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サイディング

サイディング

外壁素材には様々な種類がありますが、皆さんは「サイディング」というものをご存知でしょうか?
実はサイディングというのは現在の新築戸建によく使用されており、その使用率はおよそ80%以上にも及んでいます。
では、そんなサイディングとは一体どういったものなのか、さらにサイディングのメリット・デメリットをご紹介します。

サイディングって何?

そもそもサイディングとはどういったものかというと、外壁表面を覆う外壁素材の一つで、セメント質のものと繊維質なものを主に原料としており、サイディングを壁に貼ることによって外装を守っていきます。
外壁にパネルを貼り付けていくためパネルとパネルの間に細かな隙間も出てきてしまうのですが、その隙間にシーリング材を詰めて雨水などが侵入しないようにします。
また、サイディングを行った後から外壁塗装をすることによって、サイディングやシーリングの寿命を延ばしたり、保護に役立てられるのです。

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■サイディングの種類と特徴

サイディングの中にも種類があり、それぞれ特徴などが変わってきます。

・窯業系(ようぎょうけい)サイディング

日本で一番戸建てで使用されていることが多いと言われている窯業系サイディングは、名前の通り窯で作られたサイディングボードを指します。
ただ、現在では窯業以外で作られているもの以外にも窯業系と言われているものもあります。
ではどうして窯業で作られていないにも関わらず窯業系サイディングと言われているかと言うと、材料は同じものを使用しているためです。
セメントに繊維質、混和剤を入れて混ぜ、窯業系サイディングは完成します。
コンクリートの強度を保つ石や砂利は入っていないものの、その分繊維質が加えられているので、強度はきちんと保たれています。
また、窯業系は他のサイディング素材と異なり加工しやすいという特徴を持っています。
例えばレンガ風やタイル風に見せることもできるので、色んな外壁の模様にすることが可能です。

・金属系(きんぞくけい)サイディング

金属系サイディングは、金属を主成分にエンボス加工を施し、さらに裏には断熱材を取り付けたものを言います。
金属はスチールやアルミなどを主に使用しており、その素材によって価格も変わってきます。
基本的にはスチールの方が安いと言われています。
そんな金属サイディングですが、窯業系などと比べて重さが非常に軽いという特徴を持っています。
見た目のかっこよさなどはあるものの、金属で出来ているので錆びてしまうなど、定期的にメンテナンスを行う必要も出てきます。

・木質系(もくしつけい)サイディング

木質系サイディングは、木材を使用しているサイディングボードです。
外観がまるでログハウスのような雰囲気になることからとても注目されているサイディングと言えます。
ただ弱点として、全て本物の木材を使用していることから、とても高額になってしまいますし、メンテナンスもしっかりと行わなくてはいけません。

・樹脂系(じゅしけい)サイディング

樹脂系サイディングは日本ではあまり使用率も高くないですが、海外ではとても普及しているサイディングです。 塩化ビニールなどの樹脂を用いて作っており、水道用のパイプと同じくらい強度はとても強くなっています。 樹脂で作られているため、腐食やひび割れなどは起こしにくく、さらに燃えづらいので万が一のことが起こったとしても安全です。

サイディングには、このように様々な種類があり、使われている主な成分の違いによってそれぞれの特徴が違ってきます。 外壁塗装という部分でも、サイディングというのは素材によってやりやすいものやそうでないものもあります。

サイディングのメリット・デメリット

次にサイディングのメリットとデメリットを見ていきましょう。 こちらでは主に日本の住宅で多く利用されている窯業系サイディングのメリット・デメリットについてご紹介していきます。

■窯業系サイディングのメリット

・見た目のバリエーションが豊富
窯業系サイディングのメリットは何と言ってもバリエーションの豊富さにあります。
家の外観は人間の第一印象のようなもので、キレイに見せたい方や珍しい柄を使うことで他人と差をつけた外壁にしたいという考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、そのような方でも満足できるような柄やキレイに見せる外壁は窯業サイディングがおすすめと言えるでしょう。

・耐火性に優れ、火事が起こった時も安心
万が一火事が起きてしまった時でも、耐火性に優れているので安心です。
これは、窯業系サイディングがセメントなどで作られているためで、他の木質系などに比べると耐火性は高い方だと言えます。

・品質も安定しており、コスパが優秀
窯業系サイディングだと工場で製造していることもあって安定した品質のものが手に入り、しかも比較的価格は安い方なのでコストパフォーマンスも優秀です。
低価格で品質の良いものを選びたいという方は、窯業系サイディングを選んだ方が良いでしょう。

・施工しやすく工期も早く終わる
業者は扱いやすく、しかも他の外壁でも経験していることが多い窯業系サイディングの施工であれば早く作業を終わらせてくれます。
他の外壁よりも工期を早く終わらせることも可能なので、さらに工事費用を抑えることができます。

■窯業系サイディングのデメリット

・熱を吸収しやすい
窯業系サイディングは熱を吸収しやすく、真夏になると外壁の表面温度は60度以上になっていることもあります。
外壁の温度が高いと夜の気温差によって家が膨張と収縮を繰り返し、ひび割れの要因につながることや、家の中の温度も高くなりやすくエアコンの使用が増えるため電気代が増えるなどの様々な問題点が出てきてしまいます。
ただし、これは断熱材の使用や断熱・遮熱用塗料を使うことによって改善される場合があります。

・防水性能がなく、吸水性が高い
窯業系サイディング自体には防水性能は備わっておらず、逆に吸水性が高いです。
外壁塗装によって防水機能を付け足すことができるのですが、その塗料の塗膜が経年劣化などにより剥がれてきてしまうと、防水機能が弱まってきてしまい水がサイディングの中に侵入し、そして気温の変化による膨張などによって変形やひび割れを起こしてしまう可能性があります。

・シーリングのメンテナンスも行う必要がある
シーリングとは、ボード同士をつないでいるゴムのような素材のことで、ボードの間に接着剤のような形で付けられています。
モルタルのような1枚壁には無いのですが、サイディングは何枚ものボードを貼り付けているため、シーリングはとても重要なものとなります。
しかし、このシーリングもボードのように経年劣化をしてしまい、その劣化が原因となって水の侵入を許してしまい、ひび割れなどの要因となってしまいます。
そのため、日頃から外壁の壁部分だけではなく、シーリング部分もチェックしなくてはなりません。

デメリットは気を付けていれば起こらない可能性もあるので、定期的なメンテナンスはしっかりと行うようにしましょう。
外壁塗装も最初に塗装してからどれくらい時間が経ったか、塗料の寿命期間はどうなのかを調べてみて、もしも既に塗料の寿命期間を過ぎていたら早めに外壁塗装のプロへ相談してみると良いです。

サイディングは他の外壁素材とどう違う?

サイディングの他にも外壁素材には様々なものがあります。
サイディングと比べて何が違うのか、性能にどんな差があるのか、またそれぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。

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■モルタル外壁について

モルタル外壁とは昔から利用されてきた外壁素材で、セメントに砂と水を混ぜたものをモルタルと言います。
現在はサイディングが主流となっていますが、昔はモルタル外壁の家が多くみられ、現在でもモルタル外壁のお家は多く残っています。
そんなモルタル外壁はラスという網状の金物の上にモルタルを左官で塗り込み、その上に塗装をかけると出来上がります。

サイディングと異なる点としては、オリジナリティ溢れる外壁にすることができるという点です。
サイディングというものは既に出来上がっているサンプルの中から、自分の好きな色と柄を選び、外壁として貼り付ければ完成なのですが、一方でモルタルの場合はサイディングよりも自由度が高く、例えば固まる前に波模様を付けたり、タイルを貼ったりするなど、自分が本当にしたい外壁にすることができます。
また、モルタル外壁は何枚ものボードを貼り合わせるサイディングとは違い、貼り付けずにそのまま左官で塗り込んでいくため、シーリング部分が存在しません。
シーリングが存在しないということは、シーリングの劣化を気にする必要もないのです。

モルタル外壁のメリットとしては、先程にも上げたオリジナリティ溢れる外観にできることやシーリング部分の劣化を気にする必要がないという点の他に、耐久性に優れているという点が挙げられます。
ただし、デメリットも存在しています。
例えばモルタルはサイディングと同じように防水機能を持っておらず、外壁塗装に防水を頼っているところがあります。
そのため塗膜が剥がれてしまうとひび割れなどの原因となってしまうのです。
こういった理由と、あとはモルタル外壁は必ずと言っていいほどひび割れをしやすい素材です。
定期的に外壁をチェックしておく必要があります。

■ALC外壁について

ALC外壁は、軽量気泡コンクリートを素材としている外壁で、「Autoclaved Light weight aerated Concrete」の略称を言います。
この素材は様々な性能を持っており、コンクリートならではの耐火性の強さだけではなく、耐久性や耐震性、断熱性にも優れています。
また、名前の通り通常のコンクリートに比べて軽量というところも見逃せないポイントです。
主にヘーベルハウスがこの外壁を採用しているのでしっかりとノウハウを持ち合わせているのですが、工務店などでALC外壁の経験や知識が豊富ではないところに依頼してしまうと、メンテナンスによって多額の費用がかかってしまう恐れもあります。

サイディングと異なる点は、やはり重さと言えます。
ALC外壁の場合、耐久性がありながら素材の重さは軽いため、耐震性に優れていると言えますが、サイディングは多少の耐震性はあるもののALCの耐震性能と比べるとだいぶ違ってきます。
また、サイディングは戸建て住居によく使用されることが多いのですが、ALCの場合、主に高層ビルや新幹線、公共施設などで使用されていることが多い外壁素材です。

性能の良さがメリットと言えるのですが、デメリットとしては表面強度が弱いという点が挙げられます。
サイディングであればビクともしないような衝撃力であっても、ALCだと傷が付いてしまったり欠けてしまうこともあります。
これは気泡があることによって軽さだけではなく、吸水性も高くなってしまい、水が入ってひび割れや欠けてしまうことが多くなるという原因につながって表れてしまうものです。
さらに吸水性が高いだけではなく防水性も無いので、外壁塗装で補うしかありません。

サイディングの耐用年数と、それを過ぎるとどんな症状が出てくる?

■サイディングの耐用年数

耐久性に優れているサイディングですが、基材には吸水性があるため、塗膜によって防水機能が補われています。
なので、建物の寿命を縮めないためにも、塗膜やサイディングボードの劣化はすぐに補修することが必要です。
そして、サイディングの種類よって耐用年数は変わってきます。

・窯業系サイディングの耐用年数
外壁としてよく使われている窯業系サイディングの耐用年数は、約7~8年です。
劣化としての主な症状はボードとボードの継ぎ目である目地シーリングのひび割れ、ボードの反り、チョーキングになります。

・木質系サイディングの耐用年数
天然木を塗装している木質系サイディングの耐用年数は約10年です。
天然素材なので火に弱いのはもちろん、水が弱点になります。
塗膜が劣化してしまうと、経年で木が腐ってしまう可能性があるので、定期的なメンテナンスが必要です。

・樹脂系サイディングの耐用年数
撥水性が高く寒冷地方で普及している樹脂系サイディングの耐用年数は約10~20年と、他の種類と比べても耐用性が高いです。
ほぼメンテナンスが必要はありませんが、破損した場合はその部分の張替えは必要となります。。

・金属系サイディングの耐用年数
ひび割れや凍害の影響に強い金属系サイディングの耐用年数は、約10~15年になります。
劣化の症状はチョーキングや旧塗膜の浮き剥がれ、また素材によって異なり、スチール素材の場合は錆、アルミ素材は傷付きやすいことです。
錆にも2種類あり、ジョイント部では赤錆、ボード全体にはザラザラした特徴の白錆があります。

■耐用年数経過で起きてしまう症状

耐用年数を過ぎると劣化が進み、家の構造に大きな影響を与えてしまうので、耐用年数を目安に補修が必要です。
では、サイディングの主な症状をご説明します。

・目地シーリングのひび割れ
目地シーリングとは、ボードとボードの繋ぎ目のことであり、サイディングの劣化では特に多い症状です。
紫外線が当たりやすい部分に、この症状が起こりやすいと言われています。
目地シーリングがひび割れると、雨漏りやカビ、苔などが外壁や内壁にしみこみ、家を傷める原因となってしまうので、早めの対処が必要です。

・ボードのひび割れの影響
年数が経つとボードに見えないひび割れが起きてしまいます。
特に寒冷地域は小さなひびに水分が入り込んでしまうと、凍ってしまい体積が増えてボードのひびが悪化してしまうケースがあり、耐久性が落ちてしまったり、雨漏りなどの原因のもなるので、ひび割れはすぐに補修しましょう。

・ボードの反り
この症状は、ボードが手前に反りだしている状態です。
反りは経年劣化や、異常な温度上昇や入り込んだ水が凍結など気候によって起こる場合があります。
経年劣化であれば釘などの調節で補修する必要がありますが、無理やり行うとボードのひび割れに繋がるので専門業者に補修を頼みましょう。

・色褪せとチョーキング
サイディングは埃の付着など汚れによって色褪せやくなってしまいます。
色褪せが悪化してしまうと張り直しになってしまうので、軽い色褪せのうちに再塗装した方が良いでしょう。
また、外壁材に触った時に白い粉が付着する時があります。
これは紫外線や雨風によって表面樹脂が劣化し、塗料がチョークのように白い粉状になったもので、これがチョーキングです。
この症状が現れた場合は再塗装のサインであるので、早めに再塗料しましょう。
外壁洗浄の際はこの粉を落とさないと、塗膜剥がれの原因となるので注意です。

サイディングのリフォーム方法

前項で紹介したように、いくら耐久性に優れているサイディングであっても塗膜やサイディングボードが劣化してしまうことでリフォームが必要となる場合があります。
サイディングにひび割れや反り、色褪せ、チョーキングなどの症状が見られる場合はリフォームを検討してみましょう。
ただ、サイディングのリフォームと一口に言っても様々な種類があります。
どのような方法でサイディングをリフォームするのか、一つずつ確認していきましょう。

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■塗装でのリフォーム

まずは塗装でのリフォームについてご紹介していきます。
塗装でのリフォームでは、まず外壁下地に異常がないかを調べてから塗装作業に入ります。
張り替えに比べると費用も掛からないので気軽にリフォームすることができます。
では、サイディングボードの種類ごとに塗装でのリフォームを行うと費用はどの程度かかるのか、目安を見ていきましょう。

・窯業系サイディング
窯業系サイディングの場合、劣化していくと色褪せが発生しやすくなり、さらにシーリングの劣化も見られるようになります。
塗装リフォームを行う場合は塗料によっても価格は異なりますが、目安として80~150万円程度かかると言えるでしょう。

・金属系サイディング
金属系サイディングの場合、劣化していくと色褪せやチョーキングなどが発生してしまいます。
また、金属系なので錆や腐食が発生してしまう可能性もあります。
塗装リフォームを行う場合、金属系サイディングでよく見られる白錆が既に発生しているというケースではその錆を除去する必要もあるので、100~170万円程度必要となってくるでしょう。

・樹脂系サイディング
樹脂系サイディングの場合、メンテナンスもあまり必要なく定期的に塗装リフォームを行う必要もありません。
シーリングも使われていないため、シーリングのメンテナンスも不要です。
メンテナンスではなく外壁の色を変えたいという理由で塗装する場合には、80~150万円程度が目安となります。

・木質系サイディング
木質系サイディングの場合、劣化していくと色褪せや亀裂などが生じてしまう可能性があります。
特に、塗膜が劣化してしまうとこうした現象が起きやすくなってしまうので、塗膜が劣化したらなるべく早めに塗装でのリフォームを実施するようにしましょう。
塗装リフォームを行う場合は、50~100万円程度かかります。

【塗装でのリフォームで注意すべきポイント】

それぞれのサイディングボードごとの目安費用を紹介しましたが、実際に塗装でのリフォームを行う場合にはいくつか注意すべきポイントも存在します。
どのような注意点があるのか確認してみてください。

・弾性塗料は使用することができない

外壁塗装で使われる塗料には様々な種類があり、中には機能性に富んだ塗料もあります。
弾性塗料というと一般的な塗料とは異なり、硬化剤を加えることで伸びる性質を持たせた塗料になります。
伸びる性質が加わることで通常の塗膜だとひび割れが発生しやすかった場所が、塗膜の伸びる性質によって柔軟に対応しひび割れが発生しにくくなるのです。
このような性質を持っているので、サイディング塗装にも利用したいと考える方もいらっしゃるかと思いますが、サイディング塗装に弾性塗料を使うことはできません。
なぜ使うことができないかというと、サイディングに弾性塗料を使うことで塗膜の膨れが生じてしまう可能性があるためです。
サイディングはモルタルなどの外壁とは異なり、熱を吸収すると溜め込みやすいという性質を持っています。
熱を溜め込みやすいということは、サイディング自体の温度も高くなりやすく、弾性塗料を塗ってしまうとその熱によって塗膜が膨れてしまう場合があるのです。
通常の外壁塗料であればそのような膨れも生じないのですが、弾性塗料の性質故に膨れが発生してしまいます。
ですから、サイディングには弾性塗料が使われません。

・直張り工法か通気工法かをチェックする

サイディングには「直張り工法」と「通気工法」という2つの工法が存在します。
直張り工法の場合、柱とサイディングの間は透湿防水シートとわずかな隙間のみであり、十分な乾燥や排水ができない状態になっています。
通気工法だと柱とサイディングの間に透湿防水シートだけではなく通気用の胴縁が設けられていて、通気層から排水や湿気を乾燥させてくれます。
直張り工法の場合、水分が入り込んでしまうとなかなか乾燥することができず、サイディング自体を湿らせてしまう可能性があります。
日光によって塗膜が柔らかくなるのと同時に、サイディングに含まれている水分が蒸発することで塗膜が押し上げられ塗膜の膨れや剥がれを発生させてしまうのです。
そのため、直張り工法の場合塗装でのリフォームを行なっても短期間で再び塗膜が剥がれてしまう可能性が高いので、できれば塗装ではなく張り替えでのリフォームを検討してみましょう。
なお、通気工法であれば問題なく外壁塗装することができます。

・クリヤー塗料は劣化があまり進行していない時に使用する

サイディングの場合、他の外壁と違ってボードに模様が入っており、塗装でのリフォームを行う時もできるだけサイディングの模様はそのままにリフォームしてほしいと考える方もいらっしゃるかと思います。
このような場合はクリヤー塗料を活用することで、サイディングの模様をそのままに塗装することが可能です。
クリヤー塗料の場合、塗っても透明になるためサイディングの模様を見せつつ塗膜でしっかりとカバーした状態にすることができます。
ただ、サイディングが劣化している状態でクリヤー塗料を塗っても、劣化した部分がそのまま見えてしまうということはもちろん、塗膜がしっかりと付着しない可能性も出てしまい、剥がれの要因につながる恐れもあります。
そのため、クリヤー塗料を使って塗装リフォームを行う場合は、なるべくサイディングの耐用年数よりも早く塗装リフォームを検討した方が良いでしょう。

サイディングも塗装でのリフォームは可能ですが、注意すべきポイントは上記のようにいくつか存在します。
自宅に使用されているサイディングの工法はどんなものなのか、劣化はどれくらい進んでいるのかなどを塗装リフォームを行う前にチェックしてみましょう。

■張り替えでのリフォーム

サイディングのリフォーム方法には塗り替え以外にも張り替えによるリフォームがあります。
この張り替えによるリフォームには、重ね張り工法と張り替え工法の2種類があるので、それぞれの工法や施工工程、メリット・デメリットについてご紹介しましょう。

【重ね張り工法について】

重ね張り工法とは既存のサイディングの上から、新規のサイディングを貼っていくリフォーム工法です。
塗料でのリフォームと同じく、外壁下地に大きな異常がない場合に行われており、下地のひび割れや錆などをカバーすることができます。
新しいサイディングを上から重ねて張る工法なので、外壁に重量が掛かってしまうため軽量のものを選ぶ必要があります。
サイディングには窯業や金属、木材など様々な材質がありますが、重ね張り工法は金属サイディングに採用されるケースが多いです。

【重ね張り工法の工程】

重ね張り工法はどんな流れで施工されていくのか、簡単に工程をご紹介しましょう。

①まずは仮説足場を組み、外壁に雨漏りが生じていないか散水調査から始めます。
②雨漏りの箇所を特定し、下地材に腐食などがみられれば補修や交換します。
③防水性を高めるためにシーリングの充填し、雨漏りや結露防止に防水シートの張りつけと、胴縁という下地材を取りつけます。
④下地処理が完了したら既存のサイディングの上から新規のサイディングを取りつけます。
⑤窓サッシが外壁よりもへこむ時は必要に応じて身切り材を取りつけ、養生テープを貼った状態で防水性強化のために、サイディングのつなぎ目にシーリングを打って完工です。

【重ね張り工法のメリット】

重ね張り工法は大がかりな工事が不要ですが、具体的にどんなメリットがある工法なのかみていきましょう。

・撤去費用がかからない
重ね張り工法では既存のサイディングを外す必要がないので、撤去にかかる費用や廃材処分の費用がかからないメリットがあります。

・騒音や粉塵が最小限
大がかりの工事は騒音や粉塵が気になりますが、既存のサイディングを撤去する必要がないので工事で発生する騒音や粉塵を最小限に留めることが可能です。

・重圧感が増す
現状の外壁の上にそのまま張っていくため、建物が一回り大きく感じ、重圧感が増した印象になるでしょう。

・耐震性や耐久性が上がる
外壁が二重になるため、以前よりも耐震性や耐火性のアップに期待できます。
また、他にも高機能サイディングも増えているので断熱、遮音、汚れ落ち効果のアップし、住宅をしっかり保護してくれるでしょう。

【重ね張り工法のデメリット】

大がかりな工事をしたくない場合にはお手軽な工法ですが、その反面デメリットもあるのでチェックしておきましょう。

・窓まわりの納まりに配慮が必要
外壁に厚みが出てしまうため、既存の窓が新しい外壁より奥になってしまいがちです。
なので、外壁と窓の納まりが重要で、通常は特定の位置に使用する役物で納めますが、この納め方が不十分だと雨漏りを起こす可能性があります。

・既存の下地との強固さの欠落
重ね張り工法を行う時、既存サイディングとの強固な取りつけが肝心です。
工法になれていない業者の場合、頑丈さが不十分な外壁に取りつけてしまう恐れがあり、施工が不十分だと結露が発生し建物の寿命を短くしてしまいます。
既存のサイディングと新規のサイディングが頑丈に取りつくように施工しなければならないので、実績豊富な業者に依頼するようにしましょう。

・既存の外壁の補修が困難
古い建物は外壁や外壁内部で雨漏りが発生している可能性が考えられます。
雨漏りが外壁の内部に侵入するとカビやサビが発生し、また断熱材の効力が不足してしまうでしょう。
これらの不具合はサイディングを剥がして下地や断熱材の補修や交換ができますが、重ね張りの場合は既存の外壁や下地の上から施すので簡単に補修できない点が大きなデメリットでしょう。
不具合を放置したままの状態になるため、その影響を残した状態になってしまいます。

・外壁塗装よりも費用がかかる
重ね張り工法は軽度の劣化に対して有効ですが、同じく軽度の劣化に対応した塗り替えによるリフォームと新しいサイディング材が必要なので高めです。
サイディングにひび割れなどがないのであれば、シーリングの補修と外壁塗装でもコストをかけず十分なケアができるでしょう。

【張り替え工法について】

重ね張り工法とは異なり、既存のサイディングを剥がして新規のサイディングを張り直していく工法です。
主に既存サイディングのひび割れや反り、外壁の素地の破損や腐食、雨漏りなど劣化具合が激しい場合に適しています。

【張り替え工法の工程】

張り替え工法は重ね張り工法に比べて大がかりな施工となります。
それでは、張り替え工法の施工工程をご紹介しましょう。

1.足場を組み立てて既存のサイディングを剥がして撤去します。
2.断熱材や防水・防湿シートなど外壁内部の部材に劣化や問題がないかチェックし、必要に応じて補強や交換が行われます。
3.土台部に水切りやスターターを取りつけ、メーカー指定の専用徒目付金具も使ってサイディングを取り付けていきます。
4.全ての部材が取り付けられたら雨漏り防止の強化のために、サイディング目地にハットジョイナーなどのバックアップ材を詰め、さらにシーリング材を充填します。
5.付帯部など一時的に撤去していたものを再度つけ直し、足場を解体して完工です。

【張り替え工法のメリット】

新しいサイディングに替える工法なので外壁を新品にし、きれいな建物に生まれ変わらせられることが大きなメリットでしょう。
他にもメリットがあるのでご紹介します。

・雨漏りの改善が可能
重ね張りと異なり新規で張り直す工法なので、外壁の劣化による雨漏りを改善することが可能です。

・外壁内の不具合を改善できる
外壁から雨漏りしている場合、同時に外壁の中でカビの発生や断熱材の劣化が想定できます。
既存サイディングを剥がして外壁内部のチェックと補修ができるので、良好な状態で外壁を仕上げることが可能です。

【張り替え工法のデメリット】

張り替え工法にもデメリットがあるので、どんなデメリットがあるのかも把握しておきましょう。

・サイディングの撤去費がかかる
既存のサイディングを全て撤去するため、サイディングを解体する手間がかかります。
そうなると解体や廃材の運搬処分などに大きな費用がかかり、重ね張り工法よりも高くついてしまうでしょう。
細菌は廃材処分の費用も上がっているため、処分だけでも高額になる可能性もあります。

・騒音や粉塵が発生しやすい
既存サイディングの撤去時に多少の騒音や粉塵が発生します。
騒音は軽度のものですが、閑静な住宅街では音が響きやすいでしょう。

・天候によって工事日が左右される
サイディングを撤去すると下地だけの状態となるため、そのままの状態で雨に当たると建物に影響を与えます。
なので、サイディングを張るまで雨に警戒する必要があり、工事日は晴れの日を狙って計画しなければならず、場合によっては融通が利きにくい点もデメリットでしょう。

このように、張り替えによるリフォームには重ね張りと張り替えがあり、それぞれメリット・デメリットがあるのでその点を理解した上で、現状に適した方法を選んでください。
外壁塗装業者は基本的に外壁塗装のみの施工に対応しているため、張り替えによるリフォームを希望する場合は、外壁の張り替えに対応したリフォーム業者に依頼しましょう。

■シーリングのみのリフォーム

サイディングボード同士の繋ぎ目であるシーリングは、紫外線や雨風など影響で劣化しやすい部分です。
シーリングが劣化してしまうとひび割れや肉痩せのどの問題が起き、その隙間から雨水などが入り込むこと、サイディングボードや住宅構造の劣化につながってしまいます。
サイディングは耐用年数が長い傾向にあるため、シーリングのリフォームのみでも十分にサイディングを長持ちさせることが可能です。 そのシーリングのリフォームには、2種類の方法があります。

・打ち増し
打ち増しは、既存のシーリングを撤去せず残したまま新しいシーリングを施す方法です。
打ち増しは費用を抑えられる利点があるのですが、施工には条件があります。
第一にシーリングの劣化が激しくない場合です。
ひび割れなどの劣化が進行していなければ打ち増しが可能となります。
もう1つの条件は、サイディングボードが最低でも厚さ15mm以上であることです。
サイディングが劣化していると厚みが少なくなっています。
その上から打ち増しをしたとしても、厚みが十分ではないので耐久性に心配があります。
耐久性が失われてしまうと、劣化も早くなってしまうので大切な自宅に問題が発生することも考えられるので気を付けましょう。

・打ち替え
打ち替えは既存のシーリングを全て撤去して、新しいシーリングを施す方法です。
シーリングを剥がす工程があるので打ち増しよりも費用が掛かりますが、シーリングの劣化が激しい場合は打ち替えでリフォームする必要があります。
ただし、打ち替えを行うことでシーリングの効果を蘇らせることができるので耐久性がアップします。

【シーリングの打ち増し・打ち替え方法について】

劣化の状態によって、打ち増しや打ち替えかを判断することができますが、どういった手順によってリフォームが行われていくのか解説していきましょう。

・打ち増し

既存のシーリングを撤去せずに行われるのでリフォームに掛かる時間が短いことが特徴です。

①養生
外壁部分にシーリング剤が付かないように養生は大切な項目です。
シーリング剤がはみ出ても良いように、隙間に沿って養生テープを貼っていきます。

②プライマー塗布
シーリング材を密着させるために、下塗り材としてプライマーを塗っていきます。
古いシーリング材の上に刷毛を使用してプラーマーを丁寧に塗ります。

③シーリング材の充填
プライマーの上にシーリング材を充填していきます。

④ならす
ヘラを使用して平らになるようにならします。

⑤養生テープの撤去
シーリング材が完全に乾くまえに養生を撤去します。

上記のような手順で打ち増しは行われます。

・打ち替え

次に打ち替えの手順を解説していきましょう。
基本的には打ち増しと同じような手順によって進められていきますが、打ち替えなので、シーリングを剥がす工程が追加されます。

①既存シーリングの撤去
まず始めに古いシーリング材を撤去することから始めていきます。
撤去をする際にはカッターを使用し、切れ目を入れてから剥がしていきます。
シーリングが劣化している場合には、切れ目を入れるだけで簡単に撤去することが可能です。
剥がすことが困難な場合には、ラジオペンチなどを使用して引っ張りながら剥がしていきましょう。
ただし、シーリングの奥にあるバックアップ材に傷をつけないよう丁寧に行うことが大切です。

②細かい部分も残らず撤去する
シーリングを撤去しても、サイディングの断面に薄くシーリングが残っていることが多いので、カッターを使用して削ぎ落とします。
手間のかかる作業ですが、やらないとでは仕上がりや耐久性に違いが出ます。

③目地を綺麗にする
目地が汚いままシーリングを施してしまうと劣化の速度に影響が出てしまうことが考えられるので、隙間に入り込んでいるホコリやゴミなどは綺麗に取り除きましょう。
刷毛を使用すると簡単に綺麗になります。

④養生
打ち増しの工程と同じように養生を行います。
外壁など、シーリング材を付けたくない部分に養生テープを施します。
充填部に食い込むようにテープを貼ってしまうと失敗してしまうので注意が必要です。
また、サイディングに凹凸がある場合には、隙間部分からシーリング材がはみ出る可能性が高いので、指でしっかりと押さえながら貼っていきます。

⑤プライマー塗布
シーリング材を剥がれにくくするためには大切な工程です。
シーリング材に適したプライマーを使用することが重要で、刷毛を使用して丁寧に塗っていきます。

⑥バックアップ材装填
温度差や建物の揺れなどが原因で伸縮を起こすサイディングは、目地部分によって伸縮の吸収を行います。
バックアップ材を装填しないと、サイディングが伸縮した際に左右と奥の3つの方向から引っ張られてしまうので、シーリングを施したとしても劣化が早まってしまうのです。
打ち替えの工程で古いシーリング剤を剥がす際には、バックアップ材に傷を付けてしまったり、一緒に剥がれてしまうことも考えられるのでシーリング材を充填する前にバックアップ材を装填すると安心でしょう。

⑦シーリング材充填
シーリングガンを使用してシーリング材を充填していきます。
目地の内部に空洞ができないように多めに充填していくのですが、上から下へ向かって充填することが大切です。

⑧ならす
表面を綺麗にするためにもヘラを使用して均一にならしていきます。
シーリング材を充填した際に小さな空洞ができている可能性もあるので、ヘラを使用して抑え込むようにしてならしていきます。

⑨養生の撤去
打ち増しと同様にシーリングが完全に乾く前に養生を撤去します。
シーリングが乾いてしまうと、養生テープも一緒に固まってしまうのでシーリングが取れてしまうことが考えられます。
一気に剥がしてしまうと、シーリングに傷が付くこともあるので、ゆっくりと丁寧に行うことが大切です。

⑩乾燥
最後に十分に乾燥させます。
1時間~1時間半ほどすると表面が固まってきますが、乾燥したか確認するためにシーリングを触ってしまうと指紋が付く恐れもあるので触れないよう注意が必要です。
完全に乾くまでには1週間程度必要になります。

■シーリングのリフォームはDIYでも可能?

打ち増しや打ち替えの工程を確認してみると、自分でもできそうだと感じる人もいるでしょう。
DIYで行えれば費用を抑えることにも繋がるのですが、長く住み続けることになるので業者に依頼する方が安心と言えます。
工程だけを見ると手軽にできると思われがちですが、間違ったシーリング材を使用したり、仕上がりが悪くなるなどのデメリットがあるので注意が必要なのです。
また、高い部分のシーリングリフォームをする場合には落下するなどの危険も潜んでいます。
そういったトラブルを起こさないためにも、シーリングは業者に依頼した方が安心です。
ですが、リフォームをするにあたっては費用面に不安を覚える人も多いでしょう。
シーリングの劣化だけでリフォームを依頼していては、大きな費用がかかる可能性もあるので、業者に依頼する際にはシーリングと外壁、屋根塗装を一緒に施してもらうことをオススメします。
シーリングのメンテナンスの目安は10年ほどとなっていますが、外壁や屋根材のメンテナンスも10年ほどと時期が重なっています。
リフォームでは足場を組むだけでも費用が掛かってしまうので、同じく足場を組む必要がある外壁や屋根の塗装リフォームと一緒に行うことで、費用を削減することができるのです。
業者によってはオプションでシーリングのメンテナンスを実施してくれるところもあるので、様々な業者に見積もりを依頼してみましょう。

サイディングリフォームの価格相場はどのくらい?

サイディングをリフォームでは、必要に応じて塗装、重ね張り、張り替えを行うことになります。
では実際にリフォームを行う場合、費用はだいたいいくらくらいかかるのでしょうか。
ここでは150m2の外壁を例にして概算を出しています。
ぜひ参考にしてみてください。

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■張り替えを行う場合

雨漏りが起こったり既存のサイディングが劣化している場合、張り替えが必要です。
張り替えは、既存のサイディングボードを撤去し新しいボードを張る方法と、既存のボードの上から新しいボードを張る方法の2通りがあり、費用もそれぞれ違ってきます。

・既存のサイディングボードを撤去し新しいボードを張る場合
約180~230万円程度

・既存のボードの上から新しいボードを張る場合
約150~200万円程度

張り替えを行う時は、既存のボードを撤去せず上から新しいサイディングボードを張る方がコストが安くなります。
ですが、下地となるサイディングボードに反りが見られる場合は上から新しく張る張り替え方法では十分に補修が出来ないリスクがあるため、あまりおすすめできません。

■上塗り塗装する場合

費用は、塗料ランクによって大きく異なります。
こちらも2通りの方法があります。

・既存ボードの上から塗装する場合
約80~150万円程度

・既存ボードを剥がして塗装を行う場合
約100~180万円程度

張り替えをするよりも費用が安く済むのが特徴です。
軽度なサイディングの劣化であれば、張り替えしなくても再塗装を行うことで、はっ水性などの性能を蘇らせてくれます。
ここで注意しておきたいのは、塗料選びです。
例えば、既存サイディングボードが高断熱タイプの窒業系サイディングボードだとして、その上にシリコン系単層弾性塗料を塗装すると、時間が経つにつれて塗膜の膨らみや剥離が見られることがあります。
また、塗料によって耐用年数が異なり、サイディングボード同等もしくはそれ以上の耐用年数を求めると高価な塗料を選ぶことになります。
そうなれば、費用は高くなるので、サイディングボードの張り替えと金額が変わらなくなってしまうこともあります。

■シーリングのみのリフォームの場合

サイディングボード外壁に、大きな劣化が見られなければシーリングリフォームのみで補修出来る場合があります。
こちらも既存シーリングを撤去し新しくシーリングを打って打ち替える方法と、既存シーリングの上から補修し新しいシーリングを打って打ち増しする方法の2種類があります。

・打ち替えする場合
約15~20万円+足場代

・打ち増しする場合
約12~17万円+足場代

足場を組んで作業するのであれば、足場代がかかります。
面積にもよりますがだいたい10~15万円程度でしょう。
シーリング補修のみであれば、総額25万円から高くても40万円程度で済みますのでサイディングボードを張り替えするよりも、だいぶ安価にリフォームが行えます。
ですが、サイディングボード自体に劣化が見られる場合はシーリング工事だけでなく外壁そのものも補修が必要となってくるでしょう。
ひび割れやクラックなどのダメージがないか、業者に確認してもらうと良いでしょう。

このように外壁塗装をする際、まずは専門の業者に依頼することになると思います。
業者選びも大切なポイントです。
価格が安いからという理由だけで決めてしまうと、耐久性に欠けるなど長い目で見れば損になってしまうこともあります。
価格だけでなく工事の内容もしっかり重視し、その業者の施工実績なども確認してみましょう。
1つの業者だけで即決してしまうのではなく、複数の業者から話を聞いたり、相見積もりを取って比較してみるのもおすすめです。
自分に合った業者選びをしましょう。

メンテナンスプランを立てよう

サイディングにはいくつか種類がありますが、導入コストが安ければ将来的に外壁塗装のメンテナンスが必要になってきます。
反対に導入コストが高額であれば、メンテナンスコストを削減できることにつながっていくものです。
したがってサイディングは、導入時のコストだけにこだわるのではなく、将来的にかかるメンテナンスコストも含めて検討しておくべきです。
導入時にサイディングの種類によって耐用年数が異なることに注目しながら、長期的なメンテナンスプランを立てるようにましょう。
今回は、サイディングに必要なメンテナンスプランを種類別にご紹介していきます。

■窯業系サイディングの場合

外壁塗装に使用する窯業系サイディングは、塗料の種類によって耐用年数が変わってきますが、新築後10年を目安にメンテナンスを行う必要があります。
外壁塗装の塗料別に生涯コストがどれくらいかかるか見ていきましょう。

【10年目のメンテナンス】

・ウレタン(耐用年数8年)…80万円×2(16年目を目安にメンテナンスが必要)
・シリコン(耐用年数10年)…90万円
・ラジカル(耐用年数12年)…100万円
・フッ素(耐用年数16年)…110万円
・光触媒(耐用年数16年)…120万円
・無機(耐用年数20年)…130万円

【20年目のメンテナンス】

・ウレタン…80万円
・シリコン…90万円
・ラジカル…100万円
・フッ素…90万円
・光触媒…105万円
・無機…50万円

【30年目のメンテナンス】

・ウレタン…60万円
・シリコン…90万円
・ラジカル…40万円
・フッ素…なし
・光触媒…なし
・無機…なし

【トータルコスト】

・ウレタン…300万円
・シリコン…270万円
・ラジカル…240万円
・フッ素…200万円
・光触媒…225万円
・無機…180万円

耐用年数が8年とされているウレタン塗料は、40年間で4回程度のメンテナンスが必要なのに対し、耐用年数16年のフッ素塗料は、2回の外壁塗装で済ませることができます。
1回にかかる塗装費用が安いウレタン塗料でも、トータルコストに換算してみると300万円のメンテナンスコストが発生し、フッ素塗料に比べて100万円近く高額になることもわかりました。
外壁塗装を行う際は外壁や屋根などの付帯部塗装も同じタイミングでできるので、足場を有効活用して費用を抑えたメンテナンスを行うことも可能です。
そのため、屋根や外壁の付帯部分のメンテナンスサイクルを合わせるために、シリコンやラジカルといった塗料を採用するのが一般的と言ってもよいでしょう。

■金属系サイディングの場合

次に、金属系サイディングのメンテナンスプランを見ていきましょう。

【10年目のメンテナンス】

・ウレタン(耐用年数8年)…80万円×2(16年目を目安にメンテナンスが必要)
・シリコン(耐用年数10年)…90万円

【20年目のメンテナンス】

・ウレタン…80万円
・シリコン…90万円

【30年目のメンテナンス】

・ウレタン…60万円
・シリコン…90万円

【トータルコスト】

・ウレタン…300万円
・シリコン…270万円

金属系サイディングは、金属でできていても劣化症状によりチョーキングが発生します。
しかし、窯業系サイディングと違って耐用年数の長い高品質な塗料を使うことはなく、ウレタンかシリコンで塗装するのが一般的です。
上記の耐用年数を目安にメンテナンスをしましょう。

■外壁クリーニングの必要性

上記でご紹介したサイディングの基本的なメンテナンスは、外壁洗浄になります。
立地条件によって外壁クリーニングの目安が変わってくるので、以下を参考にしてください。

・海岸地域…年4回程度
・工業地域…年3回程度
・市街地…年2回程度
・田園地域…年1回程度

海岸地域は塩害が起こるので必ずサビが発生するので、1シーズンごとに外壁洗浄することをおすすめします。
金属サイディングの外壁洗浄は、高圧洗浄機を使うと水圧で外壁材が凹んでしまう可能性があるので、ホースの水を使用し柔らかいモップやブラシでクリーニングするようにしてください。
外壁洗浄はDIYによって行えるものですが、海岸地域の場合は塗装専門業者に依頼するようにしましょう。

このように、サイディングは塗装種類によってメンテナンス方法やサイクルが異なります。
サイディング選びは、将来的なメンテナンスプランを検討した上で導入するようにしてください。

サイディング塗装をした人の体験談①

私は遠くで暮らす高齢の祖父と祖母がいます。
二人の家は古いしそれに駅やスーパーなどから少し離れていて不便なので、今の家を引き払ってせめて駅に近い便利なマンションなどに引っ越してくれたら安心なのになと私たち家族は思っていたんです。
でも長年住んでいる家なので愛着があるようで、祖父と祖母はその家にはずっと住むつもりでいるようで私たちの意見には耳を傾けてくれません。

そんなある日、私がたまたま祖父と祖母の家に行った時、何やら怪しい契約書を見つけたんです。内容は家の外壁リフォーム工事の契約書で金額も300万円とかなり高額です。話を聞くと、先日リフォーム会社のセールスマンが飛び込みで家を訪ねてきて家の外壁をチェックさせて下さいと言ってきたようでした。 すると、外壁が劣化しひび割れやチョーキング現象が見られるので早めに塗り替えを行った方がいいとのことで、見積もりを出してもらった所300万円もしたそうなのです。 すぐに話を信じて承諾してしまったようで工事を控えているんだと祖父は言います。 外壁を確認すると、確かに古い家なのでひび割れなどは目立ちますが、リフォームするにしても300万円は高すぎるのでは!?と思い、すぐに信頼出来そうな業者に連絡をして外壁を見てもらうことにしました。 すると見積もりはサイディングボードの上塗りで費用は150万円程度と価格が半分も違いました。 すぐに最初の業者はキャンセルし、一旦もう1つの業者も保留にしておきました。 たまたま私が家を訪ねたから良かったものの、もし来ていなかったら祖父と祖母はボッタクリにあっていたかもしれないので考えると恐ろしいです。 でも今回のことで家の補強は必要なのではと私の両親も思ったようで、保留にしていた業者からもう少し詳しい工事内容を聞いて確認(塗料の耐久性、見積もり以外の費用はかからないかなど)を行い、塗装工事をお願いすることになりました。 作業当日私は立ち合いに行けなかったのですが、母親が初日に立ち合いに行ってきたそうです。 残りの日は立会が出来ず心配していましたが、業者がメールでその日の作業について写真付きで送って報告してくれたりと、とても親切で私も安心しました。 予定通り、外壁工事が完了し、終わってから私も様子を見に行きました。 ひび割れなど気になっていた個所もなくなってとてもキレイになっていたし良かったし祖父と祖母も喜んでいました。 これで快適に生活を送ってもらえると思うと私も嬉しいです。

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サイディング塗装をした人の体験談②

結婚を機に数年前に中古で家を購入しました。 購入当初から家の外壁に複数のひび割れがあり、少々気になってはいたものの結婚したばかりで金銭面にまだ余裕がなくまた今度でいいやとずっと後回しにしていたんです。 ですが、妻の妊娠をきっかけに家族も増えるし、家を補強しようと決意が固まりました。 そんな時、家のポストに外壁リフォームのチラシが入っており、ちょうど良いタイミングだと思い早速連絡を取ってみたんです。 後日、営業マンの方が家に来て、外壁のチェックと見積もりをお願いしました。 話によると外壁の劣化が進行しチョーキング現象が見られるのですぐにでも塗り替えをした方が良い、通常300万円程度はかかるが今その場で決めてもらえれば250万円で対応出来ると言われました。 かなり予算オーバーです。 ですが、今なら安くなると言われると即決しそうになってしまいますが、よく考えると相場をちゃんと確認していませんでした。 断るのが苦手な性格ではありますが、ここは勇気を持って「すみませんが、家族にも相談しないといけないので検討させて頂きます」伝えました。 やはり高額なやりとりになるので慎重性が必要です。 あと自分でもある程度はリサーチしておくべきだったなと反省しました。

とりあえずネットで相場を調べてみたのですが、使用する塗料のグレードによっても値段は違うみたいですが250万円はいくら何でも高すぎることに気が付きました。 あれで、お願いしていたら大きく損をするところでした。 ネットによると、即決はしない方が良いことと、複数の業者から相見積もりをして比較した方が良いと書いてありました。 早速いくつかの業者とアポイントを取り、見積もりを出してもらいました。 同じサイディング塗装なのに価格にばらつきがあり、一番安い業者にしようかと思ったのですが、その次に安かった業者の方が対応なども丁寧だったので出来ればそこにお願いしたいと思っていました。 念のため、他社からもっと安い金額で見積もりをもらっているということをそちらに伝えたところ、値引きを行ってくれ最終的にその業者に決めることが出来ました。 ものは試しで聞いてみた甲斐がありました。 最終的に120万円で塗装工事を行ってもらうことになりました。 工事も無事に終わり、家の外壁もキレイに補強出来ました。 これで新しい家族を迎え入れる準備も万端です。 もしちゃんと調べずに工事を依頼していたら、かなり損をしていたと思うので事前に調べておいて良かったと思いました。

余ったサイディング材をDIYで活用

サイディングは、耐震性のある外壁材として使用されることが多いため新築する時のメリットは大きいものです。
しかし、導入後は外壁材が残り無駄になってしまうといったことがあるかもしれません。
サイディング材の中にはアスベストを含むものもあるため、処分費用が高くついてしまう場合もあるでしょう。
金属系サイディングに関しては分別処理をする機能がない場合、費用が上がる可能性もあります。
そこで、余ったサイディング材を有効活用する方法についてご紹介しましょう。

■余ったサイディングで傘立てを作る

サイディングは外壁材として使用するものなので、雨風などによる耐用性が非常に強いです。
その材質を活かして玄関外に置く傘立てを、余ったサイディングで制作してみてはいかがでしょうか。
鉢植えの底に使用するアミとネジがあれば、簡単に制作できるのでDIYにチャレンジしてみましょう。
サイディングの規格の高さを利用してそのまま使用できる場合は、外壁材を切る必要もありませんし、1時間程度の制作時間で簡単に作ることができます。
サイディングは重量もあるので、傘を入れても倒れることがないでしょう。

■サイディングの切れはしを枕木として利用する

サイディングの切れはしは使い道がないため、処分するしかないと思う方もいるのではないでしょうか。
しかし、庭に敷く枕木や飛び石として地中に埋めれば、足元を汚さずに庭を歩くことができます。
並べ方や敷き方によって、違和感なく自然な風合いを演出することができるでしょう。
木材を使った枕木は、経年によって腐食してしまったりシロアリが発生する可能性があります。
その点サイディングは、紫外線や変形、ひび割れに強いので長持ちします。

サイディングは建築基準法によって使用できない地域があり、導入できても余ったサイディングを産業廃棄物として処分できない場合もあるようです。
埋め立て処分をすることが多く環境にもあまりよくないので、ここでご紹介したDIYアイディアや身の周りのものに活用してみてください。

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