットがあるものの、実績が少ないので検討する際は注意しましょう。

モルタルを施工する際の注意点

モルタルは、セメントと砂、水を練ってつくられたものです。
レンガや石、タイルなどの接着用として使われることが多いのですが、外壁塗装にも使われています。
セメントが含まれていることで非常に頑丈なイメージがありますが、実はモルタル自体の防水性能は低いので、外壁塗装することで防水性を持たせていると言っても良いでしょう。
ここでは、モルタルを使って施工する際の基礎知識や注意点について解説していきます

■モルタルの凍害に気をつけよう

冬季にモルタルで施工する際に、凍害などの現象が発生する場合があります。
モルタルが凍った場合はすぐに表面脆弱部の除去をして、下地調整を速やかに行ってください。
除去した際は、施工面の吸水が激しくなる可能性があるので、NSハイフレックスHF-1000(原液1:清水4)などを用いて吸水調整するようにしましょう。
もしも塗布した吸水調整材まで凍ってしまった場合は、凍った吸水調整合材を取り除いてから採暖し、表面温度を上げるようにしてください。
躯体の温度が安定したら、再びモルタルで施工します。

■凍害や凍結を予防するには

NSハイフレックスHF-1000が容器の中で凍ってしまうとスポンジ状の塊ができてしまい、かき混ぜても分離状態になりすぐに使用できません。
常温でゆっくり解かし元の状態に戻れば使用できますが、そうならないためにはできるだけ適温が保てる室内に保管しておくようにしましょう。
また、モルタルに含まれている水は0℃になると凍ってしまいます。
施工時は0℃以上でも乾燥硬化させるまでの間に0℃以下になってしまえば凍結する恐れがあります。
そのためモルタル製品のカタログには、気温が3℃以下になる場合は施工をしないよう記載されていることが多いです。
冷えきった外壁は徐々に温度が上がるため、気温が上がったからといってすぐに施工できるとは限りません。
慌てずきちんと最適な温度になるまで待ってから施工するようにしてください。
冬の寒さが厳しい北海道や東北地方、信越地方などの寒冷地では、外壁温度やその周辺の気温を下げないための対策として温風機を使用することもあります。
筒状のビニールシートを用いて施工箇所全体に温かい空気を送るなど工夫しているところもあるようです。

■モルタルがなかなか固まらない…硬化遅延について

寒い時期にモルタルの施工をすると、硬化時間を長く設けてもなかなか固まらないといった状況に陥ることがあります。
現状では硬化するのを地道に待つしかないと言われていますが、施工後に毛布などをかけて凍結しないよう対処するところもあるようです。
できるだけ早く硬化を促すことで強度が増すとも言われているので、硬化遅延対策は非常に重要なポイントになってきます。
室内の場合は、ジェットヒーターを導入し採暖をとってモルタルを硬化させる方法もありますが、施工箇所に直接温風をあててしまうと、急激な乾燥によってひび割れが生じることがあるので注意してください。
温風は上に向かって流れていく性質があるのでジェットヒーターを利用する際は、十分な換気を行った上、部屋全体が温まるよう空気を循環させるようにしましょう。

■温度によって違いが見られるモルタルの強度

モルタルの強度発現時間は、温度に依存することはご存知でしょうか。
冬季は夏季と比べて倍以上の養生期間が必要になり、冬季の強度発現率は14日間です。
このことから前もって養生期間に合わせて工程を踏んでいくことも重要になってきます。
次の工程の早期施工を実現させるために、速硬型のモルタルを使用するのも一つの方法と言えるでしょう。
NSユカモルHやNSニューハイレベラーQ、NSベランダコートQ、NSドカモルハードQなどがこれに該当します。

■モルタル硬化促進剤を使用する

モルタルを凍結や亀裂を予防したり、硬化を早強するためにモルタル硬化促進剤を使用する方法があります。
ハイクリートという製品は、モルタルに添加することで冬季の塗り付けから仕上げ抑えまでの時間を4~6時間まで短縮することが可能です。
作業時間を大幅に短縮できるので作業効率もアップするでしょう。
硬化促進だけでなく浮水が少なくなることで骨材分離も出にくくなるで、ハイクリートはモルタル混練に投入し混入してから施工します。
ハイクリートを加えた後は、水を加えずそのまま練ってください。
多少絞まったような感覚になりますが、そのまま練り続けていくと柔らかい状態に戻ります。
混練後は、できるだけ早く施工し1時間以内に使用するようにしましょう。
保管する場合は、乾燥した場所を選び開封したらその日中に使いきります。
ハイクリートの他にも、急結や早強、クラックに強いプラスエイドもまた施工に役立つ早結用混和剤です。
水引が早くなるのでコテおさえもスムーズにでき、綺麗な仕上がりも期待できます。
プラスエイドは、モルタルだけでなくタイル下地や生コン打設などの用途としても使用可能です。
施工場所の気温や湿度、施工条件によって多少誤差が出ますが、通常のモルタル仕上げよしも3~4時間硬化を早めることができるでしょう。

モルタルの劣化を診断する方法

モルタル仕上げの外壁である場合、長年住んでいると劣化が目立つこともあります。
モルタル仕上げの劣化具合を調査したいと考えた場合には、自分では確認することが難しいので、専門の業者に依頼する必要があります。
そこで、どういった調査が行われていくのか、業者が調査するモルタル仕上げの劣化調査の診断方法について解説していきましょう。

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■劣化診断は2回に分けて行う

モルタル仕上げの劣化診断を行う場合、設計図書や施工記録などの調査のほか、居住者や管理者へのヒアリング、外観の目視検査、指触での調査を行う事前調査を行ったあとに打診による調査や器具を使用しての調査、破壊検査などの本調査が行われます。
事前調査の呼び方については業者によって違いがあり、書類調査や一次調査、外観目視調査などとも呼ばれます。
本調査については二次調査や詳細調査とも呼ばれるでしょう。
事前調査は、本調査が必要であるかを判断するだけではなく、本調査の要点を把握するためには欠かせない調査で、本調査に関しては事前調査の結果に基づいて行われ、劣化の程度を詳しく調査するとともに最適な改修方法の選定を行います。
そのため、事前調査で問題がなければ点検を継続的に行うことで劣化を判断することができるので、本調査を行わずに済む可能性もあるのです。

■事前調査の内容について

事前調査では建物の劣化の有無を目視や指触によって判断していきます。
どういった調査の内容になるのか確認していきましょう。

・汚れ
モルタル仕上げに汚れがあvるか目視で隅々まで確認していきます。
その際にはコケやカビが生えていないかも、しっかり判断していきます。

・変退色
モルタルの劣化によって変色や退色している箇所がないか目視で確認します。

・光沢度の低下
時間の経過によってモルタルの光沢は失われてしまうので、目視によって観察していきます。

・白亜化
チョーキング現象とも呼ばれる現象で、紫外線や熱、風や雨によって表面が劣化し、塗装がチョークのように白い粉状になることを言います。
目視でも判断できますが、実際に外壁を触ることで手に白い粉が付着するので、白亜化していないか指触で判断します。

・磨耗
磨耗とは、すり減ることを意味します。
モルタル仕上げが何かと接触したことで、すり減りが起きていないかを目視や指触によって確認していきます。

・エフロレッセンス
白華とも呼ばれる現象でモルタル内の水酸化カルシウムが雨水などによって溶けてクラック部分から滲み出て空気中に含まれる炭酸ガスと反応し、炭酸カルシウムとなりモルタル部分が白く変色する現象となります。
目視や指触で有無を判断していきます。

・ふくれ
仕上げ塗材にふくれがないか、目視と指触で確認します。

・剥がれ
仕上げ塗材が剥がれを起こしていないかを目視と指触で判断します。

・ひび割れやサビ
ひび割れやサビを起こしていないかを目視によって確認します。

・モルタル層の浮きや欠損
モルタル層に浮や欠けがないかを目視と指触で判断します。

上記のほか、設計図や施工記録、改修工事の記録を調べ、劣化部分の位置や数、面積を調査して記録していきます。
そして、調査の結果判定を行い、本調査が必要かを判断します。

■本調査の内容について

事前調査で本調査の必要があると判断された場合には、劣化原因の特定を行うために本調査が行われます。
それぞれの調査の内容や方法について解説していきましょう。

・ふくれ
仕上げ塗材にふくれがある場合には、ふくれの位置を図面に記入するだけではなく面積を測定します。
また、劣化している部分を除去してふくれがどの部分から生じているのか調査します。

・剥がれ
仕上げ塗材に剥がれがある場合、ふくれと同様に調査を行います。

・モルタル層の浮きや欠損
浮きが生じていると考えられる部分は、道具を使用して実際に浮きがあるか確認します。
木槌や打診用のハンマーで叩くことで、浮きがあれば太鼓のような打診音がするので、すぐに判断できます。
また、硬化状態の調査も行います。
劣化している場合には、釘や鉛筆を使用して擦ることでボロボロと崩れます。
浮きや欠損が生じている部分がモルタルの上塗りなのか下塗り部分まで到達しているのかもしっかりと判断します。

・ひび割れ
ひび割れの特徴や形状によって原因を調べることも可能です。
クラックスケールを使用してひび割れの幅を測定し、幅が0.3mm以上であれば下地まで調査します。

・錆び
錆びがどの部分から発生しているのかを調べるために、モルタルを削って下地まで調査することがあります。
取り付けてある金物から錆びが付着した場合は汚れとして扱われます。

本調査の結果によって、劣化の原因を判断し工法の選定を行います。
専門家による調査が必要な場合は依頼し、詳しい結果を判断してもらうこともあります。

このように、モルタルの劣化を判断するためには多くの項目を調査しなければいけません。
専用の道具を使用することもあり、素人では判断がつかないことも多いので、モルタルの劣化が気になる際には専門の業者に依頼をして、しっかりと調査をしてもらい、どのような改修が必要なのか判断してもらいましょう。

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